2025/03/19
映画『ジョン・ウィック:パラベラム』で使われた銃器
Text & Photos by Yasunari Akita
Special thanks to Taran Butler, Gary Tuers, Chad
Stahelski, and Keanu Reeves.
Gun Professionals 2019年11月号に掲載
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『ジョン・ウィック』シリーズは独特な世界観を持つ娯楽作品だ。派手なガンアクションが全編を貫いている。そして、その中に登場する銃はどれも入念な検討の上に選ばれ、強い個性を発散、出演者と共に物語を盛り立てる存在だ。
シリーズ3作目『ジョン・ウィック:パラベラム』で使用された銃について、その主なものをここに集めてみた。それぞれの銃の来歴について知っておけば、映画をもっと楽しめるだろう。
2014年に大ヒットを記録したアクション映画『ジョン・ウィック』(原題:John Wick)はキアヌ・リーブスを再びアクション映画の世界に返り咲かせた作品となった。『マトリックス』でキアヌのスタントを担当、あらゆる格闘術を知り尽くしたチャド・スタエルスキと、『デッドプール2』などの監督で知られるデヴィッド・リーチが共同監督、制作指揮を行なっている。

比較的低予算の作品ながら、世界興行収入でその5倍近くを稼ぎ出す異例のヒットとなった背景には、90年代に『スピード』や『マトリックス』で多くのファンを獲得したキアヌが久々に力を注いだアクション作品であった事、そしてこれまでとは異なる、銃による戦いと格闘術を融合させた新しいスタイルのアクションの魅力とが相乗効果となり、キアヌの人気再燃現象を引き起こした。

2017年に公開された第2作目『ジョン・ウィック:チャプター2』(John Wick: Chapter 2)では、監督を含めた主要スタッフが続投し、撮影予算・規模を大幅に拡大した。物語も裏社会の秩序を保つ主席連合を軸に、その独特の世界観を広げたものとなっている。
そして2019年10月4日に日本公開となった第3作目『ジョン・ウィック:パラベラム』(John Wick: Chapter3 - Parabellum)が、5月17日に全米で公開され、3週連続独走中だった『アベンジャーズ/エンドゲーム』から首位を奪う大ヒットを記録、その好調ぶりから直ちに4作目の製作もアナウンスされた。毎回成績を倍に引き伸ばし、この第3作の世界興行収入は、現在320億を超える規模になっている。
プリプロダクション

『ジョン・ウィック:パラベラム』のトレーラー第1弾が2019年のSHOT SHOW直前に公開され、STIブースでこの映画で使われたモデルが華々しく展示された。全長230mm、銃身長137mm、全高141mm、重量1,043g、メーカー希望小売価格 $3,899.99
第2作目の制作準備段階で、チャド監督はキアヌにさらなる実戦的な射撃スキルを身につけさせるため、3ガン競技のナショナルチャンピオンであり、本誌のリポートでお馴染みになっているタラン・バトラーを射撃のトレーナーとして迎え入れた。
それと同時にタランの会社であるTTI(Taran Tactical Innovations)のカスタムガンを作品に採用、劇中ではローマの武器ソムリエがジョンに勧めて使用する銃器としてTTIのカスタムガンが登場する。

『ジョン・ウィック:チャプター2』ではG34コンバットマスター(Combat Master)、バックアップにG26コンバットキャリー(Combat Carry)、TR-1ウルトラライト(Ultralight)、TTIベネリM4がローマの地下墓地のシーンを中心に活躍した。銃を切り替えながら撃つトランジションを駆使した戦いは当初設定にはなかったが、タランの実弾射撃訓練を体験した監督が脚本に取り入れたものだ。

第3作目の制作決定、いわゆるグリーンライトが点灯したのは2作目の公開から数ヵ月が経過した2017年6月で、再びタランを銃器関連のアドバイザーを兼ねて再び迎え入れた。同時にタランは監督の依頼により新型カスタムガンの開発を進め、STIと協力し新型のコンバットマスターを完成させている。前作同様3ガン仕様のTTIベネリ、そして新たにTTI仕様のSIG MPXを投じている。
