2025/03/05
Magnum Research Inc. MR9 Eagle
Magnum Research Inc.
MR9 Eagle
ワルサーと共同開発した
新型ポリマーフレームオート
by Yasunari Akita
Gun Professionals 2013年1月号に掲載
マグナムリサーチが2011年から2019年までラインナップしていたポリマーフレームピストルがMR9イーグルだ。SW99亡き後、独特なワルサーP99のテイストを引き継ぐアメリカンブランドピストルが、このMR9であったといえる。グロック的な操作性を持つモデルばかりになりつつあったこの時代に、MR9が2019年まで供給されていたことにちょっと驚いてしまう。
2025年3月 GP Web Editor
マグナムリサーチ
一番人気のマグナムオート、デザートイーグル(以下DE)のヒットによりミネソタ州にあるマグナムリサーチInc(以下MRI)は有名になり今日に至っている。
DEはMRIが開発を進めイスラエルのIMI(当時の社名で現在はIWI)に製造させたモデルでありサコー(Saco Defense)がアメリカ国内で製造した時期もあったが、その後またイスラエル製に戻り、2009年からMRIの米国内自社工場で製造されている。
1979年に創業したMRIはDEを手掛けると同時にヘッドハンターとして世界中のメーカーから売れそうな製品を見付け出し商談を持ちかけ製品バラエティを増やしていった。あのCZ75Bシリーズも90年代半ばにMRIが代理店として販売していたことがあり、様々なブランドと関わりを持ってきたのだ。
こうしたビジネススタイルを得意とするため自社開発のオリジナル製品というのが少ないのもMRI製品の特色となっている。なので現在のMRIのカタログに存在するモデルの多くには、もう一つの顔(本来のブランド)がある。

MRIは2010年6月にカーアームズ(Kahr Arms)に買収され、以来SHOT SHOWでは彼らの子会社であるオートオードナンスとの合同ブースで製品をまとめて展示・紹介している。今年のブースを覗いた時、そんな製品群にまた一つ、ユニークな新顔があった。
それがワルサーP99の親戚のような存在、MR9イーグル(以下MR9)である。これもまた他社(ワルサー)に製造委託したものではあるが、MRIのアメリカ工場が上半分を製造しているのでジョイントベンチャー(合作)というMRIにしては一風変わった存在になっている。
MRIのハンドガン達

IMIのジェリコM941から派生したベイビーイーグル(あるいはベイビーデザートイーグル。中身はジェリコそのもの)こそMRIが長年温め続けているミリポリ系ハンドガンだ。90年代初頭、モスバーグも輸入しIMIを有名にしたUZIにあやかって、UZIイーグルという商品名でも販売していた事があった。
MRIではDEのベイビー的な存在をイメージさせるネーミングを与えたが、ジェリコはチェコ生まれのCZ75の設計を下地に開発したモデルで、構造的にはDEとは全く関係のない拳銃だ。
他にも現在MRIが販売する小型オートのマイクロDEや1911系のDE1911も名前を聞くとDEの近縁種であるかのように感じさせるが、これらも全く血縁はない。MRIはこうしたイメージ商法をお得意の戦略としているのだ。
ジェリコはハンマー方式によるDA(ダブルアクション)/SA(シングルアクション)のトリガーを含め、CZ75の基本設計をほぼそのままコピーしている。しかし、フレーム側ではなくスライド側にデコッキングレバー兼用のセイフティレバーを移動させた事がCZ75と最も異なる点だ。
また本家CZと同じようにスチール製の高重量フレームを採用しながらダストカバー部を銃口付近まで延長しており、それによって重量が約1.2kgとなり、撃ちやすくはなったが、長時間携帯したい銃ではなくなった。


軽量フレーム路線を進むデューティガン達とは逆行したため、フレーム素材をポリマー化し大幅に軽量化(950g)したモデルも開発した。両タイプに携帯向けのセミコンパクト、コンパクトが存在する。
しかしベイビーイーグルの売れ行きは低迷し、2008年に販売中止の決断が下される。ところがカーアームズに買い取られた後、IWIの提案により再び戦列に呼び戻した。現行型はアクセサリーレイルを加工したベイビーイーグルⅡへと若干の進化を遂げている。
ということで現在もベイビーイーグルシリーズがMRIデューティガンのメインの立場ではあるが、ハンマー方式に備わってない利点を付加できるストライカー発射方式のポリマー・ガンの需要も強まる傾向にあり、FNのように両タイプをオファーするメーカーが存在することも理解できる。そうした需要を考慮して開発したのがMR9といえるだろう。

