2025/02/24
Tactical Solutions 2211 1911 .22LR Conversion 1911や2011に組み込むことで簡単に.22LR化することができる
Tactical Solutions 2211
1911 22LR Conversion
ハイクオリティーな22コンバージョンキット
Text & Photos by Yasunari Akita
Special thanks to Keith Feeley,Tactical Solutions
Gun Professionals 2012年12月号に掲載
急加速した.22LR人気
リムファイア弾の中で最もポピュラーな.22LR(ロングライフル)とそれを撃つ銃器達がここ数年でかつてないほどホットな存在になっている。
2009年、銃器規制に強硬な姿勢を見せる民主党のオバマ大統領が誕生し、このブームのきっかけを作った。
一番最初に規制対象となりそうな軍用銃ベースのセミオートライフルを人々は買い漁り、オバマ政権の誕生が逆に銃器ビジネスに好景気をもたらした。そのため、オバマ大統領は最高の銃器セールスマンであるなどと皮肉られた。

なワイドボディフレーム用があるが、使用するマガジンが異なるだけで内容は一緒だ。
そして弾にまで製造番号を入れるだの、物凄い税金を課せるだの…といった噂が銃器愛好家達の不安感を強くあおり、弾の買い込み競争も勃発。その勢いは半端ではなく、いつも当たり前に買えた9mm×19、.45ACPなどが店から姿を消し、入荷しても数倍の特別価格で取引された。
その時、救い主となったのが安価な.22LRだった。価格は上昇していたが、もとが安かったので高くなっても許容範囲内だ。そして各銃器メーカーはAR15系ライフル、1911系ハンドガン用などのコンバージョンキットの発売に踏み切った。サードパーティ製ながら、グロック用のコンバージョンキットまで開発され、.22口径のブームが本格化した。
弾不足はしばらくすると緩和されたが、弾代の節約や射撃練習用として.22口径新型拳銃や軍用銃の姿をコピーした新製品が毎年矢継ぎ早に登場している。


1911用コンバージョン
.22LR口径変換キットの類はAR15用などが数十年前から存在し、発想そのものに新鮮味はないが、この機に参入する企業が爆発的に増えた。
パーツ交換で1911系オートから.22LRを発射する商品の草分けといえば、1931年にコルトが発売したAce(エース)であろう。1911のスライド、バレル、マガジン等を交換することで簡単に.22LRピストルに変換でき、フレーム部はそのままなので同じ感覚で射撃が可能だ。これによって効果的な練習ができる。
.22LRは発射圧力が低く、重いスライドをブローバックさせるのには不向きだったが、コルトはフローティングチェンバーを採用し、重いスチール製スライドでも作動させた。

これは発射のガス圧を受けるとチェンバー部が後方に移動し、圧力が高まる空間が拡張、重いスライドを作動させるだけの圧力を溜め込む事ができるという方式だった。弱点もあり、その後の類似製品には受け継がれなかったが、現在は物珍しさとコルトの珍商品としてコレクターにはそこそこ人気がある。
第二次大戦後、.22LRコンバージョンも下火になり、スタームルガーなどの専用設計の22ピストル達が活躍する時代になった。



2000年代に入りマーベルプレジョション社やアドバンテージアームズ社、キンバーなどがコンバージョンキットを発売し、徐々に.22LR口径化の人気が再燃した(それらはアルミ合金の軽量なスライドと組み合わせている)。
同一のフレームから撃てる、こういったキットが重宝されたもう一つの理由とは購入時に登録手続きが免除されることにもある。大半の拳銃はフレーム部のシリアル番号で登録される。1911系オートでも同様なのでトップエンド部はそのまま無許可で購入できるわけだ。


タクティカル ソリューションズ
.22口径の銃器やカスタムパーツにより、ここ10年で急成長を遂げたのがアイダホ州のタクティカル ソリューションズ(以下TS)だ。
同社が誕生したのは2002年で、航空宇宙産業の金属パーツを製造するCNCソリューションズという会社のサイドビジネスとして始まった。9.11事件により業界が低迷したため、CNCマシーンの加工技術を活かせる副業としてルガーMKや22/45シリーズのアップグレード製品を開発。それが現在も同社の人気商品となっているパックライト(Pac-Lite)であった。

T6アルミニウムの塊から削り出し、カラフルに仕上げた軽量でスタイリッシュな上部レシーバーは、.22LRオートピストルの雄であるルガーにはない魅力があり、市場から歓迎された(ようやくルガーも同じ発想の22/45 LITEを2012年に発売したが)。
2005年、ガンスミスとして知られるビル・ジャービスが、自身の考案した1911用22コンバージョンの改良・量産化の話をTSに持ちかけてきた。そして2年の歳月を費やし研究を重ね、2211コンバージョンとして製品化した。
最初の試作品ではコルト エースのマガジンをそのまま流用したが、市場に存在する、あらゆる22LR弾で作動させられるようにマガジンの設計に力を注ぎ、切削加工による高品質マガジンが完成した。


TSはルガー10/22タイプのライフル、X-リングを製品化し、これが同社のベストセラーとなった(カスタムバレルやストックも販売)。他にもブラウニング・バックマーク用のカスタム・パーツ、AR15系のアッパーレシーバー部をコピーしたAR22、グロック用のTSG-22を開発し、同社は22口径市場を引っ張る存在にまで成長している。
TSが売りとしたのはアルミ合金パーツを数種類のカラーで仕上げ、スポーティーに銃をドレスアップできることだ。そして高品質で作動の信頼性と命中精度が高いことから競技シューター達からも支持を得ている。スティールチャレンジのリムファイア部門でも大勢のシューターが愛用していた事から筆者も強い興味を持ち、約2年前にこれを入手した。


2211コンバージョン
2211は.22口径変換キットとしては高価な商品だが、その高い品質は短期間で競技シューター達を虜にしてしまった。
2211の最も優れている点は、市場に数多く存在するあらゆる.22LR弾で作動し、信頼性が抜きん出て高いことだ。
実はこのキットを入手する前にSTIの初期型キット(アドバンテージアームズ製)を試したが、CCIミニマグのような高圧力弾(価格は通常の数倍)でないと快調に作動せず、ウィンチェスターの白箱のような一般的な安売り弾ではジャムの連続だったので手放してしまった。

リコイルは小さくても同一のフレームを使うことでトリガーやグリップのフィーリングを9mm×19と共通化できるので、.22LRキットでの練習効果はかなり高い。
これまで2211で発射した弾数は4,000発以上だが、その大半は安売りのバーゲン弾を使ってきた。相性の良くないブランド弾もあり、どれを使ってもジャムは皆無というわけではないが、リムファイアなのでそこは割引いて考えるべきだろう。この性能は個人的には十分満足できる。
高いキットだが、この弾代金節約効果により沢山撃つ人ならあっと言う間に元がとれる。初期投資は掛かるが、使えば使うほどお得になる。そしてTSはアフターケアが行き届いている事にも好感が持てる。
ここ数年で.22LR版1911系オートやコンバージョンキットを発売するメーカーが相次いでいるが、品質と信頼性でTSはトップランナーとなっているのだ。

Text & Photos by Yasunari Akita
Special thanks to Keith Feeley,Tactical Solutions
Gun Professionals 2012年12月号に掲載
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