2025/02/26
スプリングフィールドアーモリー XDs .45ACPサブコンパクト
Springfield Armory
XDs
新たなポケット戦艦 口径.45ACP
新しい時代の護身用
またはバックアップガンとなれるか!!!
Turk Takano
Gun Professionals 2013年1月号に掲載
これまで9mmパラベラムのポケットまたはコンパクト/サブ・コンパクト・ピストルは多くのメーカーから発売され既に物珍しいものではなくなった。そして残されたのは護身用として絶大の信頼を得ている口径.45ACPだ。9mmパラベラム派からはナンセンスと言う意見も聞こえてくる。しかし米国内では.45ACPは絶対の存在だ。
現在、市場にある.45ACPコンパクト、サブ・コンパクトの代表モデルはグロック36、スプリングフィールドXD(M)である。今回、スプリングフィールドが発売したXD-sはこれらより一回り小さい。sはスモールからきた頭文字だ。サブコンパクト、コンパクトより小さいという意味なのだろうが・・・

.45ACPは太いカートリッジである。寸法で言えば12mm×32mm(太さ×長さ)、これに対し9mmパラベラムなら9.8mm×29mmだ。長さの違いも影響を与える。.45ACPを土台とすればスライド、マガジンが必然的に太く長くなる。何処までが限界寸法なのか?機構からきた安全性の問題、撃って支障がない・・・となるとデザインも容易でないはずだ。従来の.380ACPサイズのピストルに.45ACPを組み込むとなるといろんな問題が起きてくる。
.45ACPピストルの小型化のルーツはデトニックスではないかと思う。デザインは.45ガバメントをベースとしたものだった。独特の外観は当時、新鮮だった。当初、そこそこの成功を見せたが倒産し米国銃砲史にうずもれてしまった。
3-4年前、デトニックスは新オーナーの下ショット・ショーにブースを持った。蘇ったか!と期待したのだが、今もって製品を店頭で見かけることはない。不死鳥とはならなかった。ポリマーの時代、デトニックスのコンセプトは既に古すぎたようである。ノスタルジアで購入する層の数は知れている。



今日、XDシリーズの無名時代を知る読者は少ないはずだ。米国でもほとんど知られていない。Gun誌2000年10月号の特集でリポートしたINTRAC HS2000 9mmパラベラム クロアチア製がXDシリーズのオリジナル・モデルなのだ。リポートでは隠れたマスターピースと紹介しているので古い読者ならご記憶のはずだ。
クロアチア(クロエイシャ)は独立国である。1991年頃まで、ユーゴスラビア連邦の州だった。チトー大統領が亡くなりその後、ソビエトの崩壊、いくつかの宗教派による内戦により多くの犠牲者を出した。現在のNATO軍PKFにより平静を保っているものの平和解決されたわけではない。
実を言えばクロアチア製HSセミ・オート・ピストルを日本に初めてレポートとして紹介したのは床井氏だった。もっともこのモデルが今回のXDシリーズとメカにおいての直接の関係は薄い。共通点は作動方式ぐらいだ。HSモデルのレイアウトはSIGP228そのものだったからである。このHSピストルが米国市場で売られることはなかった。
推測だが代理店を捜し求めていた可能性はある。しかしながら機能は優れていてもあの雑な仕上げでは米市場で成功したとは思えない。それがブレーキになった可能性はある。


HS2000の箱にはHS America、LLCと印刷されていた。またINTRACともあり一体何処が本当の代理店なのかはっきりしなかった。米国市場でまったく問題にされなかった運の悪いモデルである。ドイツ製ではなかった。クロアチアと聞いてもほとんどの米国民にはチンプンカンプンだ。
HS2000は基本的に今日あるXDシリーズと機構的に変わることはない。ポリマー製フレームを持つなど時代に先駆けたモデルだったが、外見も内部機構もコンセプトがグロックに似すぎていた。グロックは1986年米国市場登場以来、この時点で14年目を迎えていた。
グロックは米市場登場後、LE好みのモデルとなり、コマーシャル市場もその余波を受け飛ぶように売れた。HS2000が登場した2000年、既にグロックは米国市場でプルーフされ似たようなポリマー・フレーム・ピストルには見向きもされなかった。米国専
門誌に広告を出さなかったことが関係しているのだろうが、詳細なレポートは一本も書かれなかった。紹介記事はあったが義理で載せたような内容だったことを記憶している。

Gun誌2000年10月号のリポートでも述べたが、機構とくに安全性においてHS2000はグロックに優るものを持っていた。とはいっても筆者自身、既に複数のグロックを所持していた関係もあり、同じようなモデルの購入に躊躇った。グロックと同じ時期に出現していたら逆にグロックが干されていた可能性もある。タイミングがすべてである。
この頃、いくつかのメーカーはポリマー製フレームのセミ・オートを登場させたが、グロックに勝てず結局、敗退した。ステアーMもその中の一つだった。グロックの2番煎じと映ったからだ。
この時点でグロックも各種口径モデルを揃え、しかもGIIからGIIIに衣替えしつつあった。新興メーカーが1-2種類のモデルを掲げて登場してもニーズを満たせる状況ではなかったとも言える。ましてやクロアチア製となればなお更だ。
HS2000 の非凡なデザインは埋もれるかに見えた。これに目をつけた米国内有名メーカーがあった。M1A、M1ガランド、.45ガバメントのメーカーとして知られたスプリングフィールド・アーモリー社である。ハンドガンでは古い時代のガバメント・ベースを製造販売するメーカーだが新しい時代のオート・ピストル販売に意欲を持っていた。
まさにHS2000はスプリングフィールド・アーモリー社にとって渡りに船だった。
クロアチア製オートもスプリングフィールド・アーモリーが代理店となったことで米国販売の道が開かれた。HS2000は元々優れもので売れ始めれば加速がつくことは目に見えていた。そしてHS2000はスプリングフィールド・アーモリーのドル箱モデルXDシリーズとなり今日に至っている。この12年間、サービス・モデル、タクティカル・モデル、サブ・コンパクト、コンパクト、カスタム、口径も9mmパラベラム、.40S&W、.45ACPと種類も増えあらゆるニーズに答えている。またこの間、改良もされた。
HS2000は当初から水面下3mまでなら支障なく発射できる。これもミリポリにとってクリアしなければならないスペックだ。この機能を当初、備えていなかったグロックは水中用のストライカーをオプションに加えた。
XDsは.45ACPとしては極めて小型だ。口径ではるかに小さい.380ACPのサブコンパクトと同じサイズでしかない。最近では.380サイズのまま9mmパラベラムとなったものも多い。筆者の所持するピストルの中のコンパクト・モデルにKel Tec P-11 9mmパラベラムがある。マガジンはダブルで11発はいることからこのモデル名がある。読者も知るように近年の新規デザインの.380ACPには作動方式として容易なスライド操作、リコイル軽減を目的にショートリコイルを採用したものが多い。
XDsの姉妹モデルとして先に登場したXD(M) .45ACP 3.8“バレルがある。全長177.8mm、全長はグロック36 .45ACPの全長177mmと同クラスだ。
XDsはこれらより更に短い160mmとなっている。その分、バレルは3.3“(84mm)となった。詳しいことはデザイン&ファンクションで述べたい。
フィールド・ストリッピング





