2025/12/04
【NEW】ルガーアメリカンライフル ジェネレーションII

2012年に発表されたルガーの普及価格帯ボルトアクションが、アメリカンライフルだ。2023年末にその第2世代モデルが登場、スパイラルフルートバレルや、セラコート仕上げとなり、その後もバリエーションを拡大させている。現在のGenIIラインナップは、スタンダード、ランチ、プレデター、スカウト、プレイリー、パトロールの6タイプだ。
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ルガーアメリカンライフル
2024年に75周年を迎えたルガー(Sturm, Ruger & Co., Inc.)は、米国を代表する総合銃器メーカーとなって久しい。1968年に発売されたモデル77をもってボルトアクションライフル市場に参入、同モデルは改良を経てM77マークⅡに、そして現行のM77ホークアイ(Hawkeye)となって現在に至る。
一方でルガーは、2012年1月2日に完全新規デザインのボルトアクションライフルであるルガーアメリカンライフルを発表、同月下旬に開催されたSHOTショーで公開した。マウザー98系をお手本にデザインされたモデル77系と異なり、生産性を重視したラウンドアクションのルガーアメリカンライフルは、エントリーレベルのユーザーでも購入できるように価格設定された製品だが、当時新規であったルガーアメリカン マークスマンシップトリガーが備わっており、ストックを取り外してセットスクリューを調整することによって、トリガープルを3~5ポンド(1.36~2.27kg)の間に設定できる。センサティックストック内にステンレススティールのベディングブロックを設け、レシーバーの位置決めとバレルをフリーフロートさせることで精度向上が図られた。
ボルトのロッキングラグは3つで閉鎖角は70度、ボルトボディの直径がロッキングラグよりも大きいいわゆるファットボルトスタイルとなっている。
発売当時のMSRP(メーカー希望小売価格)は449ドル、口径のオプションは30-06スプリングフィールド、308ウィンチェスター、270ウィンチェスター、243ウィンチェスターの4種であったが、後に様々なカートリッジに対応したモデルが追加された。2012年8月14日のルガーのニュースでは、フィールド&ストリーム誌のベストオブザベスト賞に選出されたと報じられている。
アップデートされたルガーアメリカンライフル
リーズナブルな価格で十分な実用精度をもつルガーアメリカンライフルは、米国内のハンターたちの間で普及していった。実際、私の友人の間でも同モデルを愛用している人は少なくない。
2023年12月18日に発表されたルガーアメリカンライフルの“Generation II”、略してGenII(ジェントゥー)と初代ルガーアメリカンライフルの外観上の大きな違いはストック形状と、スパイラルフルートが施されたバレルだ。初代のストックはストレートなコームのシンプルな形状で、色はスタンダードがブラック、プレデターがグリーン、ランチがFDE(フラットダークアース)となっていた(特別仕様はこの限りではない)。
GenIIのストックはスタンダードがグレー、プレデターがグリーン、ランチがFDEと初代のカラースキームを継承しつつ、それぞれの色に合ったスプラッターテクスチャー(インクや絵の具などが飛び散ったような、不規則な模様)入りとなっている。
また、初代のバレルドアクションはマットブラックもしくはマッチステンレス地肌であったが、GenIIではセラコート仕上げとなっており、色はスタンダードがグレーでプレデターがバーントブロンズ、ランチにはブラック(ルガーは「コバルト」と呼称)が組み合わされた。
さらに、GenIIのストックは初代のものより剛性が高められたことに加え、着脱可能なチークピースが備わったモンテカルロ スタイルとなったほか、スペーサーの増減によるLOP(レングスオブプル:ストック後端からトリガー前面までの長さ)を12~13-3/4インチの間で調整可能となっている。
Images courtesy of Sturm, Ruger & Co., Inc.
Images courtesy of Sturm, Ruger & Co., Inc.
Images courtesy of Sturm, Ruger & Co., Inc.
Images courtesy of Sturm, Ruger & Co., Inc.
Images courtesy of Sturm, Ruger & Co., Inc.
GenIIには2025年10月22日にプレイリー(Prairie)仕様が、同年11月5日にはパトロール(Patrol)仕様が追加されたほか、大手ディストリビューターのリプスィーズ(Lipsey’s)の独占供給モデルとしてスカウト仕様も存在する。
Image courtesy of Sturm, Ruger & Co., Inc.
Images courtesy of Sturm, Ruger & Co., Inc.
また、一目では判別できない初代とGenIIとの違いとして、スライド式のタングセイフティが2ポジションから3ポジションとなったことにも留意したい。後にいっぱいまでスライドさせるとトリガーとボルトがロックされるセイフ/ロックト状態(白線2本が表示)、中間位置まで前方にスライドさせると白線1本が表示され、トリガーはロックされたままでボルトの操作が可能となるセイフ状態(白線1本が表示)、前方いっぱいまで前進させるとトリガーが引けるファイア状態となる。
Photos by Yoshi Yano


