2019/10/15
スロバキア製SMG!GRAND POWER「STRIBOG」【後編】
”風神”の名を冠したスロバキア製SMG
グランドパワーは政府の提案を蹴って軍の受注は失ったものの、自国および周辺諸国の一般向け市場では成功を収めている。そして現在、ストリボーグSR9/SP9A3はアメリカ陸軍のSMGトライアルにもエントリーしているという。今回ご紹介したストリボーグやK100をはじめとするピストルを常にブラッシュアップしていることからも分かるように、グランドパワーは進化し続けるメーカーなのだ。
後編では「SR9A3」と「SR9A3S」をご紹介。また、グランドパワーの工場敷地内にあるテスト射撃場で行なった、SR9A3Sのシューティングインプレッションも掲載しているので、ぜひその様子もご覧いただきたい。
STRIBOG SR9A3
最新改良モデルのSR9A3。外観のデザインはA2とほぼ同じだが、閉鎖機構にローラーロッキングシステムを採用するなどメカニズムが変更され、操作性が劇的に向上している。
ボルトアッセンブリーの比較(写真上がA3、下がA1/A2のもの)。改良の結果ボルトアッセンブリーはまったくの別物となり、リコイルを軽減するダンパーも変更された。
テイクダウンしてアッパーレシーバーを持ち上げた状態。プレス製のボルトストップはアンビで大柄なデザイン。確実な作動を約束する。
STRIBOG SR9A3S
SP9A3をベースにさらにショート化した特殊部隊向けモデルがAP9A3Sだ。こちらはオーダーメイド用のサンプルとして製作されたプロトタイプで、呼称は便宜上のものである。
マズル周り。チャージングハンドルはアンビ化され、形状も異なる。サイレンサーはMP5と同様マズルに配された3つのラグにかませることでワンタッチ固定できる。
シューティングインプレッション
AP9A3Sでフルオート射撃を行なった。最初はサイレンサーを装着。消音効果は充分高く、サブソニック弾を使えばさらに静かになるだろう。
サイレンサーを外した状態でのフルオート射撃も、リコイルは充分に軽減されている。
【アームズマガジンウェブ編集部レビュー】
あまり馴染みのない国の馴染みのないメーカーだからこそ非常に興味深いストリボーグ。生粋のガンマニアでなくても気になる存在であろう。メーカーへの直接取材ならではのフルオート射撃、コンペンセイターの形状やリコイルが消えた理由も非常に興味深い。
前後編でストリボーグについて説明してきたが、「月刊アームズマガジン11月号」では更に詳しく各製品について紹介している。このWEB記事でストリボーグに興味を持たれた方は、ぜひ「月刊アームズマガジン」を読んで欲しい。
Photo&Text:櫻井朋成(Tomonari SAKURAI)
編集部レビュー:アームズマガジンウェブ編集部
この記事は月刊アームズマガジン2019年11月号 P.122-129より抜粋・再編集したものです。