2025/03/02
Kimber KDS9c いまどきの9mm多弾数1911
キンバーが2023年に発表したハイキャップ1911がKDS9cだ。2024年には2K11を登場させるなど、同社はハイキャパシティ1911へのアプローチを活性化させている。どちらもフレームはアルミだ。 そんな魅力溢れるKDS9cを手に入れた。
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キンバーの挑戦
ここ数年、ハイキャップ1911のトレンドが俄かに活気付いている。今年のSHOT SHOWでも新作が結構出たらしい。Military Armament Corporation のDuty 9 Double Stack(STI系の樹脂フレーム)やら、StaccatoのNew Staccato HD(コマンダーサイズの9mm。グロックパターンのスティール製マガジンを使用し、スライドキャッチまでアンビ化)、そしてWilson Combatの Division 77 Project 1(SFT9に持てる技術をすべてぶち込んだ超高級品)等々だ。
このトレンドに合わせて、というワケでもないのだが、自分も一挺、ハイキャップの1911を手に入れた。キンバーのKDS9cである。
口径は9mmオンリーの15連発。コマンダーサイズが軽快なキャリー志向の多弾数1911だ。名称のKDS9c は、 “Kimber Double Stack 9 Compact”の略らしい。
2023年の4月にリリース(実際の出荷は7月から)だから、まだまだ新製品の匂いがプンプン。ご覧の通り、全身がキンバー銃にありがちな高級感の塊であり、各所に光るアグレッシブなデザインも刺激的だ。そして何より、ハイキャップ1911の分野を攻めてきたことの感慨深さもある。

キンバーはずっと昔にハイキャップの1911を出している。樹脂製フレームで、確かイスラエルのBULLとの提携品。自分は旧Gun誌時代にリポートしたが、感触等あんまし覚えていないほどに印象が薄かった。今回はその仕切り直しを仕掛けて来たか。
う~んキンバー、頑張ってるねえ。ここ数年は幅広いジャンルの新製品をコンスタントに出し続けているし、米国のメーカーの中でも突出して元気な印象だ。
キンバーは、1979年にオレゴンでライフルメーカーとしてスタート。いったんは潰れたらしいが、復活後、1911のカスタムを作り出してからの勢いは凄かった。
個人的には.357 DAリボルバーのK6Sやら、9mm 小型DAオートのSoloがお気に入りだ。1911系は旧Gun誌時代に借り物を数回リポートしたのみ。“フルカスタムの1911をお手頃プライスで”のコンセプトを掲げ、その実現のカギとしてMIM工法による鋳造パーツの積極的な導入を進めていた。正直言うと、当時は鋳造パーツの耐久性を自分は信じ切れず、またカスタムジョブには向いてない等々のウワサも流れて不安視されたが、取り越し苦労だった模様。事業はみるみる拡大し、現在ではアラバマ州のトロイ(Troy)にも工場を建設するなど大躍進を遂げている。
そんなキンバーが出したKDS9c、なかなか良さげな雰囲気ですよ。