2019/10/23
実銃レポート「Colt Combat Unit Rail Gun .45ACP&9mm」【後編】
コルト・最高峰の拳銃シリーズを実射!!
コルトのカタログモデルとしては、最高峰シリーズとなるのが「コルト・コンバット・ユニット(CCU)・レールガン」モデルだ。フルカスタム並みのフィーチャーと性能を持ちながら、その価格は約半分という、コルトのヤル気がひしひしと見える製品となった。後編では、いよいよこのモデルの実射シーンをご紹介する。
アウトラインを紹介!
「Colt Combat Unit Rail Gun .45ACP&9mm」【前編】はコチラ
ディティールを紹介!
「Colt Combat Unit Rail Gun .45ACP&9mm」【中編】はコチラ
ファイア! やはり.45ACPの発射は迫力がある。この後、ドイン! とリコイルが来る
今回の実射は、筆者お気に入りの1911、それも最新のCCUなので、大いなる期待とともにレンジに向かった。まずは.45ACPのマガジンを4本ほど装填し、習熟射撃を行なう。違う。明らかにマイルドで撃ちやすいではないか。ウチにはコルトのシリーズ80やスプリングフィールド(SF)のセミカスタムなどがあるが、まずスライドの引き心地からして、まるで違う。この.45ACPは引き始めはやや軽いが、途中からじわじわと重くなり、後半は「ムン!」と気合いを入れるように勢いを付けたくなるのだ。素ガバともSFともまったく違う。ただし撃ってみるとマイルドなのだ。9mmのほうは、もう快適そのものだ。.45ACPと重量そのものは変わらないので、リコイルはマイルドそのもの、スウィートな撃ち心地だ。
重いが心地よい.45ACPのリコイル。きちんとグリップすると、マズルフリップ(銃口の跳ね上がり)はそれほどでもない
9mm口径。これがほぼフルストロークなので、きつく握る人にとってはこのくらいのマズルフリップとなる
フルストロークして排莢し、次弾をくわえてスライドは前進中だ。リコイルのピークは過ぎ、収束に向かっている
精度テストでのCCU 9mmの撃発。リアサイトのノッチ幅が通常のノバックサイトより広いので、瞬間的なフロントサイトのピックアップには強いが、25ヤード以上の距離だと、やや技量が必要になってくる
さて、いいことずくめのようなCCUだが、ひとつだけ苦情がある。フィニッシュだ。DLC(ダイヤモンドライクカーボンコーティング)の耐性が高いのはわかっている。カスタムグロックなど、ほぼ一様にこの種のコーティングを使っているので、表面硬度が高く、キズや化学物質に対する耐性が高い。ただ、このマット(艶消し)仕上げは油や指紋がべっとりと残り、どうも汚れた感じで美しくないのである。美しい表面仕上げといえば、コルトの技術には格別のものがある。
【アームズマガジンウェブ編集部レビュー】
同じガバメントモデルでも、口径が違えばその性格も変わってくる。一発ごとのパワーに優れる.45口径か、軽快な撃ち味で装弾数も多い9mmか。リコイル(反動)の強さも如実に違いが表れる部分なので、ユーザーの考え方や使用目的によって適したモデルは異なってくるだろう。幅広いユーザーに対してリーチするという点でも、異口径同モデルという存在は良心的な意味のあるラインナップといえるのだ。
Text&Photo:Hiro Soga
編集部レビュー:アームズマガジンウェブ編集部
この記事は月刊アームズマガジン2019年11月号 P.114-121より抜粋・再編集したものです。