2025/06/27

特集:1971年の選択

 

 1971年10月、“大人向け”を意識したテレビアニメがスタートした。

 

 原作となるコミックには主要登場人物の持つ銃について明確な設定がなかったが、アニメ化にあたり、明確なこだわりを持って4挺の銃が選択された。いかにも1971年という時代を感じる、クラシックな香りの漂う4挺だ。

 

 

《Walther P38》

 

P38 クラシックオートの魅力

Photo & Caption:Akira

 P38は第二次大戦中に生産されたモデルに人気が集中し、戦後に生産された軽量化モデルはそれほど注目されることがない。両者の違いは単にフレームの材質だけなのか、1943年生産のスプリーベルク製と1974年生産の警察納入モデルと比較し、その相違点を確認する。

 

Walther P38 栄光の過去と現在

Text & Photos by Terry Yano    

 

 1930年代後期にドイツで開発されたP38は、戦後も長らく最先端の自動拳銃という地位を保っていたが、1970年代にはこれを凌駕するモデルが次々と出現する。P38は何度か改良されたものの限界に達し、その需要は官民共に減少していった。 

  

P38のメカニズム

Text&Photos by Turk Takano

 1930年代中期に開発されたワルサーP38のセイフティメカニズムは、第二次大戦後に各国で開発されたダブルアクションセミオートピストルのベンチマークとなった。後世に大きな影響を与えたピストルとして、P38は世界屈指のモデルであるといえるだろう。

 

 

《Smith & Wesson  Model 19》

ヒーローが手にしたモデル19

Photos & Caption by Toshi
Text by Satoshi Matsuo

 S&Wモデル19は数多くの映画に登場している。しかし、その代表的作品は何か、と問われると答えに窮してしまう。ヒーローがモデル19を手に活躍する映画がほとんど無いのだ。そのあたりはコルトパイソンやS&Wモデル29などと対照的だ。

 

Smith & Wesson Model 19 その過去と現在

Text by Terry Yano
Photos by Toshi

 リボルバーが公的機関のオフィサーが装備するサイドアームの主流であった頃、S&Wが携行性を重視して開発したモデルが“.357 Combat Magnum”だ。この銃は後にモデル19と呼ばれるようになり、多くのオフィサーに愛用された。

 

Smith & Wesson Model 19 のメカニズム

Text by Turk Takano
Photo by Toshi

 S&Wのダブルアクションスイングアウトリボルバーは、20世紀初頭にそのメカニズムがほぼ完成し、現在に至るまでほとんど変わっていない。その構造を理解するには、このKフレーム、モデル19コンバットマグナムを見て頂くだけでじゅうぶんだろう。

 

 

《M1911A1》

日本警察のM1911A1

Text by Satoshi Matsuo
Photos by Turk Takano & Toshi

 日本警察の拳銃装備は第二次大戦後に本格化した。そしてその初期段階においては、GHQからの返納品が用いられたが、絶対数が足らなかったことから、大量の余剰拳銃が貸与されている。それらはその後、供与に切り替わったが、その中にはM1911A1も大量に含まれていた。

 

M1911A1のメカニズムと安全性

Text &Photos by Turk Takano

 ブラウニングデザインの.45は、オートピストルの夜明け時代に登場したモデルだ。百年後の結果論で言えば、当初から完成度が高く、ほとんど改良も必要がないものだった。だからこそ1911年から74年もの間、米軍制式サイドアームとして使われたといえる。

 

《FN Browning M1910》

 

FN M1910 .32ACP

Photo & Report by Tomonari Sakurai

 FNが1910年に発売したM1910は、コンパクトな護身用拳銃の傑作だ。ヨーロッパの警察が活用する一方、第一次世界大戦のきっかけとなった暗殺事件でこの銃が使われた。その時代に書かれた小説、怪盗アルセーヌ・ルパンシリーズにも登場している。

 

 

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