2025年9月号

2025/08/08

【NEW】映画『バレリーナ:The World of John Wick』8月22日 全国公開

 

 

 

 

広がりを続けるジョン・ウィックの世界が新たな復讐の女神を誕生させた!
『バレリーナ:The World of John Wick』

2025年8月22日 全国公開!

 

 

 2014年製作の『ジョン・ウィック』“John Wick”以降、続編が作られるたびに作品のスケールが拡大、同時に世界興行収入を更新し続けているのが『ジョン・ウィック』シリーズだ。この映画が持つ独自の世界“JWワールド”はどんどん広がりを見せ、遂にはそのスピンオフ作品が初めて劇場公開されることになった。
 これまでの『ジョン・ウィック』シリーズはすべて、スタントマン出身でアクション/スタントコーディネーターとして数多くの実績を持つチャド・スタエルスキ(Chad Stahelski)が監督した作品だった。しかし、本作は、『アンダーワールド:エボリューション』、『ダイ・ハード4.0』、『トータル・リコール』などを手掛けたレン・ワイズマン(Len Wiseman)が監督を担当、チャド・スタエルスキは製作に回っている。その結果、『ジョン・ウィック』シリーズの独特の世界観はそのままに、これまでとは違う、新しさを感じられる作品に仕上がっている。

 今回の主役はルスカ・ロマの女性暗殺者イヴ・マカロ。演ずるのは『007/ノータイム・トゥ・ダイ』、『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』で高い評価を受けたアナ・デ・アルマスだ。
 もちろん、アクションの切れ味はこれまでの『ジョン・ウィック』シリーズと比べて全く衰えていない。このシリーズの魅力は、これまでの映画では観ることができなかった銃へのこだわりと、全身を駆使した激しく、かつスタイリッシュなアクションだろう。その舞台の多くは洗練され、美しさに満ちた場所であり、そこで展開される殺し合いの壮絶さとが、強烈なコントラストとなって観る者を圧倒する。それは芸術の領域にまで達するものだ。

 今回、戦いが展開されるのは、チェコ共和国のプラハとオーストリアを代表する湖畔の美しい街ハルシュタット近郊だ。雪の舞う中、暗殺者イヴは、たったひとりで暗殺教団に立ち向かう。
 女性であるがゆえ、肉体的な強さで相手を圧倒することはできない彼女は、周りにあるすべてのものを駆使して戦う。刀、手榴弾、スケート靴、フライパン、鍋、包丁、そして火炎放射器に放水ホースなどだ。ジョン・ウィックも鉛筆や本を武器として使ったが、イヴ・マカロの戦いぶりは、これまでのシリーズに無かったもので新鮮に感じる。
 もちろん、そこにリアリティを持たせるため、主役のアナ・デ・アルマスはチャド・スタエルスキのアクションスタジオ、87イレブンでマーシャルアーツの訓練をおこなうと共に、タラン タクティカル イノベーション(TTI)レンジで射撃トレーニングを集中的に受けた。その成果は、映画をご覧になって頂けばよくわかるが、そのトレーニングの一端はこちらの動画でも確認できる。

 

『バレリーナ:The World of John Wick』アクショントレーニング映像


 本作では、JW2のコンバットマスターG34、JW3のコンバットマスター2011、JW4のピットバイパーのような、極端に銃を目立たせる演出はない。しかし、暗殺者イヴ・マカロが手にするTTI  G17 コンバットマスターXは注目に値する凝ったハンドガンだ。この作品に登場する銃については、8月10日から配信の“『バレリーナ:The World of John Wick』に登場する銃器”で複数回に分けて詳しくご紹介させて頂きたい。

 

 

『バレリーナ:The World of John Wick』公式サイト

 

Story

 ルスカ・ロマの暗殺者の娘であるイヴ・マカロは、謎の組織に襲撃され、彼女を守るために戦った父親はそこで命を落とした。ひとり脱出に成功したイヴは、ルスカ・ロマに受け入れられ、訓練を受けながら成長する。

 12年後、ルスカ・ロマの暗殺者となったイヴは、殺した相手の腕に、かつて父を殺した謎の組織の襲撃者と同じ印があることに気付く。その組織の正体をルスカ・ロマのディレクターに問い詰めると、それは1000年続く暗殺教団で、ルスカ・ロマとの間で長期に亘る休戦協定が結ばれていると告げられた。

 父親の復讐に燃えるイヴは、ディレクターの制止を無視して、暗殺教団の手掛かりを求め、ヨーロッパに向かうのだ。

 

 

 

キャストと主な登場人物

・アナ・デ・アルマス Ana de Armas as Eve Macarro (イヴ・マカロ)
 殺された父親の復讐を誓うルスカ・ロマの暗殺者

・アンジェリカ・ヒューストン Anjelica Huston as  The Director (ディレクター)
 ルスカ・ロマの指導者

・ガブリエル・バーン Gabriel Byrne as The Chancellor (チャンセラー)  
 1000年続く暗殺教団の主宰

・ランス・レディック Lance Reddick   as Charon  (シャロン)
 ニューヨーク・コンチネンタルホテルの忠実なコンシェルジュ

・カタリーナ・サンディノ・モレノ Catalina Sandino Moreno   as  Lena (レナ)  
 暗殺教団主宰の右腕として実行部隊を率いる教団幹部

・ノーマン・リーダス Norman Reedus   as   Daniel Pine (ダニエル・パイン)
 娘を連れて逃亡を続ける暗殺教団の手がかりを握る男

・イアン・マクシェーン Ian Mcshane   as Winston (ウィンストン)
 裏社会を知り尽くしたニューヨ ーク・コンチネンタルホテルの支配人

・ キアヌ・リーブス Keanu Reeves as John Wick   (ジョン・ウィック) 
 復讐の果てに裏社会の掟を破り、命を狙われる伝説の殺し屋

 

『ジョン・ウィック』シリーズ4作品とジョン・ウィックが使用した銃

『ジョン・ウィック』 “John Wick”    2014年作品
引退した伝説の殺し屋ジョン・ウィックは、5年間平穏な暮らしを続けていた。しかし最愛の妻は病死してしまい、唯一の心の拠り所であった妻から送られた子犬も、ジョンの車を奪いに来たロシアマフィアに殺されてしまう。これに怒ったジョンは復讐を決意し、封印していた銃を手に立ち上がる。
この作品JW1でジョンが使用したのは、HK P30L、Glock 26、KELTEC KSG、Coharie Arms CA-415(HK416クローン)、Desert Tech Stealth Recon Scoutなどだ。

 

『ジョン・ウィック・チャプター2』 “John Wick: Chapter 2” 2017年作品
誓印の存在から、イタリア系犯罪組織の殺しの依頼を引き受けざるを得なくなったジョンは、やむなくローマに向かった。しかし、これは巧妙な罠だった。そして口封じのためにジョンの首に多額の懸賞金が掛けられる。ニューヨークに戻ったジョンの元に次々と殺し屋に襲い掛かってきた。
JW2以降はTTIのタラン・バトラーがWeaponアドバイザーとなった。使用銃は、TTI G34 Combat Master、 G26 Combat Master 、Kimber Warrior、TTI TR-1、TTI Benelli M4などとなっている。

 

『ジョン・ウィック:パラベラム』 “John Wick: Chapter 3- Parabellum” 2019年作品
主席連合の掟を破ったジョンは世界中の殺し屋に追われる身となった。この状態を打開すべく、ジョンはモロッコに向かい主席連合の首長に会うことを試みる。その後、ニューヨークに戻ったジョンは、主席連合との戦いを続けることを選択、聖域解除されたニューヨーク・コンチネンタルホテルで、主席連合の暗殺者、及びその特殊部隊と対決に臨む。
JW3でジョンは、TTI STI 2011 Combat Master、Glock 17, Glock 19, Remington 1875、TTI SIG MPX、TTI Benelli M2などを使う。

 

本作『バレリーナ:The World of John Wick』 “From the World of John Wick: Ballerina”は、この第3作と一部が同じ時間軸で進行し、メインとなる部分は、第4作より前に起こった出来事として描かれている。

 

『ジョン・ウィック:コンセクエンス』 “John Wick: Chapter 4” 2023年作品
ジョンによって首長を殺害された主席連合は、グラモン侯爵にジョン抹殺の全権を与える。そして、グラモン侯爵はジョンの旧友であり、すでに引退した盲目の殺し屋ケインを差し向けるという卑劣な手を使った。これに対し、ジョンは主席連合の古い掟を利用し、グラモン侯爵に決闘を申し込む。これに勝てば、自由を手にすることができるのだ。
JW4でジョンが使うのは、TTI Pit Viper、TTI G34 Combat Master、Thompson Center Arms Encore、TTI Dracarys Gen-12などだ。
   

 

From the World of John Wick: Ballerina Offical Trailer

 

 

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Text by Satoshi Matsuo

 

Gun Pro Web 2025年9月号

 

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