2025/03/04
Para USA GI Expert
Para USA,LLC.
GI Expert
パラUSAのエントリー・レベル1911
Text and Photos by Terry Yano
Gun Professionals 2012年12月号に掲載
このレポートが作られた2012年、パラUSAはレミントンを擁するフリーダムグループ(のちのレミントン アウトドア カンパニー)に買収された。そして3年後の2015年、パラのブランドはレミントンに集約されてしまう。そして2020年、レミントンが破綻して、1985年にカナダで始まったパラオードナンスの血統は完全に潰えてしまった。
2025年3月 GP Web Editor
101年後の返り咲き
コルトの.45口径自動拳銃は、1911年に“Automatic Pistol, Caliber .45, Model of 1911”として米軍に採用された。後に製造された民間向けバージョンが「ガバメント・モデル」と名付けられたことから、日本では「ガバメント」または略して「ガバ」の愛称で親しまれているが、アメリカではクローンも含めて“1911 ”(ナインティーン・イレブン)と呼ばれることが多い。
誕生100周年の2011年、銃器業界は多いに盛り上がり、多くの1911のメーカーから記念モデルが発表されたほか、新たに1911をラインナップに加えた会社もあった。
第一次・第二次大戦と朝鮮戦争、ベトナム戦争でも用いられた.45口径の1911は、1985年に制式サイドアームの座を9×19mmのM9(ベレッタM92FSの米軍仕様)に譲ったが、アメリカを代表するモダン・ハンドガンとしてのステイタスは不動のものだ。
なにかと否定的な意見が多かったM9も、採用からすでに四半世紀以上が過ぎ、各種追加装備に対応させるため、アクセサリー・レイルを備えたM9A1に発展している。最高の選択であるかどうかはともかく、軍ではサイドアームの重要度は低いということもあり、今後もしばらくはM9 /M9A1が米軍制式拳銃の座を追われることはないだろう。
一方、1911は制式の座を退いた後も、海兵隊で限定的に使用が継続されている。専属のアーモラーによってリビルトされた1911が、武装偵察部隊や特殊作戦部隊で用いられていることは、本誌読者ならご存知であろう。
2012年7月20日、コルト(Colt Defense LLC)は米海兵隊と、M45 Close Quarter Battle Pistol(以後はCQBPと略す)をIDIQ(Indefinite Delivery Indefinite Quantity、直訳すれば「納期・数量不確定」)という調達方式で、最大12,000挺納入する契約を結んだ。CQBPは、ダスト・カバー下面にアクセサリー・レイルを備えた.45口径の1911である。
本誌Vol.4のリポートでは、「1911のデザインが完全に時代遅れとなることはないだろう」と書いたが、誕生から101年が経過してなお、CQBPという形になって米海兵隊に採用された1911は、その健在ぶりを見事に証明してくれた。

各種カスタム・パーツを標準装備したタクティカル系の1911は多いが、シンプルな1911にも根強い人気がある。
エントリー・レベルの1911
第二次大戦後、自動拳銃の口径は9×19mmが主流となり、ダブル・アクション・メカニズムやハイキャパシティ・マガジン、アルミ合金製や合成樹脂製フレームなど、デザインや材質などで様々な発展を遂げた。その一方、コンバット・シューティングと呼ばれた拳銃競技などを通じて、1911にも様々な改良が行われており、今日でも多くの上位シューターたちによって使用されている。
制式拳銃であった期間が長かったので、1911に慣れ親しんだ兵士が退役後も同じスタイルのハンドガンを購入するという図式は、想像に難くない。競技界においては、メイジャー・クラスのパワー・ファクターをクリアできる.38スーパーや.40 S&Wという選択肢があるので.45 ACPにこだわる必要はないが、ホーム・プロテクションやセルフ・ディフェンスを意識したアメリカのシビリアン・マーケットにおいては、.45口径は相変わらずの人気だ。


そういうわけで、昔から多くのメーカーが1911を製造しており、新規に参入するメーカーも後を絶たないが、今日の1911マーケットはいささか飽和気味となっている。製品の内容や価格はピンからキリまであり、カスタム・ビルトであれば3,000ドルを超えるものも珍しくない。「タクティカル」という言葉が氾濫し始めた頃からか、各種カスタム・パーツを標準装備したファクトリー1911が当たり前となり、アクセサリー・レイルを備えた1911も増えた。が、ここ数年はシンプルな1911が再評価されているようで、多くのメーカーのラインナップに、いわゆるエントリー・レベルの1911を見ることができる。
操作のシンプルなストライカー方式のハンドガンが入手可能な今日、1911は初心者向けとはいえないが、ユーザーが必ずしも競技シューターというわけではなく、タクティカル・トレーニング・クラスの常連というわけでもない。単に.45口径の1911を所持したいと考える人もいるわけで、撃つとしても週末にレンジや裏庭でプリンキングを楽しんだりする程度という場合もある。

リコイル・スプリング・プラグ/ガイド・ロッドというオリジナル1911と同じスタイルなので、通常分解の手順も同様だ。
フレーム右側面には“PARA USA INC. PINEVILLE NC”と刻印されているが、現行モデルでは“PARA USA LLC. CHARLOTTE NC”に変更されているとのこと。

スライド上面はシンプルで、反射防止処理/加工は施されていない。

カジュアルなプリンキングが主な目的であれば、シンプルな仕様で十分だ。最低限のメンテナンスでも作動し続ける信頼性と、ある程度の精度があればよい。各種カスタム・パーツを備えた、いわゆるミドル・クラスの1911も、ウィークエンド・プリンカーの予算をオーバーしている場合が多いのだ。エントリー・レベルの1911では、購入を検討している者にお買い得であると思わせることが重要なのかもしれない。
米国外の銃器メーカーによる1911のなかには、MSRP(メーカー希望小売価格)が400ドル台のもの存在し、それなりの需要があるようだ。1990年代、ノリンコ(中国)製の1911が結構売れていたことを思い出す。
しかし、マイナーなメーカー/ブランドの1911では、いまいち気分が盛り上がらない。「夢が買えない」というコメントも聞いたことがあるが、いい得て妙だ。限られた予算でも、それなりに知られたメーカーの1911を購入したいと思う気持ちは理解できる。1911のメーカーの多くは、エントリー・レベルを含む幅広いバリエーションを用意しているので、ユーザーはリサーチを行いながら、予算内で自分にあったモデルを探すというわけだ。
パラUSAの2012年度版カタログには、現在24種のモデルがリストアップされている。ここでは、その中から6種をピックアップしてみた。
Image from para-usa.com





これは同社の最初の多弾数1911の現代版であるP14・45(製品コードはP1445EK)で、重量は40オンス(1,134g)、装弾数は14(+1)発、MSRPは879ドル。
