2025/06/10
GLOCK 41 Gen4【動画あり】
GLOCK 41 Gen4
競技とタクティカル向け.45ACPの最新グロック
Text &Photos by Yasunari Akita
Gun Professionals 2015年3月号に掲載
G41は、.45ACPでありながら、G34とほぼ同じスライド幅を持つ軽量な5.31インチモデルだ。G21の登場から24年を経て、グロックの.45は大きく進化を遂げている。
GP Web Editor 2025年6月補足:10年前の3月号で新型としてご紹介したG41 Gen4ですが、2025年にDiscontinued(製造終了)となりました。Gen5のアナウンスは無いので、41はこれで欠番となる可能性大です。もう5.31バレルの.45の需要はほとんど無いのでしょう。
グロックの更新状況
2014年のSHOT SHOWで5.31インチ銃身を持つ.45ACPのG41が、超小型のG42(.380ACP)と共に発表された。久々にグロックのモデル名が更新され、いよいよ40番台に突入した。
40番目(G40)をスキップしていたが、G41と同じ仕様の10mm口径モデルとして遅ればせながら今年(2015年)のSHOT SHOWで公開される事となった。
2005年に発表された.45GAP(グロックオートマチックピストル)のサブコンパクト機G39の誕生を最後に、長い間、モデルナンバーの更新は行われなかった。
正確にはその間RTF(ラフ・テクスチャード・フレーム)が登場し、2010年に第4世代型のGen4がリリースされてGen3として販売してきた既存のモデルをGen4へと置き換えるという大きな変動はあった(Gen3も製造中だが)。
最後発だったG37(フルサイズ)/G38(コンパクト)/G39で初採用された.45GAPはグロックが先陣を切って製品化した弾で、初めてカートリッジ名にグロックの名前を刻み付けた記念すべきものであったが…。


従来なら一回り大型のプラットフォームから撃たなくてはならなかった.45口径だったが、.45GAPでは.45ACPの性能をほぼそのままにケースを短縮することで9mm/40と同サイズの銃からでも発射可能とした…そのアイデアは素晴らしかった。ホルスターも9mm/40用がそのまま流用できる。だから注目度は高かった。SHOT SHOWでの展示品はそのメリットを前面に出したものだったのだが、量産を前につまずいた。しばらく待たされた後に出荷が始まった市販モデルのスライド幅は結局、従来のG21と変わらなかったのだ。
当初の構想通りとはいかなかった理由は明確にされていないがフィーディングを安定させるためにスライドのサイクルスピードを落とす必要があったと推測されている。太く短いケースではフィーディングが不安定になりやすく、スライド重量をアップさせて発射時のスライドの動きをスローダウンさせる必要があったとみられている。
それでも.45ACPと同レベルのパワーでグリップが細く握りやすくなったためG37を中心に一部のLE(ローエンフォースメント)機関が採用した。注目が集まったのは、その時だけで、現在では殆ど聞かれなくなってしまった。その後に大量の警察払い下げ品のG37が叩き売りされているのを目撃し、当初の期待に応えられなかったことが知られるようになった。 ガックリきたのかグロックは、G38とG39のGen4化をいまだ着手していない。売れ行きの低さが社内でも問題になっているではないかと想像できる。中途半端な小型化に加えて弾が普及せず値段が落ちないという悪循環が追い討ちをかけた(G38, 39は結局Gen3のまま2025年に製造終了です)。
他社では45ACPモデルの小型化も進んでいたため、あえて45GAPを選ばないといけない特別な理由もハッキリしなくなっていた。


.45のグロック
グロックがアメリカ市場の期待に応えてG21を発表したのが1990年。それから4半世紀近く経ち、ようやく長銃身モデルを投入してきた。
H&K VP70が初めて製品化したものの、注目されずに終わったポリマーフレームの実用性と可能性を世に知らしめた第一人者であるグロックが、アメリカの代理店を設立したのが1985年。本格的に始動したのが翌年からで、グロックの評判は80年代後半には全米中に広がりLEからの注目度も急上昇していった。
.45ACPと当時FBIの採用からLE用としても注目度が高かった10mm×25のプロジェクトが同時進行し、大口径化に際して9mmのサイズでの実現は最初から無理があったため、一回り大型のスライドとフレームを再設計することで製品化にこぎつけた。
グロックにとってマガジン装弾数は譲れないセールスポイントで、.45ACPでも13発(10mmで15発)入るファイアパワーを武器にした。ところが一回り大きくなったグロックは、グリップが握りずらいという苦情をその後長い間ため込むこととなった。


