2025/02/03
プレシジョンライフルシリーズ(PRS)スキルスステージの撃ち方 PRS Skills Stage Basics
プレシジョンライフルシリーズ(PRS)スキルスステージの撃ち方
PRS Skills Stage Basics
Text by Satoshi Matsuo GP Web Editor
インストラクター:Andy Slade MDT
ビギナー:Mari Morita ディオン光学技研
今、アメリカでPRS(プレシジョンライフルシリーズ)と呼ばれるライフルマッチの人気が急速に高まっている。ボルトアクションライフルを用いたアクションシューティングといえるものだ。
その競技の中でも、もっともシンプルな“スキルスステージ”の撃ち方を動画で紹介させて頂こう。インストラクターはMDTのアンディ・スレイド、指導を受けるのは、Marchスコープを製造するディオン光学技研の森田真理さん。彼女は日本でISSF射撃競技に参加しているライフルシューターだが、PRSを撃つのは初めてだ。
動画は英語だが、ポイントとなる部分を日本語訳にしたので、参考にして頂きたい。
動画URL:https://www.youtube.com/watch?v=Hc445pBAoz0
動画の主要な部分についての日本語訳
0:10 スキルスステージがどのようなものかを知りたい方に向けて解説したい。
MDTはプレシジョンライフルシャシーシステムと関連アクセサリーのメーカーで、あなたの射撃をサポートしている。
0:15 森田真理さんはPRSを撃つのが初めてなので、スキルスステージを撃つに当たり、知っておくべきことをすべて解説したい。
0:25 スキルステージは画面に見られるようなバリケードで構成されている。
スキルスステージで撃つポジションは、このバリケードを使った4つ。撃つ順番は自由だが、4つ目のポジションを撃った後、ひとつ前のポジションを撃つ必要がある。
0:35 ほとんどの人は左下→左上→右上→右下→右上の順に撃つ。この順番は各自が選べばよい。
但し、4つ目のポジションを撃ったら、次に一つ前のポジションに戻る必要がある。
0:50 この時、銃にバイポッドを付けたままにするか、外すかは自由。邪魔になるかもしれないが、装着状態の方がバランスがとれる場合もある。
1:10 撃つ際にはサポートバッグを使って依託で撃つ。
サポートバッグは通常砂が詰められており、多くの表面積があって安定している。
1:34 サポートバッグを持つときは、サポートハンドの親指とあと4本指でつまむようにして持つ
1:40 バリケードにサポートバッグ置くときは親指をターゲットに向けるようにしながら、サポートバッグが平になるように置く。
1:45 まず銃のグリップを握り、バットプレートを腰骨に当てるようにして持つ。銃口は上だ。
1:56 そしてバリケードの上のサポートバックに銃を置く。この時、サポートハンドの指4本でサポートバックの前、または側面を押さえる。
2:00 目はターゲットの方向に向ける。
そして銃を少し前後に動かして、安定していることを確かめる。安定しているのは、サポートハンドでしっかりとバッグを掴んでいるからだ。
バリケードの高さは決まっているので、自分の身体をそれに合わせていく必要がある。
2:40 足を広げたり、腰を曲げてかがんだりする。
2:45 自分の構え方は、ストックの後端下部をサポートハンドの拳で支え、銃の向きの上下を調整する。
2:50 構える体勢をとる(射撃ポジションを作る)際は、自分が銃から少し離れ、ストロングハンドの拳をバットプレートの後ろに置く。足を広げ、自分の高さを調整し、ストロングハンドの拳をバットプレートから外し、自分を前傾させてバットプレートに自分の肩を当てる。この拳を外すだけで、身体を前傾させる角度が決まってくる。
3:05 この時、横から見ると、踵、膝、腰、肩が一直線になる。背中を後ろに突き出すようなことは全くない。
3:30 こうしてポジションを作って、銃を構えたとき、銃口が斜め上を向くようだと、足を開き過ぎている。もう少し、開いた左右の足を近付けて銃がターゲットを向くように調整する。
3:50 上手く狙えない場合、スコープを覗く状態から、頭を上げてみよう。スコープの先にターゲットがあるのが見える。そこからまず、あごをチークパッドに載せる。スコープがまっすぐ一直線に見え、その先にターゲットが見えればOK。
4:00 顔を下ろしていき、スコープを覗く。
4:10 バリケードの別のポジションに移るときは、ボルトを開いた状態にして、ストックのチークピース部分を上から押し下げ、銃を斜め上に向けながらバットプレートを腰骨に当てるようにしてグリップを握って銃を保持する。最初の体勢と同じだ。そしてサポートバッグをサポートハンドで持ち、次のポジションに移動する。
4:40 バリケードにサポートバッグを置き、先ほどと同じように銃をその上に置いてターゲットに向ける。
4:46 バットプレートに肩を付けた時の力は4から8ポンド(1.8kgから3.6kg)。
4:55 高い位置で銃を構える時、多くの初心者シューターが犯す間違いは、しっかり肩付けしようとして、肩を引き上げようとすることだ。そうすると肩に力が入って緊張する。もっとリラックスして肩の力を抜く。銃に寄り掛かるようにバットプレートを当てるのが良い。
5:10 やって欲しいのは自然なpoint of aimを見つけることだ。
ターゲットをスコープのレティクルが捉えたら、目を閉じて、息を吸い、吐いて、リラックスした状態で、目を開けたとき、レティクルが依然としてターゲットを捉えていればOK。
5:30 ボルトを閉じる時、ボルトでターゲットを突き刺すようにする。
5:47 右目はスコープからターゲットを見て、左目は銃に装着した水準器を確認しよう。
そしてトリガーをプレスする。フォロースルーも忘れないようにしてほしい。
5:56 発射
6:00 センターに当たった。グッドジョブ!
6:05 ボルトは後方いっぱいまで引く。焦って途中まで引いただけでボルトを戻すと次弾が送り込めないトラブルが起こる。
6:20 インパクト(命中!) Nice all right!
6:22 低い位置から撃つために、膝をつく体勢に移動する際は、まずボルトが引かれているのを確認し、ストックを下に下げながら、サポートバッグと一緒に銃を後ろに引き、持ち上げる(銃を上に向けて保持する)。サポートバッグと一緒に持ち上げるのが難しい場合は、先に銃を、持ち上げてから、サポートバッグを掴んでも構わない。しかし、一緒に持ち上げた方が効率的だ。
6:45 この時、背中に力を入れて持ち上げてはいけない。筋肉に負担が掛かるからだ。そのためにストックを下に下ろすようにすれば自然に銃口が上を向いて容易に持ち上げることができる。
6:55 そして半歩後退して横に移動、膝をつき、それからバリケードに銃を依託する。
7:00 銃を置くのに力を使うのではなく、自然と下げるようにして銃を置く。そして銃を前に押し出す。
7:10 ターゲットを狙える高さに体勢を作る。この時、通常のニーリング射撃とは反対側の膝を立てることになる。なぜならば銃はバリケードに依託されているからだ。膝でサポートハンドを支えて銃を構える必要はない。今回の場合は、グリップを握るストロングハンドを肘で支える。膝を立てた時にできる膝の窪みに肘を置くのが正解だ。
7:40 今度はサポートハンド側の膝は足の太腿が地面に対して垂直になる位置で地面につける。
7:48 ストロングハンド側の足の脛は、地面に対してまっすぐになるのが理想的。
8:00 但し、これも状況次第であり、標的の位置が低かったりした場合、両膝をついた体勢で撃つ場合もある。射撃する角度や体形によって異なってくる。その場合も足を広げたり、様々な体勢で微調整することになる。
8:10 ライフルの真後ろに身体を動かし、スコープを上から覗くようにして構え、銃が水平になっているのを確認し、ターゲットを見つける。
8:17 ストロングハンド側の足のつま先はまっすぐにターゲットに向けるか、やや内側に向ける。つま先が横を向くと股関節が開いて、足が不安定になるからだ。つま先を内側に向けると股関節引き締まり、安定する。
8:40 この体勢を何度も練習して覚えることが重要だ。自然にターゲットを安定して狙える体勢を身に着けると、正確な射撃ができるようになる。
9:15 PRSのWeb Siteにいけば、バリケードの正確な寸法が載っている。
9:24 真理さんが今苦労しているのは、足(脛)の長さが足らないからだ。無理に足を持ち上げようとするのではなく、このような場合は両膝を地面につけて高さを調整すると良い。
9:50 ではこれからモディファイドステージを通しで撃って貰おう。400ヤード先の同じターゲットを、4つのポジションから1発ずつ撃って貰う。急いで撃つ必要はない。
最初はサポートバッグの移動は手伝う。まずはライフルだけをしっかり管理して欲しい。
10:40 実際のマッチでは、レンジオフィサーはあなたにコースを理解しているかと聞く。あなたはYesと答える。
10:50 では準備しよう。
11:05 アンカーポイント(後述)に注意しよう。
11:25 インパクト!
11:42 ナイス!
銃口はダウンレンジを向けることに注意しよう。
12:05 インパクト!Good Job all
12:28 インパクト!100%ヒットだ
12:35 バリケードはこうやって撃つ。何度も練習すれば素早く、効率よくできるようになる。
12:47 慣れれば自分でサポートバッグを動かせるようになる。練習してこの感覚をマッスルメモリーに記録していこう。
12:57 私は最初、ターゲットを見つけることに苦労していたが、チークピースに顎を載せていくと正しい方向を向くことに気が付いた。
13:05 私達はそれをアンカーポイントと呼んでいる。少し高い位置からスコープの上面をまっすぐに見て、ターゲットを捉え、それから頬付けしてスコープを覗くとターゲットを容易に捉えられる。あなたは私達のランドマークを見つけた。Good Jobだ。
アンカーポイント=標的方向に銃を素早く正しく向けるため、スコープを覗く前に、チーク部に顎をのせて(少し高い位置から)、スコープの上部と銃身先端、そして標的が一直線に見えるようにすること。長距離でスコープを覗きながら、スコープの狭い視界の中で標的を探していたら、時間が掛かり過ぎるため、この方法で素早く標的を捉える。
Text by Satoshi Matsuo GP Web Editor
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