2025/07/31
【NEW】この銃に会いたかった 82 S&W Model 15 コンバットマスターピース
Caption &Photos by Toshi
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「この銃に会いたかった」は、日本全国のガン愛好家の方々に銃への憧れとか思い入れを声高々に語って頂くコーナーです。
今月は、三重県にお住まいのP.N. Suu-Zeroさんがご登場。お目当ての銃は、通が欲しがる隠れスナブノーズ、S&Wのモデル15コンバットマスターピース 2インチです。
それではハリキッテどうぞ!
S&W モデル15と言うと、私の中で或る一つの場面が強く印象に残っています。
TVアニメ版ルパン三世 1stの初期オープニングにて、次元大介の登場シーンにとてもリアルなスミス&ウェッソンが写るのです。まぁルパン三世の相棒、次元大介の代名詞たるモデル19コンバットマグナムかとよくよく注視してみると、バレル長は確かに4インチサイズなのに何かが違う?
そう、バレルにシュラウドが無く、エジェクターロッドがむきだし? コンバットマグナムではないのかぁ~。いやいや、コンバットはコンバットでもモデル15コンバットマスターピースの4インチなんだぁ!
正にパッと見は同じようなシルエットですから勘違いしやすいですし、アップ画面になった時にサムピースがアーリータイプ(小判型)である事とかでモデル19じゃあないなとようやく気付く感じです。当時の作画監督さんが銃器に詳しい方で、パイロットフィルムの設定段階でもモデル15コンバットマスターピースが書かれていたらしく、次元大介の軽やかなGUNさばきには.38口径のモデル15の方がピッタリだと言う判断でしょうか。
だとすれば、更にショートバレルの2インチならばより一層扱い易いのは一目瞭然。そして、同口径の代表モデルであるJフレームのモデル36チーフや同じKフレームのモデル10ミリポリと比べて、何か違った存在感がこのGUNには漂っていると思うのです。
さてさて、冒頭にも出たアニメ版ルパンシリーズですが、『ルパンゼロ』という新作が数年前に公開されました。ご存知、ルパン三世の少年期を描いた内容ですが、なんと相棒である次元もちゃんと少年の姿で出てきます。しかも拳銃まで所持していて、背面右腰のズボンの内側にホルスター無しの裸でバレルを差し込むお決まりのスタイルが実にカッコいい! 西部劇のガンマンさながらにガンファイトを繰り広げるシーンなどもあり、愛用のGUNはS&W モデル10ミリポリ2インチであろうと思われ、そのショートノーズの様がこれまた心にグッとくるのであります。
話をモデル15に戻して、個人的にはやはりコンバットマスターピースは4インチへ目が行きます(スタイルのバランスがカッコいい!)。映画でも確か『JAWS』のロイ・シャイダーが撃ちまくっていましたよね。
でもでも元々スナブノーズ好きなので、2インチにも秘めたる深~い憧れがございます。もしかして少年時代に遊んだ銀玉鉄砲の原型モデルがコレだったのかも知れません。
モデル15の2インチはトイガンとしてのモデルアップは少ないですが、ハートフォード(HWS)のモデルガンはクオリティが高く、ズバッとぶった切った感のバレルは一見バランス悪そうな見た目ですが、独特な雰囲気とスクエアバッドグリップをホールドした時のガッチリとした安定感に堪らない高揚を感じますね。似た感のあるHWSのモデル10ミリポリ 2インチの初期型ショートグリップ(チェッカータイプ)に比べて、ホールド感やホルスターからの抜き差しの際の微妙な感触の違いがあり、それぞれの特徴を生かしたモデルアップという点で色々と面白いです。
モデル15は、それ自体が同じS&Wのモデル19やモデル10と比較してややマイナーなイメージが強く出ており、ましてや2インチのショートバレルとなるとモデル36などの影に隠れてしまう感が否めません。またこのスナブノーズの領域には他メーカーのリボルバーにも強豪がひしめいています。例えばコルトの“パイソン”や“ローマン”、まぁこれらはマグナムですから比較するのはちょっとなんですが、.38口径ならば“ダイヤモンドバック”が存在しますし(マックィーンのブリット刑事、カッコいい!)、あとはスタームルガー等々ラインナップは非常にたくさんありますね。
そんな中で、モデル10ミリポリに含まれて単独ではWikipediaにも載らず、ややもすればモデル14(パトリッジのフロントサイトが付いたテーパー無しロングバレルのKフレ・ターゲットリボルバー)とも勘違いされがちな“モデル15”。しかし、.38口径の扱い易さとS&Wの信頼性により、アメリカの公的機関で多くの採用実績があったと聞き及びます。実はスッゴい優秀な銃なんです。
このちょっとずんぐりとして無愛想な、でも何故か可愛さと美しさを感じる愛すべきモデル15 の2インチに、これからも最大級の敬意と称賛を送り、そしていつまでも憧れを持って追いかけたいと思います!
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最後に私にとって銃とは…憧れに思いを馳せる事で、過去から未来へ続く自分自身を見つめるための“道標”です。その傍にはいつも“希望”を忘れない自分が居たいですね!
書き手さんと同じく、自分もマスターピースと言えば4インチのイメージが強かった人間です。2インチとなると旧Gun誌等でもほとんど取り上げられず、ずっとモヤモヤが続いてました。スナブノーズのクセに隠し持つにはリアサイトが引っ掛かったりして、用途もハッキリしない。同じKフレならミリポリの2インチへどうしたって流れてしまう。けれど、だからこそ2インチモデルを実際手に取った時のインパクトは強かったですね。この中途半端な存在感が、却って唯一無二の味を醸し出している。完全に魅了されました。ハートフォードさんがモデルガンを出してくれた時には、それこそファンは我が意を得たりの気分だったんじゃないでしょうか。
ともあれSuu-Zeroさん、思い入れタップリの原稿、本当にありがとうございました。
さてさてこのコーナーでは、出稿希望の読者の方を募集中です。銃が大好きな皆様、それぞれの熱い“想い”を誌面に語ってみませんか? 出稿御希望の方は、anojyu555@gmail.comまで、 住所、氏名、お電話番号をお知らせください。打ち合わせの上、ご担当頂く銃を決定させていただきます。たくさんのご応募、お待ちしております。
Photos & Caption by Toshi
Gun Pro Web 2025年9月号
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