2025/02/21
シューティング・スタイルとカテゴリー Smoky Mountain Shoot-Out 04
Smokey Mountain
Shoot-Out
―THE RETURN OF THE SMOKY MOUNTAIN OUTLAW―
シューティング・スタイルとカテゴリー
Text by Terry Yano Photos by Yasunari Akita
Gun Professionals 2012年10月号に掲載

これは「トラディショナル(Traditional)」と呼ばれている両手保持。ぎこちない初心者はもちろん、とんでもない連射を行う上位入賞者など、幅広いシューター層に用いられている。シューターは“Yukon Gal”(ユーコン・ギャル)、カテゴリーは“Lady 49er”だ。
カウボーイ・アクション・シューティング(以後はCASと略す)では、シングル・アクション(以後はSAと略す)・リボルバー(2挺)/ライフル/ショットガンが用いられる。CASマッチはSASS(Single Action Shooting Society、サースと発音)という国際団体のルールに則って運営されており、前回はSASSのシューターズ・ハンドブックで規定されたCASで使用される銃器についての大まかなルールを紹介した。
今回は射撃スタイルやカテゴリーについて解説したい。


シューターのカテゴリー
SASSには、シューターの年齢や性別をベースにしたものと、シューティング・スタイルや使用銃器などをベースにしたものなど、かなり多くのカテゴリーが存在する。誌面の都合もあり、細かい点まで解説することはできないが、大まかな分類を紹介しよう。
年齢ベースでは、まず制限のない“Cowboy/Cowgirl”(カウボーイ/カウガール)、そして16歳以下が“Junior”(ジュニア)となり、その中でも14〜16歳が “Young Gun”(ヤング・ガン)13歳以下は “Buckaroo”(バッカルー)に分類される。36歳以上は“Wrangler”(ラングラー)、49歳以上は “Forty-Niner”(フォーティ・ナイナー)、60歳以上は“Senior”(シニア)となり、65歳以上は“Silver Senior”(シルバー・シニア)、70歳以上は男性が “Elder Statesman”(エルダー・ステイツマン)、女性は“ Grand Dame”(グランド・デイム)となる。
シューティング・ステイルで分類されるカテゴリーの代表は、ストロング・ハンドのみでシューティングを行う“Duelist”(デュエリスト)、左右それぞれの手でワンハンド・シューティングを行う “Gunfighter”(ガンファイター)など。使用銃器ベースのカテゴリーには、すべての銃器にブラック・パウダー(その代替火薬を含む)を使用し、ショットガンは水平二連かレバーに限られた “Frontier Cartridge”(フロンティアー・カートリッジ)や、それらの規定に加えてデュエリスト(またはダブル・デュエリスト)・スタイルで撃つ “Frontiersman”(フロンティアーズマン)などがあり、性別によっても分けられている。
Duelist
利き手で片手保持射撃を行うのは、「デュエリスト(Duelist)」と呼ばれているスタイル。2挺とも利き手のみで射撃するので、ストロング・サイドの銃を撃ち終えたらホルスターに戻し、ウィーク・サイドのもう1挺を抜いてストロング・ハンドに持ち替える(逆も可)。



Double Duelist
左右それぞれの手で片手保持射撃を行うのは、「ダブル・デュエリスト(Double Duelist)」と呼ばれるスタイルだ。1挺目のピストルを撃ち終えたらホルスターに納め、反対側の手で2挺目を抜いて撃ち始める。



Gunfi ghter
左右の手でピストルを片手保持するのは「ダブル・デュエリスト」と同様だが、2挺を同時に突き出すのが「ガンファイター(Gunfighter)」と呼ばれるスタイルだ。ハンマーのコッキングは同時でもよいが、発砲は片方ずつ行わなければならない。




使用銃器や射撃スタイルの制限に加え、コスチュームにも要求事項のあるカテゴリーは“Classic Cowboy/Cowgirl”(クラシック・カウボーイ/カウガール)だ。チャップスやスパー、スカーフやベストなど、リストアップされたアイテムを最低5つ着用することが義務付けられており、競技進行中はそのスタイルで過ごさなければならない。“B” Western(ビー・ウェスタン)というカテゴリーでは、使用銃器の制限やコスチュームに細かい規定があるほか、ドロップ・ホルスターと呼ばれるハリウッド・スタイル(低い位置にリボルバーを吊るす)のホルスターを使用するように定められている。
今回取材したSmoky Mountain Shoot-Out(スモーキー・マウンテン・シュートアウト)では、SASSで(今のところ)規定されていない “Outlaw”(アウトロー)というカテゴリーが設けられていた。これは、ハンドガンやライフルをサイティングしないで撃つスタイルだ。
次回(最終回)では、「アウトロー」の生い立ちや晩餐会/表彰式の様子をお伝えする。
ではまた。God bless you!!

Text by Terry Yano
Photos by Yasunari Akita
Special thanks to
Tennessee Tombstone,
Lady Tombstone,
And all the shooters
and their families
at Smoky Mountain Shoot-out
Gun Professionals 2012年10月号に掲載
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