2025/01/29
COLT COMBAT COMMANDER【この銃に会いたかった】
この銃に会いたかった
COLT COMBAT
COMMANDER
フォト&キャプション:Toshi
Gun Professionals 2012年10月号に掲載
「この銃に会いたかった」は、日本全国のガン愛好家の方々に銃への憧れとか思い入れを声高々に語って頂くコーナーです。
今月は、愛知県出身の太田彬満さんがご登場。お目当ての銃は,コルトの“元祖切り詰めガバ”コンバット・コマンダーです。
それではハリキッテどうぞ!
私がトイガンに興味を持ち始めたのが確か小学生の頃。
その当時アニメのシティハンターの再放送や夜にTV放送される映画を見ては画面の中の銃に心躍らせていたのを覚えています。
しかし、当時お小遣いやお年玉でも買えるトイガンがせいぜいエアーコッキングガンで、ブローバックするガスガン等は高嶺の花でした。
映画の中でブローバックし、薬莢をはじき出す姿に打たれた私はどうしてもブローバックするものが欲しくてしかたがなかったのですが、そんな時に街の模型屋であるものを見かけます。

東京マルイ。造るモデルガンシリーズ。
パッケージを手に取り見てみると、そこには力強くブローバックする銃の写真が。値段はどれを見ても3000円前後…安い。
当時は既にモデルガンブームも去って、トイガンといえばエアーガンという時代になっていました。そして自分もモデルガンの存在自体は知っていたもののどういったものかは全く知りませんでした。
パッケージにはブローバックすると書いてあるし、箱はズッシリ重いし、値段は安いし。
何しろブローバックって書いてあるしメーカーはエアーコッキングガンで有名な東京マルイだし。
高学年向けと書いてあるけどもう中学2年生だし、財布には丁度3000円くらいあるし、とにかくブローバックするらしいし…と、気づいた時にはレジに並んでいました。

その時に買ったのがコンバット・コマンダーでした。
フルサイズのガバに比べてちょっと短いそいつが妙に格好よく見えたのが選んだ理由だったと思います。
そしていそいそと、こそこそと家に帰ると(親が銃嫌いだった為、当時銃関係のおもちゃを買うと怒られた)、部屋にこもって黙々と組み立て始めました。
箱を開けてみるとピッカピカに光る黄金のカートリッジが目を引きます。説明書を読むとどうやら接着剤で部品を接着して組立てていくようです。まるでプラモデルみたいだなぁなどと思いながら組み立てること数時間。親に晩飯に呼ばれること数回。
怒られること1回。

説明書には接着、乾燥に一週間ほどかけると書いてあるものを一日で造りました。
案の定接着不良で、カートリッジを詰めるとマガジンの下の蓋がバネの圧に耐えかねて、ぱい~んと飛んでいきます。ちょっと凹みながらも気を取り直して手で作動させてみます。
今までエアーコッキングの割り箸マガジンを見慣れていた私にとって、フルサイズのマガジンにカートリッジを詰めるという作業だけでご飯2杯はいけるくらい感動しました。

マガジンに弾を込め、スライドを引きます。
ガチャ…。
エアーコッキングガンでは聞くことのできない部品が複雑に作動して奏でるハーモニー。そしてエジェクションポートからは金ピカのカートリッジが「ようこそモデルガンの世界へ」と言わんばかりにその存在をアピールしています。
スチャッ!

スライドを離すと手にはリコイルスプリングによる反動がピシッと伝わります。火薬を買い忘れていたためその日は一日中その動作を繰り返していました。
数日後、火薬を手に入れた私は、後年実弾を初めて撃った時以上に緊張していました。
手には6発装填されたコマンダーが。
なぜ6発かというと何度も接着不良を繰り返したせいでマガジンの下の蓋が馬鹿になり7発込めると飛ぶようになっていた為です。
頭の中にはここ数日のイメージトレーニング(ただの妄想)が駆け巡ります。

ついにこの瞬間が来たのだ。
俺はブローバック童貞を捨てるんだ!(すいません、馬鹿だったんです)
スライドを引く、離すという動作一つ一つにも緊張が走ります。そして引き金をじんわりと絞るようには引かず、ガク引きお構いなしに力いっぱい引きました。
パンッ! 鳴った!
一瞬のことすぎて、反動がどうだったとか分からなかったけど、とりあえず撃てた!

かぐわしい火薬の匂いがする!
あ、薬莢はどこ飛んでった? 眼つぶっちゃって見てなかった…。
夢はここで覚めます。

とりあえず薬莢回収は後回しに2発目を撃とうとしたところ、どうも様子がおかしい。スライドが完全に閉鎖していません。
実は薬莢は飛ばず、デトネーターにキャップ火薬のキャップ部が破れて引っかかってチェンバー内に留まっていました。

まぁそれだけならと銃からマガジンを抜き、ホールドオープンにして逆さにし、引っかかったカートを引っこ抜きます。と、銃と共にプラスチックの欠片がポロポロ落ちます。
…なんだこれは、どこの部品だろ?気を取り直してもう一度コッキングして薬室に弾を送ろうにも、どうも引っかかって入りません。

接着剤が足りなかったのか、乾燥が足りなかったのか、頭が足りなかったのか。チェンバーが火薬の衝撃で割れていました。“コマンダーに困んだー”とか訳の分からないダジャレが頭を駆け巡ります。
かくして初めてのモデルガンは、あっという間に無可動モデルガンとなったのでした。
そしてこの時の失敗が悔しくて次へ次へとモデルガンに手を出し、気が付けば部屋はモデルガンだらけ。

今思えば、この時マルイの造るモデルガンシリーズでなく他の組み立てキットだったらここまでハマることは無かったのかなとも思います。
造るモデルガンシリーズが生産されなくなって久しいですが、結局満足に発火させたことは無く、今造ればもっと上手に造るのになぁと悔やまれます。
需要が無いんでしょうかねぇ…とちょっと残念に思います。

●
最後に私にとって銃とは…。
握って鏡の前に立てばポーズ取ってヒーローになっちゃう、そんな現実逃避出来る夢の道具ですかね。
はやく現実を見れるようになりたいです。

今月、語って頂いた方
プロフィール
お名前(P・N)
太田彬満
・年齢、性別
25歳、男
・出身地
愛知県
・トイガン歴
15年
・職業
学生
・自分を芸能人に例えたら
笑い飯の哲夫にそっくりらしいです。
・子供のころの夢
戦闘機のパイロット、地雷除去のボランティア
コマンダーは、単なる“スライドが短いガバ”ではありません。スライドだけじゃなく、フレーム先端も5mmほど短い。つまり、ガバのスライドをちょっとカットしたぐらいじゃコマンダーは出来上がらないのです。「エエッ!? ソレは知らなかったぁ~!」とビビッてる貴方、心配は要りません。斯く言う自分も日本に居た頃は、「スライドを短くすれば、コマンダーだろ」と思い込んでましたから(笑)。
ともあれ太田さん、思い入れタップリの原稿、本当にありがとうございました。
フォト&キャプション:Toshi
Gun Professionals 2012年10月号に掲載
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