2025/05/03
【NEW】亜米利加ガンショー徒然日記 105 Fayetteville Gun Show編
*それぞれの画像をクリックするとその画像だけを全画面表示に切り替えることができます。画面からはみ出して全体を見ることができない場合に、この機能をご利用ください。
亜米利加ガンショー徒然日記
105 Fayetteville Gun Show編(ノースキャロライナ州)
大阪万博2025に行きたいけど、大阪は遠すぎるのでファイエットビルのガンショーで我慢だ。ここは規模が大きいのでけっこう楽しめる。今回も古いモノと新しいモノとがいろいろ混在していた。
鉄砲博覧会
大阪の万博、始まりましたね。
自分は行きましたよ。いや、前回の1970年のヤツですけどね(笑)。
母親と妹の三人で、大阪の親戚の家に泊まって観に行ったです。自分は当時7歳。幼くて、内容はほとんど覚えていない。月の石の行列に並んだのと、なぜか夕日に浮かぶガスパビリオンの風景だけが記憶にあるのみ。
後年、万博にMGCがブースを出していたのを知った時には、ショックでした。もしもそれを見ていれば、自分のテッポウ人生はもっと早く、もっと深く進んでいたかもしれない。まあ今でもそこそこ、深いですけどね。
今回の万博も、出来る事なら見学したい。でも、ノースキャロライナからじゃ遠過ぎる。だから自分はいつもの鉄砲博覧会、つまりガンショーでガマンだ。
ということで、出掛けたのはFayetteville(ファイエットビル)のガンショー。ココは片道130マイル(約209km)、二時間半のドライブとやや遠いが、規模が大きい(300テーブル)ので毎回楽しめる。
●
土曜の朝、開場直後に現地へ到着。チケット売り場はまだまだ長蛇の列。まあ、万博ほどじゃないですけどね。1ドルのクーポンを忘れず差し出し、差し引き11ドル払って入場。
一発目、フルオートのマシンガンが出た。それも二挺。UZIとMAC 10だ。UZIはGroup Industries(グループインダストリーズ)製。そしてMAC 10は正真正銘のMilitary Armament Corp(ミリタリーアーマメントコープ:本家本元のMAC製)製で、マニア垂涎のいわゆるPowder Springsモデルだ(パウダースプリングスはメーカーであるMACの所在地)。
どちらも思わず見入ってしまった。UZIは22,000ドル、MAC 10は.45口径に9mmのコンバージョンとサプレッサー(昨今の製品)が付いて15,000ドルという。これに消費税と登録費用の200ドルが加算され、MAC 10の場合はさらにサイレンサーの登録代200ドルも必要。えっ? どっちが欲しいかって? 迷わずMAC 10だ。UZIはオリジナルのIMI製じゃないしね。
試しに、登録の期間はどれくらいと売り主(ガンショップ)に尋ねたら、「昔は1年とか待ったが、今は早いと一週間」だって。
うっそお~、そんなに早いの。逆にちょっと心配だなあ(意味不明)。ノースキャロライナはガンフレンドリーな州だから、それも関係あるのかも。がしかし、銃一挺に車一台分の金など到底出せる余裕はない。とりあえず、見果てぬ夢としておくか。

お次は、お金がいくらあっても買えない銃。なぜかと言えば、非売品だから。NCSHP(North Carolina State Highway Patrol)の刻印が入ったSIG P229だ。同署の75周年記念モデルとのこと。口径は.357SIGで、2004年に2,000挺の限定で署員のみに売られたんだってさ。P229なら持ってるし、.357SIG口径にはいまいち興味薄だけど、こーゆー記念モデルはやっぱりそそる。ちなみに同署は現在、P320の.357SIG口径を使っているそうだ。巷では廃れた感のあるこの口径だが、警察関係ではまだまだ現役なのだろうか。

続いてはグロックの亜流品、Alpha Foxtrot(アルファ フォックストロット)社(ジョージア州)のAF-Cってのを見る。姿カタチが結構整っており、もしやと握ったら冷たい。フレームがアルミなのだ。亜流品にはよくあるパターン。バレルは4インチでスレッドが付き、スライドには当然のようにオプティックカットが入る。お値段は割と強気の875ドルをセールで795ドルだと。グロックとパーツの互換性は無論あるだろうから(多分Gen3ベース)、フレームだけ買ってグロックに組んで遊ぶのも一興かも。
Alpha Foxtrot社は、後で調べたら韓国のDasan Machineries(ダッサンマシィーナリィ)という会社が親会社らしい。ここは韓国軍へも銃器を納入している銃器メーカーだそうだ。知りませんでした。道理でしっかり出来てるはずだ。値段がもう少し安ければね、試してみたい感じ。
亜流繋がりでもう一挺見る。こちらは1911のクローンだ。Metro Arms(メトロアームズ)のAmerican Classicというもの。ステンレス製で、昔のRandall(ランダル)を彷彿とさせる綺麗綺麗なガバ。Metro Armsはどこの会社かと思ったら、フィリピンだ。Armscor(アームスコー)とは全く別だそうだ。2011年辺りから米国に入り始め、徐々に定着して今日に至るらしい。エッジが気持ちよく立ち、ミラー仕上げがピカピカ。お値段は新品で649ドル。コルトは軒並み1,000ドル越えの昨今だし、性能次第ではそこそこ売れるかと。

ポリマーに比べてメタルフレームはリコイルがやや強くなるが、自分がもどき系を買うならメタルフレームの感触を是非味わってみたい。

筆者好みのレトロ銃もチラホラあったぞ。
先ず、ColtのTrooper(トルーパー)MKⅢ 。.22口径の珍しいヤツだ。1980年製の極上品で、1,875ドルの凄いお値段。相場よりは少し高いけど、今はもうこんな時代。
そしてHKのHK4。1971年の製品だ。当時の輸入代理店だったHarrington & Richardson(ハーリントン&リチャードソン)社が100周年を記念してオーダーしたダブルネームの限定品(2,000挺)。コレは素晴らしい。.380口径の本体に.22LRのコンバージョンが付いて1,450ドル。ああ、二年前にフルコンバージョンがセットになった極上HK4を買い逃した失態をまた思い出してしまった。税込み1,000ドルを高いと思ったのが間違いだった。今じゃもう2,000ドルでも足りない。悔やんでも悔やみ切れない。
さらにもう一挺、Coltの復刻パーカッション。Dragoon(ドラグーン) の2nd Generation 3rd Model だ。自分は全く詳しくなくて、多分ドラグーンで合ってると思う。トリガーガードが丸く、バレルは7半インチで7条のライフリングが銃口にくっきり見える。またシリンダーにはエングレーブがあり、バレルのトップにADDRESS SAML COLT NEW-YORK CITYの刻印。グリップフレームの真鍮がかなりくすんではいるが、全体の程度は良好。箱無しで750ドル。自分も還暦過ぎたし、こういった古式銃をゆったり眺める心と懐の余裕が欲しいもので。



鉄砲類はざっとこんな感じだが、一つ気付いたことが。Springfield ArmoryのSA35の新品価格がずいぶん下がっているのだ。以前は800ドル近かったのが、600ドル代で幾つも見掛けた。新品でその価格なら、中古となれば400ドル代も出てくるはず。よっしゃ、ARMSLISTとかしっかり目を光らせておかねば。
小物類では、ちょい古いローエンフォースメント向けの強力弾に目が留まった。.38SPLのいわゆる+P弾よりも、さらに15%パワーが強いと裏面に印刷してある。ほとんどマグナムだ。こーゆーのは普通、一般には出回らない。コレクションに欲しいけど、100ドルくれだってさ。そこまではちょっと無理。
そしてもう一個、SIG P226の古い樹脂製グリップがあった。ちょうどP226の原稿書きの最中だったので目に付いた。完全無傷でたったの10ドルは安い。即購入。手持ちの予備に良いし、SIGの樹脂グリップはebayに出すと結構高値で売れてくれるのだ。古いコレなら多分50ドル以上、上手くすれば100ドル近くになりますから。

以上、こんな具合のショーでした。入場料分くらいは楽しめたかな。次回開催は6月の模様。きっとまた来よう。
今月の買い逃し
絶対に買えないんだけど、.22LRのトルーパーは綺麗だった。ずっと昔に安かった頃は、「22は要らないだろう」と流してました。バカでした。

Text & Photos by Toshi
Gun Pro Web 2025年6月号
※当サイトで掲示している情報、文章、及び画像等の著作権は、当社及び権利を持つ情報提供者に帰属します。無断転載・複製などは著作権法違反(複製権、公衆送信権の侵害)に当たり、法令により罰せられることがございますので、ご遠慮いただきますようお願い申し上げます。