2025/02/28
亜米利加ガンショー徒然日記 103 Jacksonville Gun Show編
ニューヨークに行く用事があったので現地のガンショーを見物したかったのだが、日程が合わずに断念。道すがらフィラデルフィアに寄り、映画『ロッキー』に登場するフィラデルフィア美術館の階段を観てきた。いや感動!思わず両手を天高く振り上げてしまった。
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ロッキーなガンショー
今月は野暮用があり、ちょっくらニューヨークまで車で走った。片道650マイル(1,046km)のロングドライブだ。おかげで疲れ切ってしまい、その後のガンショーはついついさぼり勝ち。遠征したニューヨークでも日程の都合でガンショー見物は一個も無くて、結局、いつもの地元の一番近いジャクソンビルのガンショーしか顔を出せなかった。
ジャクソンビルのガンショー会場までは車で約30分。日曜の朝、いそいそと自宅を出る。
道すがら、映画『ロッキー』(Rocky:1976)のサントラを流しながら今回のニューヨーク旅行を反芻する。実はニューヨークへ行く途中でフィラデルフィア(ペンシルバニア州)に寄り、ロッキーのあの階段(フィラデルフィア美術館)を観てきた。以来、頭の中でずっとロッキーのテーマが流れているのだ。
いやあ感動したなあ。映画が公開されたのは確か中学生の頃。流行りましたよね。そのロッキーが立った場所に、自分も立ったのだ。思わず両手を天高く振り上げちゃいましたよ。あいにく当日は雪が降った後で、階段が滑りやすくて駆け上がるのは遠慮しましたけどね。ともあれ、寄り道してホント良かったよなあー、みたいなことを考えてるうちに現地へ到着。
会場はNational Guard Armoryだ。体育館のような建物。既に昼近かったが、客はまばら。たぶん皆さん、教会の後のファミレスでご飯でも食べているのだろう。
一発目、Armscor(アームスコー)の多弾数1911に目が留まる。マガジンのキャパは13発。やや古めのモデルだ。現行品(Rock Island Armoryブランド)ではダストカバーのレイルや前後サイトもモダンだか、個人的にはこっちのほうが渋くて好み。仕上げはコーティングではなくガンブルー。リアサイトはノバック風でアンビのサムセイフティはKings風だ。露出式のエキストラクターが何となくスカスカで安っぽい。が、ほどほどな使い込み具合も相まって、ちょっと良い雰囲気。フィリピンのアクション映画とかには颯爽と登場したりするのだろうか。
マガジンはMecGarとArmscorのダブル刻印だ。他社の多弾数1911との互換性はどうも不明(多分無理)。450ドルの正札を眺めていたら、すぐに「400で良いよ」と言ってきたが、まあ流す。
調べてみると、2018年にフィリピンの国防省が5万挺のArmscor製多弾数45オートをオーダーしたとのトピックを発見。地元の銃って部分をあるだろうけど、今時グロックでもなく、しかも.45ACPを採用するって極めて個性的で面白いんじゃないですかね。

お次は、PX-5.7。昨今、雨後の筍のようにスパスパ出て来た5.7×28mm口径のポリマーオートだ。トルコのTİSAŞ製。現在このメーカーはテネシーに現地法人を設立し、バンバン新製品を出している。見た目はなんというか角々しくてボテボテで締まりが無く、まったく煮詰め切れていない様子。そして握ってビックリ。トリガーが物凄く遠いのだ。コレじゃあダメだろう。お値段は469.99ドルと、このカテゴリーでは格安なんだけどね。

見慣れない妙な銃も発見。ERMOX (エモックス)DEFENSE PW ARMS のX-FIRE。よくあるグロックの亜流なのだが、先ずフレームがアルミ製。グロックのあらゆる部分を近未来っぽいシャープなデザインに替え、スライドの後面にはワルサーP99みたいなコッキングインジケーターを備え、グリップもわざわざ別パーツという取っ散らかり状態なのだ。加えてスライドにはオプティックサイト用のカットもある。マガジンはグロックと共用だ。至れり尽くせりの凝りよう。オプティックプレート2個とスペアの色付きグリップまで付いて、新品389ドルは安い。何よりアルミのフレームは大層魅力。う~ん、試してみる価値ありそう。

もう一挺、グロックの亜流があった。GForce Arms(ジーフォースアームズ)のRXP9 EXODUS(エクソダス:国外脱出を意味する言葉だが、旧約聖書の“出エジプト記”を指すのではないだろうか)。メーカーも銃も自分は全く知らない。グロックにFNとシュタイアーを混ぜた感じ。2023年に前作であるGF9 Raptureを出し、それはレイル無しだったのを、発展させたのがコレらしい。グリップはわりと握りやすく、前後ストラップに交換パネルを装備。マガジンのみならず、スライドもグロックと互換性ありと言う(Gen3若しくはGen4)。つまりは完全にグロックの着せ替え人形のノリ。その分、前述のX-FIREに比べると特徴に乏しく、オプティックカット等のおまけもない。お値段は329ドル。後で調べたら、300ドルを切って売ってる店も多くある。どんだけ安いやら。GForce Armsは1911のコピーやらショットガンやらレバーアクションやらを作ってるネバダの会社らしい。世の中には知らない銃、知らないガンメーカーが結構たくさんあるもんだね。不勉強でホント申し訳ない。

以上、ざっとこんなところ。雑貨類に目ぼしいものはなく、古めの銃の出物もなし。寂しい限りだ。会場を後にする頃には結構客も入って混み始めたが、新年最初のガンショーがこの体たらくじゃ、先が思いやられるなあ。
今月の買い逃し
特にというか、全然無かった。Armscorの45オートも逃して悔しいほどではない。X-FIREは、手頃な中古が出たら買ってみようかね。



Photos & Text by Toshi
Gun Pro Web 2025年4月号
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