2025/02/25
Outlaw(アウトロー) Smoky Mountain Shoot-Out 05
Smokey Mountain
Shoot-Out
―THE RETURN OF THE SMOKY MOUNTAIN OUTLAW―
Outlaw(アウトロー)
Text by Terry Yano Photos by Yasunari Akita
Gun Professionals 2012年11月号に掲載



Smoky Mountain Shoot-Out(スモーキー・マウンテン・シュートアウト、以後はSMSOと略す)の様子をお伝えしながらのカウボーイ・アクション・シューティング(以後はCASと略す)解説も、今月で5回目となった。
この連載企画の最終回では、SMSOで用いられているユニークな射撃スタイルや、最終日の晩餐会/表彰式の様子などを紹介したい。



SMSO名物、アウトロー
SMSOの取材では、サイトを用いないでリボルバー/ショットガンを撃つシューターの存在に驚かされた。これは“ Outlaw”(アウトロー)または“Outlaw Way”(アウトロー・ウェイ)と呼ばれる撃ち方で、まだSASS(Single Action Shooting Society、サースと発音。CASのルール管理などを行う国際団体)によって規定されていないものの、各地のクラブ・マッチ/州大会で認可されつつある比較的新しいスタイルだ。
名称こそアウトロー(無法者、お尋ね者)であるが、ルール無用のカテゴリーというわけではない。初心者向きではないが、SASSルールを理解して安全なガンハンドリングを行えるのであれば、その面白さを知るために試してみる価値はある。


CASでアウトローを広めたのは、今回のSMSO取材で大変お世話になった “Tennessee Tombstone”(テネシー・トゥームストーン、以後はTNトゥームストーンと略す)たちだ。2000年末にSASSのメンバーとなったTNトゥームストーンは、SMSSやOcoee Rangers(オコーイ・レンジャーズ)の前身であったクラブでCASを撃っていた。当時、マッチでの上位入賞が困難であると感じていた彼は、タイムを気にするよりも楽しく時間を過ごそうと決め、映画のヒーローたちのようなヒップ・シューティングに挑戦したのだ。同じような考えを持つSASSメンバーの “Lane”(レイン)に出会ったTNトゥームストーンは、彼と共にローカル・マッチを撃ち始める。テネシー州クリーブランド(Cl evel and)でヒップ・シューティングを行っていたSASSメンバー、“Loose Cinch”(ルース・シンチ)も同志に加わった。TNトゥームストーンたちはその後の数年間、デュエリストやガンファイターなどのカテゴリーに登録しつつ、ヒップ・シューティングでCASマッチを撃ち続けている。2005年、彼らは自分たちのスタイルを「アウトロー」と命名し、ピストルは片手保持で射撃すること、サイトやバレル上面を用いてサイティングを行わず、銃は胸より下に保持すること、ライフルに関しては肩付け/サイティングを認めるなどという大まかなルールを作成した。


TNトゥームストーンたちは他のシューターにもこのシューティング・スタイルを勧め、アウトローはテネシー東部を中心に広まってゆく。アウトロー・シューターたちは機会ある毎に全米各地で独特の射撃スタイルを披露し、クラブ・レベルでの認知/普及に貢献した。
SMSOは2007年からアウトローをメイン・マッチでのカテゴリーとして認めたほか、サイド・マッチにおいても特別カテゴリーを設け、参加者にアウトロー体験の機会を与えている。同年、ケンタッキー・ステイト・マッチがアワーディッド・カテゴリー(上位入賞者を表彰するカテゴリー)として設置し、アウトローを認めた最初のSASS州大会となった。アラバマ、テネシー、ノース・カロライナの各州大会でもアウトローがアワーディッド・カテゴリーとして認めるようになったほか、U. S. オープンやサウスウェスト・リージョナル・マッチである“Comin’at’ Cha”( カミンアッチャ)でも認可され、今年はフロリダとジョージアのステイト・マッチでも認められたとのことだ。
一方、アウトロー・スタイルを理解しようともせず、根も葉もない噂を流す心無い人たちもいたという。アウトローに新規登録するシューターは、儀式で帽子を撃ち抜かれるなどというデマも流れたらしいが、そのようなことは行われていない。


まとめ?
CASマッチでは、楽しむことが第一だ。参加者は真剣に取り組んでいる人が多く、競技であるからにはベストを尽くすのが当然だが、タイムを気にし過ぎて落ち込むのは本末転倒も甚だしい。老若男女、誰でもウェルカムされるのがCASマッチであり、週末を楽しんで過ごすことに意義があるのだ。
とはいえ、SMSO 2011を取材して、のんびりしたイメージを抱きがちなCASマッチにも、とんでもない速さで撃つシューターたちがいることを思い知らされた。通常のスティール・マッチと比較すると、ターゲットのサイズはかなり大きいということもあるが、オールド・ウェスト・スタイルのシューターたちが、シングル・アクション・リボルバーやレバー・アクション・ライフルを使用して、スティール・チャレンジのベテラン・シューターたちを髣髴させるようなスピードで連射しながらターゲットをヒットするのは、見ていて痛快だ。これはまさに、オールド・ウェスト・スタイルのスリー・ガン・マッチといえる。


CASを始めるにあたっての最初の難関は、道具一式を揃えるためのコストだろう。ゲストには銃を貸し出してくれるクラブも多いようだが、本気で取り組むには最低でも2挺のSAリボルバーとそのホルスター、規定を満たしたショットガンとライフルを1挺ずつ用意する必要がある。オールド・ウェストを彷彿させる衣装の用意も忘れてはならない。一度揃えてしまえばよいのだろうが、初期投資に相当額が必要となるのは、限られた予算の人にはつらいところだ。
それでもいつか取り組んでみたいと思うのは、CASマッチの面白さに魅せられたせいだろうか。洒落たエイリアス(CASマッチで用いられるシューターのニックネーム)を考えながら、少しずつ道具を揃えてゆければと思ってしまった。
ではまた。God bless you!!


Text by Terry Yano
Photos by Yasunari Akita
Special thanks to Tennessee Tombstone,Lady Tombstone, all the shooters and their families at
Smoky Mountain Shoot-out
Gun Professionals 2012年11月号に掲載
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