2025/01/30

ビギナーシューターに1マイル(1,609m)射撃を指導する Teaching a beginner to shoot 1 Mile


ビギナーシューターに1マイル(1,609m)射撃を指導する
Teaching a beginner to shoot 1 Mile

 

Satoshi Matsuo

 


インストラクター:Andy Slade MDT
ビギナー:Mari Morita ディオン光学技研

 

 インストラクターはMDTのアンディ・スレイド、指導を受けるのは、Marchスコープを製造するディオン光学技研の森田真理さん。彼女は日本でISSF射撃競技に参加しているライフルシューターだが、日本で民間人が使用できる射撃場は最長300mとなっている。当然のことながら森田真理さんが1マイルを撃つのはこれが初めてだ。


 今回は500ヤードから始め、段階的に距離を伸ばし、最終的に1マイル(1,609m)の射撃をおこなった。

 

 動画は英語だが、主だった部分を日本語に訳してみた。難解な部分もあるが、映画などとは異なる長距離射撃の実際を御覧頂きたい。

 

 

動画URL:https://www.youtube.com/watch?v=TkrNvaasG00

 

 

爆速カートに乗って標的を確認しに行った。これは1,000ヤード(914m)のターゲット。2枚とも中心に近い。

 

こちらが1マイル(1,609m)のターゲット。指で示している部分に当たっている。端の方だが、このターゲットに当たればそれは“Impact”となる。

 

 

動画の主要な部分についての日本語訳


0:01 私はアンディ・スレイド 今回は初心者に1,000ヤード超えのターゲットを撃って貰う。
 そしてロングレンジ射撃に対する神話や誤解を払拭し、あなたのスキルでもロングレンジ射撃が可能で、これが素晴らしい世界であることを知ってもらいたいと思う。


0:27 あなたの名前と射撃のキャリアを教えて欲しい
 私はMarch Scope Japanの森田真理。私はISSFシューターで、日本で10m, 50m, 300m射撃競技をおこなっている。5年前にはオーストラリアでFクラスを撃ったことがある。


0:45 Lesson 1 基本


0:49 準備できたら、まずボルトを閉じよう。 数回ドライファイアをしてトリガーの感触とレットオフのタイミングを知って欲しい。


1:02 ボルトを閉じるときは、手のひらをボルトハンドルにあて指を閉じる。閉じるタイミングで指がトリガーに触れてしまわないようにするためだ。


1:10 そしてグリップを握り、指をまっすぐに伸ばす。


1:21 射撃の準備が整うまで、トリガーに指を掛けてはいけない。


1:25 彼女は基礎がしっかりとできているようだ。私達が求めているのは、トリガーに掛ける指の位置だ。第一関節までの中央部をトリガーに掛け、まっすぐにpressすると、正確な射撃ができる。


1:36 マガジンを装着


1:46 実射


1:50 毎回、水平をチェックしよう。赤のLEDが点灯していたら、右に倒す。青が点灯していたら左に倒す。


2:03 トリガーはスムーズにPressする。


2:12 トリガーをpressしたらすぐに指を戻すのは、flickingといって良くない引き方だ。


2:18 私の指をあなたの指に重ねてpressしてみよう。ゆっくりとpressする。この感覚を覚えて欲しい。


2:39 ちゃんとフォロースルーもできるようだ。Good!これが私達の求めているトリガーの引き方だ。


2:43 500ヤード


2:45 ゆっくり呼吸して、リラックス、そしてトリガーコントロールに注意して撃つ。


2:57 Nice!Great Job  もう1発撃ってみよう。


3:05  All right! Great Job


3:06 Lesson 2 バリスティックカリキュレータ


3:10 これは銃口初速を計るレーダー。左下に平均2,811fpsとでている。


3:20 バリスティックアプリを立ち上げ、プロファイルを作成する。


3:25 6.5mmは.264で、ブレットはBERGERの144grを選択する。


3:37 アモはFederal ゴールドメダルだ。ファクトリーアモを使う場合は、どのブレットが付いているのかを確認する必要がある。これは大事だ。


3:53 BERGERの144gr ロングレンジハイブリットターゲットが使われている。


3:58 どのドラッグモデルを使うか聞かれるので、今回はG7を使う。


4:03 G7を選んだのは、BC値を変えられるからだ。


4:13 銃口初速を聞いてくるので、先ほど測定した2,811fpsと入れる。


4:18 ゼロインは100ヤード


4:23 ボアハイトは2.4インチ


4:27 ツイストレートは7-1/2インチ


4:40 必要な情報が算出された


4:42 エレベーションとウインデージはMILで出てきた。これは使うスコープに合っている。


4:46 気温の設定はしない。


4:50 保存を押す。65144 G7 送信プロファイルの上書きすると、これ以外のデータはKestrel(風速計)から消えてしまう。そうしたくないので追加を選択する。バリスティックデータが正常のロードされた。


5:14 発射方向を設定する。Kestrelにはコンパスが内蔵されており、Kestrelをターゲット方向にまっすぐに向ける。前後に傾けてはいけない。垂直に持つ。


5:28 キャプチャーボタンを押すと方向が表示される。もう1回押すとロックされる。


5:40 設定がメートルかヤードかを確認する。ここではヤードを使う。


5:55 次は風だ。風速は530m/hぐらいだ。


6:12 ライブに設定、ストラップを掴んで本体を10-15秒ほど回転させる。これで正確な温度が確認できる。75°Fであることがわかった。


6:47 エレベーションの調整量で5.45MILがでたらどうするか? その場合は切り上げで5.5とする。


7:03 800ヤード


7:15 800ヤードでの最初のショットが当たった。素晴らしい!


7:28  しかし、プレートの上部に当たっている。


7:30  このショットの初速はそれまでの平均より高かった。


7:35  ちょっと調整してみる。弾速2,811fpsの設定データを2,830fpsに上げた。


7:45  すると調整量は5.4MILまで下がった。


7:54  風の調整で1/10MILを加える


7:58  パララックスエラーの可能性もある。これはレティクルが実際の標的とは違う場所に合ってしまう(エレベーションに差がでてしまう)ことだ。


8:10 パララックスをチェックするときは、両手でリアバッグを持って、銃の後ろに回る。銃に触れずにスコープを覗き、頭を動かし、レティクルがターゲットの上を動くかどうかを確認する。


8:24 もし動いているようなら、動かなくなるまでパララックスダイアルを調整する。


8:27 パララックスエラーを確認し、弾速を調整した。そこで次を撃ってみよう。


8:40 God Job!


8:47 Great!


8:53 Dead Center(ド真ん中だ)!


8:55 最後のターゲットを撃とう


9:07 Hit!全部1発目でヒットさせた!God Job!


9:19 Lesson 3 Magazine


9:26 簡単にマガジンに装填する方法は、親指と中指でマガジンをホールドし、人指し指で弾を押し下げて、新しい弾を前から押し込んでいく。


10:16 マガジンを装着するときは、マガジンウエルの前面にマガジンの前面を押し当て、上方向に差し込んでいく。そしてマガジンを引っ張ってみて、確実に装着されているかを確認する。


10:44 マガジンの底を叩くとアモが上がってフィードリップに挟まることがある。そんなときはエジェクションポートから指を突っ込み、アモをちょっと押し下げると良い。


11:05 1,000ヤードを撃つ準備ができた。


11:14 1,000ヤード


11:18 高さに合わせて、背中の位置を高くもってくる必要を感じたら、ストックを少し持ち上げて、リアバッグの中程を手で強く掴み、リアバッグが少し高くなるように調整してみよう。


11:40 まず左の大きい方のターゲットを狙う。


11:45 レティクルを合わせたら、トリガーにスムーズなまっすぐ後方へのプレシャーを掛ける。
 Impact! Good Job ほとんどド真ん中だ。


11:57 右のターゲットに合わせて。


12:00 Impact! また真ん中だ。素晴らしい!


12:08 ここが1,000ヤードラインだ。多くの人が1,000ヤードで当てたいと願っている。
 あなたは最初のショットでそれを実現させた。


12:20 正しい手順で、弾道を計算し、各距離で段階的に練習していけば、1,000ヤードもパーフェクトに撃てることを見せてくれた。


12:40 さあ、1マイルにいこう!


12:44 1マイル 1,776ヤードだ。


13:10  レティクルを5から0に調整、左だ。


13:25 弾着が見えない。  5上げてみよう。


13:27 何も見えない Gun Lineを見てみよう。


13:45 自分は今、シューターの真後ろに立ち、弾着がどこに行くかを見ている。


14:00 全然見えなかった。


14:05 1,400ヤードに戻ってみる。それで着弾を把握しよう。


14:10 1,400ヤード


14:14 よし、見えた。上に2、左に0.6


14:28 左に0.4だ。


14:38 まっすぐ下に行った。プレートの上部を押さえよう。


14:49 上を越えてしまった。


14:53 SDカードのデータを確認してみよう。


14:57 あなたは何も間違っていない。今見ているのは弾速の変動だ。


15:13 センターを3発撃って欲しい。自分に合った速さで構わない。

 その結果、グループがどこに落ちていくかを見る。


15:30 もう1発センターを撃って。


15:40 0.3上げて


15:43 Impact


15:50 BCを少し下げる


15:55 風向きも変わる。


16:01 2mph追加する。何が起こるか見てみよう。


16:20 (このあたりの調整はよくわかりません)


16:27 1マイル


16:28 2MIL左だ。


16:35 もし2MIL左にして撃って何も確認できなかったら、1.5MIL左にしてみる。


16:42 よし、1.4MIL左だ。


17:00 何か見えた。もう1回だ。


17:10 もう1回


17:20 Ya!Good Job!


17:26 1マイルを6.5クリードモア この距離ではサブソニックになっているが凄いぞ。さあ、行ってみよう。


17:33 1マイルラインだ。どう思う?


17:36 アメージング!信じられないぐらいスゴイ!ありがとう

 

Satoshi Matsuo

 

※当サイトで掲示している情報、文章、及び画像等の著作権は、当社及び権利を持つ情報提供者に帰属します。無断転載・複製などは著作権法違反(複製権、公衆送信権の侵害)に当たり、法令により罰せられることがございますので、ご遠慮いただきますようお願い申し上げます。

RELATED ARTICLE 関連記事