2025/05/21
P.38 ac41, ac42, byf44, svw45
P.38
ac41, ac42, byf44, svw45
Text & Photos by Terry Yano
Special thanks to James Ratliff
Gun Professionals 2015年10月号に掲載
ドイツ軍関連のシリアスなコレクター、ジェイムス・ラトリフ氏(James Ratliff)を訪問し、彼の膨大なコレクションの中から厳選して撮影させていただいた4挺のP.38をご紹介する。
Pistole 38 Specification (GP Web Editorによる追記)
全長:218mm
銃身長:124mm (6条右回転:ツイストレート254mm)
全高:140mm
重量:960g
口径:9×19mm
マガジン装弾数:8発
銃口初速:1,050fps
作動方式:フォーリングブロックショートリコイル
サイト:ブレードフロントポスト、Uノッチリア
撃発機構:シングル&ダブルアクション
セイフティ:オートマチックファイアリングブロック、デコッキング
マテリアル:カーボンスチール
製造拠点(製造数):
カール・ワルサー ワッフェンファブリク(617,585)
マウザー ヴェルケ(372,875)
スプリー ヴェルケ(287,220)
Total 製造数:1,277,680挺
ac41
初期に製造されたP.38は、ていねいに仕上げられていた。スライド左側面に刻印された“ac41”というコードは、1941年にWaffenfabrik Walther(ワルサー)で製造されたことを示す。グリップパネルは、ベークライト製だ。
手間のかかる金属部のポリッシュは、“ac41”の途中から省略される。
ac42
これもワルサー製のP.38だが、“ac42”のコードを持つ1942年に製造されたものだ。写真では金属部の仕上げの違いはわかりにくいかもしれないが、先に挙げた“ac41”のようなハイポリッシュではなく、ミリタリーブルーと呼ばれる仕上げとなっている。この銃のグリップもベークライト製だ。
byf44
Mauser Werke(マウザー)は、1940年6月にP.08の製造をP.38へ切り替えるよう指令された。これを受けて同社でP.38の製造を開始したたのは、1942年中頃とされている。
これは“byf44”というコードを持つマウザー製のP.38だ。1944年に製造されたもので、フレームやマガジンキャッチはグレーのリン酸塩処理だが、その他にはブルー仕上げが施されている。いわゆるデュアルトーンフィニッシュと呼ばれるものの1挺で、グリップパネルの素材は黒色プラスティックだ。
svw45
大戦末期の1945年に、マウザーのコードは“byf”から“svw”に変更された。これは“svw45”のコードをもつP.38で、バレルアッセンブリーのみブルーフィニッシュが施され、それ以外はブラックのリン酸塩処理となっている。先の1挺とは異なるデュアルトーンフィニッシュの例だ。グリップパネルは黒色プラスティック製だが、後にスティールをプレス成型したものも出現する。終戦時に未完成であった“svw45”の一部は、戦後に組み上げられてフランス警察に用いられた。
Text & Photos by Terry Yano
Special thanks to James Ratliff
Gun Professionals 2015年10月号に掲載
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