2025/07/01
【NEW】ビンテージカスタム1911を作る
スタンダードなシングルスタックフレームのカスタム1911は、ビンテージ感が強く漂う。しかし、だからこそ魅力を感じるのだ。今回、そんな1990年代前半までの時代を彷彿させるカスタム1911を自分で組み上げてみた。その製作過程をご覧頂きたい。
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私の銃器への興味が本格化してからもう既に40年以上の時間が経過した。米国に移り住んだ以降、手に入れた銃は、オートピストル、リボルバー、ライフル、ショットガンと多岐にわたる。それらは、コレクションとしての価値を求めたヒストリカルな物から、コンペティティブなレースガン、実戦的なタクティカルガン等、様々なカテゴリーに広がって続いてきた。
そして去年あたりから、そこに新たなトレンドが加わっている。銃器を趣味とする私の友人との間で流行り始めたのが、ビンテージカスタム1911なのだ。
ビンテージカスタム1911
調べるとビンテージとは、元々はワインの製造年を表す言葉であったが、いまでは“古くて価値のあるもの”、あるいは“年代物のアイテム”を指す言葉として一般的になってきた。概ね“製造から30年以上経過したもの”がビンテージと呼ばれる場合が多いようだ。
よく似た言葉に、“アンティーク”がある。しかし、こちらは一般的に“100年以上経過した、美術的価値が高いもの”を指す場合が多いそうだ。そうなると、1911ピストルの場合は、その製造時期によっては、アンティークにカテゴライズされるものもあるわけだ。但し、そのような歴史的遺産は、当時のままの状態を維持して持ち続けるべきだろう。無暗にリブルーしてしまうのは良くないし、ましてやカスタムなどとんでもない。
というわけで、ビンテージカスタム1911を目指すとなると、ちょうどビンテージと呼べるようになる30年ぐらい前、すなわち1995年頃までのスタイルを求める事になる。
ハイキャップフレームで知られる2011がSVIによって完成するのが1994年だが、当時はシングルスタックフレームのスタンダードな1911がまだ主流であった。その後、IPSC競技の世界では.38スーパーやコンペンセイター、チューブ式のダットサイトを装備したカスタム1911レースガンが、オープンディビジョンで広がっていった。
そのちょっと前の時代となると、.45ACP口径の5インチ1911がまだ主流で、その辺りのビンテージ1911が、最近、私が興味を持っている対象なのだ。
当時のカスタム1911を、中古オークションサイトで探して買うのもアリだが、今回は手元にあった古いコルト社製スライドを使って、私の思い描くビンテージカスタム風1911を作ってみた。


結果的に、シンプルなシルエットを持つビンテージ感あるカスタム1911になったと思う。

右:リアサイトもノバックだ。エジェクター、エキストラクター等はWilson Combat(ウィルソンコンバット)社製の高品質なBP/ブレッドプルーフシリーズを選び、ビンテージなスタイルながらも近代的な耐久性を持つようにした。




ハンマーはコルト社製を流用。ビーバーテールはウィルソンコンバット社製BPシリーズだ。メインスプリングハウジングはバランスの好みから、軽量なアルミ製とし、これにもマッティングを施した。


