2025/05/31
【NEW】今月の、どマイナーワールド76 S&W SW22ビクトリー
極太バレルのステンレス22オートがSW22ビクトリーだ。”勝利”などという気張った名前とは裏腹に、シリアスなコンペティションガンではなく、お気楽シューティング用となっている。この銃、見た目はちょっと野暮ったいけど、いろいろ好感が持てる出来なのだ。
.22口径のビクトリー
物凄く久しぶりなこのコーナー。調べてみたら、実に丸二年のご無沙汰だ。
なかなか良いネタに出会えなくてねえ。それとこのコーナーの方向性が、床井さんの『ちょっとヘンな銃器たち』に被りそうなこともあって、積極的には動いてなかったのだ。
ちょうど2年ぶり(前回はファイアスターM40)のネタは、S&Wの.22口径オート、SW22 VICTORY(ビクトリー)だ。どマイナーと呼ぶにはメジャー過ぎるモデル。が、22口径は有名無名を問わずこのコーナーへぶち込むと以前お約束したので、何卒ご了承願いたい。

そんなわけでSW22 VICTORYである。名称にいちいちVICTORYを付けるのはかったるいので、SW22と呼ぶことにする。登場は2016年。Terry Yanoさんが2017年5月号でリポートされている。自分も時間差で記事にすべく頃合いの出物を探し続けて早10年近くが経ってしまった。我ながら呆れるほど気が長い。


このSW22は、S&W社が1997年にリリースしたモデル22A(2015年生産終了)の後継機の位置付けだ。自分は以前、その22Aを所持したが(17年1月号でリポート)、売り払って今はない。持っときゃ良かったかな。
例によってARMSLIST経由の中古である。極々普通のベーシックなモデル。300ドルを250ドルに値切って買った。メーカー希望小売価格は459ドル、市場ではセールで400ドルを切る程度なので、まあまあのディールか。



極太で飾り気一切なしのステンレス製丸バレルがプレスの四角いレシーバーに繋がり、後端にはボルトのぎざぎざノブが顔を出す。フレームはステンレスのメインコンポーネントに樹脂のグリップフレームがぶら下がる二分割構造。作動はハンマー内蔵式だ。
先代の22Aはベンチレーテッドリブがゴテゴテしい成りだったが、こちらは一気にスッキリ。またベレッタのNEOSみたいにひたすら近未来風を装うでもなく、丸棒の寸胴バレルなど野暮ったさが漂う一方で、樹脂を絡めたグリップフレームがポリマーエイジへしっかりアピールしている。全体に実直で奇をてらわず、同時に滑らかなシェイプには新鮮さもあり、好感度大。S&Wは1957年のモデル41を最高峰に様々な.22口径オートを作り続けてきた歴史を持つ。それだけでもユーザーとしては既に安心感だ。
