2025/09/15
この銃に会いたかった コルトガバメントシリーズ80

Gun Professionals 2015年11月号に掲載
Caption & Photos by Toshi
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「この銃に会いたかった」は、日本全国のガン愛好家の方々に銃への憧れとか思い入れを声高々に語って頂くコーナーです。
今月は栃木県出身、現在は北海道にお住まいのPN.ディガルドさんがご登場。お目当ての銃は、AFPB(オートマチック・ファイアリングピン・ブロック)搭載のコルトのガバメント、シリーズ80です。
それではハリキッテどうぞ!
私が最初にミリタリーを好きになったのは、今から6年前の事です。高校1年生の頃に両親からPCを買ってもらい、友人の誘いで無料FPSを始めたのがきっかけでした。
それ以前は銃器やミリタリーには全く興味がわかず、映画で出て来てもカッコよいと思うぐらいでした。しかし昔からRPGが好きで剣の類も好きだったので、何かの素質はあったんだと思います。
FPS: First Person Shooterの略で主人公の視点で武器を持って戦うシューティングゲーム。日本ではこれをファーストパーソンシューティングゲームと呼ぶが、これは和製英語
RPG: ロールプレイングゲームの略。参加者がキャラクターを操作し、目的の達成を目指すゲーム。ここではコンピュータRPGを指す
銃に対して本格的に興味を持ち始めたのは、家族でドイツ旅行に出掛けたことが影響しています。
私たちが乗ったツアーバスが高速のパーキングエリアで休憩を取った際、売店の中を覗いてみたら、たまたまドイツ軍の人達と遭遇しました。肩にG36を背負って店内を歩いていたのはとても印象的でした。
私は勇気を出し、ドイツ軍の2人組の方に頼んで一緒に記念撮影をしたのは良い思い出です。それが一番、銃が好きになった理由でした。
それから私は、銃にはどんな種類があるのか、あの時記念撮影してくれたドイツの方はどんな銃を使っていたかなど、調べていくうちにどんどん銃の魅力に取り憑かれていくのでした。
サバゲは高校1年生の終わり辺りから始めて、今もたまにやっていたりします。しかし、仕事が忙しくて昔ほどはできないのが少し辛いところです。
サバゲを始めた当初はSNSで地元のチームを見つけて、毎週のようにやっていました。銃の構え方からマナーまで、1から10まで色々お世話になっていました。その頃から、私の銃に対する考え方が柔軟に変わっていきました。
日本は銃に関心のある人が少なく、危ないものだと決めつけている方が多いように思います。しかし、扱い方をしっかりと学べば安全に使えます。それはナイフも警棒なども同じだと思います。
私も最初はこのミリタリーの界隈は“危ない世界”だと感じていました。しかし、ルールやマナーを守れば安全だということをサバゲで学び、それはとても良い経験になりました。
私がM1911と出会ったのも、そんなサバゲの中でした。
とあるサバゲ仲間が、使い込んだマルイ製のコルトガバメントを持っており、貸して貰ったところすぐに気に入りました。無駄の無いシンプルな外観が良く、グリップの握り具合も自然でしっくり来たのです。
そのサバゲ仲間が「気に入ったなら安く売るよ」と言ってくれたのですが、当時はあまりお金が無く、残念ながら購入を断念しました。
しかし私のコルト熱は収まらず、映画『プライベートライアン』や『硫黄島からの手紙』などでガバメントが重要な役として登場したのを見て、ますます欲しくなっていきました。
それからしばらくして、お金が貯まったのでマルイのガバメントを購入しようと思い、地元のお店に行ったのですがあいにく全部売り切れで、ガバメント系で残っていたのがウォーリアタイプしか無く、そこでナイトウォーリアを購入しサブウェポンとして使い始めました。
そのナイトウォーリアでサバゲを戦い、十分満足していた私に、とうとう実銃を撃つ機会が訪れました。去年、家族旅行でタイに行った際、射撃場に行く事が出来たのです。
レンタル銃の種類は多く、ハンドガンはグロックシリーズやスタームルガー、ベレッタやコルト45シリーズなど大量にありました。
その中で私は、即座にSTI製のガバメントを選びました。
理由は2つあり、1つは友人が「45口径は反動が強く日本人は撃てない」と言っていたので「撃てる機会があれば、試してみる」と約束したのと、もう1つはサバゲ仲間がKSCのSTIシリーズをオススメしていたので、折角ならSTI製で憧れのガバメントタイプを撃とうと思ったからです。
いざ撃ってみると、反動はそれほど大きくは無く、意外と撃ちやすかったです。30発ほど撃ってもジャムが起きることも無く、命中率も高かったのでとても満足しました。
帰国後、すぐにガスガンのM1911が欲しくなり、お店に行きました。そこでシリーズ80と出会いました。
それまではサブウェポンとしてナイトウォーリアを使い込み、実銃もSTI製を撃ってタクティカルな銃は十分経験した気がしたので、一度原点に戻って、サバゲ仲間が撃たせてくれた使い込んだマルイ製のコルトガバメントの感触を思い出そうと考えたのです。
シリーズ80は、実用的な形をしているにも関わらず外見もしなやかで美しく、無駄の無い洗練された感じがします。グリップも木製タイプで気品があり、スライドも真っ黒で引き締まった感じが一目見てとても引きつけられました。ハンマーもデルタタイプでは無く、普通のガバメントと同じ形をしていて引きやすく、サイトも少々大きめで狙いやすくて、今は一番のお気に入りです。
このシリーズ80がきっかけになり、私は古い銃にも愛着が湧くようになりました。
ちなみに全てのガスガンは実家に置いてあります。今住んでいる場所はルームシェアなので持って来れないのが辛いところです。もう少しで一人暮らしができるので、その際にはまたサバゲや銃集めなどを始めたいと思います。
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私にとって、銃とは人生です。
最初はここまでハマるワケが無いと思っていました。ですが、銃は知れば知るほど面白く、奥深いものでした。
これからも銃の魅力を追求し続けたいと思います。
シリーズ80が登場した当時、ユーザーの意見は真っ二つに割れました。例のAFPBの影響です。トリガーに連動して働くこのセフティは、トリガープルにセンシティブなプロシューターらに総スカンを食ったのです。しかしその後、ビル・ウイルソン等が積極的にカスタムのベースに採用したことで、人々の懸念は徐々に払拭されていきました。パーツの磨きさえ念入りに施せば、乗り越えられる問題だったのですね。一種の都市伝説に、人々は惑わされていたのかもしれません。ともあれディガルドさん、思い入れタップリの原稿、本当にありがとうございました。
さてさてこのコーナーでは、出稿希望の読者の方を募集中です。銃が大好きな皆様、それぞれの熱い“想い”を誌面に語ってみませんか? 出稿御希望の方は、anojyu555@gmail.comまで、 住所、氏名、お電話番号をお知らせください。打ち合わせの上、ご担当頂く銃を決定させていただきます。たくさんのご応募、お待ちしております。
Photos & Caption by Toshi
Gun Professionals 2015年11月号に掲載
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