装備

2026/07/12

新 WESTERN魂!:ウエスタンファッション ショップ買い出し編

 

ウエスタンファッション ショップ買い出し編

 

今回の話題は、以前からやりたかったウエスタンファッションについてだ。その第1回はショップへの買い出し編。「ウエスタンな服装は、どこで買えるの?」という初心者の疑問に答えたい

 

実は今回の企画は、昨年ファストドロウを始めた有望な新人シューターがいて、ウエスタンの服装を持っていない彼が全国大会で着るためのハット、シャツ、ジーンズ、ブーツの一式をショップで買い揃えるところ( 服装のビフォー・アフター)を取材しようと昨年から考えていたのだ。だが事情によりそれが難しくなったため、急きょ私の奥さんに代役を務めてもらうことにした。奥さんのウエスタンネームは「フォーティファイブ・ヨーコ」です。みなさん、よろしくお願いします!

 

ウエスタンショップ

 

 2025年4月より連載をアームズマガジンへ移したなら、絶対にやりたいと思っていたのがスタイリングの記事、すなわちウエスタンファッションについて、だ。もちろん1回で書き切れる内容ではないので、今後も定期的に取り上げる予定だ。初回はウエスタンショップをご紹介したい。
 ウエスタンショップとは、カウボーイハットやウエスタンブーツ、ウエスタンシャツなど、ウエスタン系のアパレルや雑貨などを扱うお店のことだ。日本では、これらをアメリカから輸入して販売する形態となるが、そもそもアメリカにウエスタンショップはあるのだ。カウボーイという職業は西部開拓時代から続いて今もあり、彼らが牧場の仕事で使うための道具(ロープやサドル)や、カウボーイのウェアを扱う専門のお店がウエスタンショップなのだ。


 私がウエスタンにハマり始めた1990年代は、日本の各地にウエスタンショップはあって、旅行や仕事で出掛けると、訪問先周辺のウエスタンショップ巡りをするのが好きだった。だが今や日本ではウエスタンショップは絶滅寸前。近年、多くのお店が次々とクローズしたり、実店舗をやめてネットショップへ切り替えたりするなどして、実際に買いに行けるお店がかなり少なくなってしまった。
 これ以上、ウエスタンショップが少なくなると本当に困る。なぜならサイズ、特にカウボーイハットやウエスタンブーツは実際に店頭で試着してみないと自分に合ったサイズの物が分からないからだ。実は私、以前、ある西部劇の登場人物のコスプレをしようと海外通販でハットを購入したが、既に持っているメーカーの同じサイズのハットを注文したにもかかわらず、届いたハットが頭に合わなくて、結局、同じハットを異なるサイズで計3個も買う羽目になった経験がある。海外通販では送料もそれなりにかかるから返品・交換は実質できない。買う前に試着できれば、絶対にこんなことにはならなかった。それと、これからウエスタンにハマっていただく新人・初心者へウエスタンファッションをオススメするのに、実際に商品を手に取って見ることができるウエスタンショップがなくなるのは本当に痛い。こんな訳で、今回はウエスタンショップ応援企画でもあるのだ。

 

 

ウエスタンショップリスト

 

 今ここで全国にあるすべてのウエスタンショップを網羅してご紹介することはできないが、私が良く知るお店を中心に列記する。多くは通販もできるので、詳しくはネットで検索していただきたい。

 

 

 この他には、ウエスタンのジーンズといえば往年のハリウッド西部劇にもよく出てくるアメリカの三大ブランド:Levi's(リーバイス)Lee(リー)Wrangler(ラングラー)だが、これらは普通のジーンズショップで購入できるし、それぞれ公式ストアもある。御徒町のアメ横だとジーンズならアメリカ屋が品揃え充実。ウエスタンブーツは、以前は普通のシューズショップでも売っていたものだが、現在は取り扱うお店は非常に少なくなってしまった。アメ横だとイケダヤ靴店がオススメだ。
 ウエスタンファッションにご興味あるなら、まずはウエスタンショップへ足を運んでほしい。お住まいの地域にない場合もあるだろうが、アメリカ雑貨を扱うお店などを探すのもいいかもしれない。私は国内のすべてのウエスタンショップを応援したい。

 

今回は東京近郊のウエスタンショップ2店舗をご紹介。1件目は埼玉県上尾市の「武蔵屋 遥館(ヨーカン)」だ。ご覧のとおり一戸建て住宅の1階が売り場になっており、すごい数の品揃え。ここへ来ればハットからブーツまで(服装の上から下まで)すべて揃う。お店自体もすごくウエスタンな雰囲気なので、いるだけでも楽しくて、商品を見ているとあっという間に半日は過ぎてしまう

 

武蔵屋 遥館

埼玉県上尾市向山4-17-7
TEL: 048-781-9988
定休日:年中無休
営業時間:10:00〜19:00
https://youallcome.co.jp/

 

ウエスタンとハーレーをこよなく愛するオーナーの林さん。この日は(も?)お店で1杯やっていらっしゃった(笑)。遥館という店名は「You All Come」(みんな歓迎!)の南部なまりの「Y'all Come」から(この曲名のカントリーソングがある)。本当にお客さん大歓迎のフレンドリーなお店で、ファンも多いのだ

 

店内には魅力的な商品が所狭しと並ぶ。ご覧のとおりハットもすごい数だ。遥館ではハーレーグッズも数多く扱っており、アメリカンなバイカーのお客さんも来店する。店内にはオーナーのハーレーも展示されている

 

ウエスタンシャツをあれこれ選ぶヨーコさん。ウエスタンのアパレルは基本アメリカからの輸入品で、サイズ表記が日本と異なる。例えば日本人サイズでMならアメリカサイズではSとなる。なので、実際に手に取って自分に合ったサイズの商品を選べるウエスタンショップは本当に貴重なのだ

 

どうやらお気に入りのブーツがあったようで、お買い上げ決定。他にシャツやジーンズなども。支払いは私だ(笑)

 

2件目は東京 アメ横の「石原商店“ONE AND HALF”」。ガード下の通路を挟んで2店舗ある。このお店もスゴイ品揃え。都内在住の私にとって最も行きやすいウエスタンショップなので常連客です。お店で友人にバッタリ遭遇もよくある話(笑)

 

石原商店 ONE AND HALF
東京都台東区上野6 - 4 - 1 2
ウェルカムモール内
TEL: 03-3831-5226
定休日:年中無休(元日を除く)
営業時間:10:00 〜18:15
楽天市場にも出店
https://www.rakuten.co.jp/oneandhalf/

 

ショーウインドウの一角には(写真右下)ブーツの踵に付ける拍車(スパー)もある。絶対に欲しいアイテムだ

 

ウエスタンショップでは特にハットやブーツを試着できるのが有難い。同じサイズ表記でも、メーカーが違うと微妙にサイズ感が異なることも珍しくない。ハットだと頭の形が日本人とアメリカ人で異なるので(真上から見て日本人は円、アメリカ人は縦長の楕円)、やはり実際に被ってみないと自分に合うハットか分からない。ブーツだと足は、日本人はアメリカ人に比べて甲が高く幅広だ。そのため「サイズ(長さ)はピッタリなはずなのにキツくて痛い」という場合がある。なお試着の際は、必ず店員さんに声を掛けるのがマナーだ

 

ヨーコさんは今回初めて自分のハットを買う。いろいろ試着させてもらい、自分に合うサイズやスタイルを探す

 

どうやら自分にベストマッチのハットが見つかったようで、鏡の前で決め顔のヨーコさん。他にもベルトなど、いろいろお買い上げ。支払いは私だ(笑)

 


 

 ウエスタンスタイリング例 

 レディース編 

 

 それでは今回買ったものと、以前からウエスタンショップで少しずつ買ってあったものを合わせて、ウエスタンな着こなしの一例をご紹介したい。各アイテムのカッコ内は、それを購入したショップだ。なお、基本は輸入品のため品切れすると次の入荷がないものも多いので、今回ご紹介するすべてのものが現在入手できる訳ではないのでご留意いただきたい

 

 1950〜60年代のレトロ・カウガール風 

 

ハット:スタリオン By ステットソン フェルト(ショーホーガン)
シャツ:ラングラー(武蔵屋 遥館)
ベルト:トニー・ラマ(石原商店)
ジーンズ: リーバイス VINTAGE CLOTHING 1950's 701(Levi's 原宿フラッグシップストア)
ブーツ:ノコナ(武蔵屋 遥館)

 

 こだわりおしゃれPOINT 

 ヨーコさんが履くのは通称「モンローデニム」と呼ばれるリーバイスの701の復刻版だ。701は、伝説的なハリウッド女優マリリン・モンローが映画『帰らざる河』や『荒馬と女』で履き、私生活でも愛用したとされる世界初の女性用ジーンズ。ハイウエストでストレートなシルエットが特徴だ。ちょっとダボついて見えるのは、生地のデニムがリジッド(防縮加工を施していない未洗いの状態)のままだからだ。最初に洗うと少し縮むので、少し上のサイズを買うのだ。リジッドのジーンズには色落ちなど長く履きこなしていく楽しみがある。
 裾の折り返しは大き目で、1950〜60年代の頃はこれが主流だった。やはり折り返すならセルビッジ(縫い目の白い耳)のあるジーンズがおしゃれ。ちなみに往年のハリウッド西部劇では、この折り返しの大きさで製作された時期が分かるらしい。年が進むにつれ、折り返しは徐々に小さくなり、最後には折り返さずに履くのが主流になったそうだ。

 

 

 女ガンマンっぽい感じ 

 

ハット:スタリオン By ステットソン フェルト(ショーホーガン)
シャツ:ローパー(すでにクローズしたお店で購入)
ベルト:トニー・ラマ(石原商店)
ジーンズ:ラングラー 14MWZ(武蔵屋 遥館)
ブーツ:ボタス・ヘーベル(ボタス・メヒカーナス)
ガンベルト:トミー・レザー(トミー井浜さんへのオーダーメイド)
モデルガン:ハートフォード コルトM1877ライトニングシルバー

 

 こだわりおしゃれPOINT 

 本誌は銃の雑誌なので、腰に銃を吊ってもらったが、日本人のイメージとして「いかにもウエスタンファッション!」といった感じのカウガール姿で決めてもらった。ウエスタンシャツの両肩にある刺繍が隠れてしまわないように、あえてベストは着用せず、首もバンダナではなくスカーフをスカーフリングで巻いた。
 ウエスタンシャツと呼ばれるシャツの特徴は、ヨークと呼ばれる肩から背中にかけての切り替え部分の布がV字形のラインになっていることと(ウエスタンヨーク)、両胸のポケットにはフラップが付き、ボタンはパール調のスナップボタンになっていることだ。もっとも実際のアメリカ西部開拓時代(19世紀)にはなかったデザインだが、それぞれの特徴には理由があり、ウエスタンファッションでは定番のアイテムのひとつだ。
 このジーンズは、ラングラーのレディースのカウボーイカットの14MWZだ(メンズのカウボーイカットジーンズの定番は13MWZやスリムフィットの936だ)。カウボーイカットとは裾のシルエットのことで、ブーツカットの一種だが、ラングラー独自のデザインだ。そしてラングラーは、長めのものを写真のように裾をダブらせて履くのがカッコイイのだ。これはカウボーイが馬に乗ってジーンズが吊り上がっても、裾が上がって脚が短く見えないようにするカウボーイならではのおしゃれな履き方なのだ。

 

 

 ホンキートンクで踊ってそうなカウガール風 

 

ハット:ブルハイド ストロー(石原商店)
シャツ:カクタス(武蔵屋 遥館)
ベルト:トニー・ラマ(石原商店)
バックル:ギスト Cheyenne Frontier Days ロデオ公式
ジーンズ:ラングラー Q-BABY(武蔵屋 遥館)
ブーツ:ノコナ(武蔵屋 遥館)

 

 こだわりおしゃれPOINT 

 今回のスタイリングでヨーコさんの一番のお気に入りがこれ。暑い夏にピッタリの長袖のTシャツに、涼しげなストローハット。ベルトのバックルは付け替えが可能なので、私が愛用する有名なロデオ大会の記念バックルに交換した。
 ジーンズは同じラングラーでも、こちらは裾がわずかに末広がりとなるブーツカット。ヨーコさんはブーツカットやフレアな裾のジーンズがお好みだそうだ。普段はリーズナブルで楽に履けるという理由でU社のジーンズ(デニムパンツ)を愛用するヨーコさんだが、リーバイスやラングラーのジーンズを履いてみて、その見栄えの変わり具合に「すごい!シルエットが全然ちがう!脚がより長く見える!ステキ!」とビックリ。そ〜なんです!!やはりアメリカの三大ブランドのジーンズは特別最高にカッコイイのですヨ!
 もちろんリーバイスやラングラー、リーのジーンズも、いろいろなスタイルの物が出ているので、自分に合ったお気に入りを見つけるのも楽しい。ちなみに私の愛用のジーンズは、ラングラーだとスリムフィットのカウボーイカットの936の各色と、映画『アメリカン・スナイパー』でクリス・カイルを演じたブラッドリー・クーパーが履いていたダークデニムの933。リーバイスだとド定番の501で、現行品はもちろん(同じ501の品番でも時代によって細部やシルエットがわずかに異なる)復刻版だと背中にシンチバックが残る1937年モデル、ベルトループとサスペンダーの両方で穿ける1922年モデル、サスペンダーだけで吊っていた1890年モデルなどを愛用している。リーはヴィンテージ・レプリカで背中にシンチバックがあり、背中の腰のブランド名の革パッチに毛がついたままのヘアー・オン・ハイライドラベルが特徴のCOWBOY 101の1937年モデルを破れるまで愛用した。

 

 

 おしゃれしてお出かけのウエスタンコーデ 

 

シャツ:レンジャー(既にクローズしたお店で購入)
ベルト:トニー・ラマ(石原商店)
レースのスカート:ヨーコさんの私物
ブーツ:ボタス・ヘーベル(ボタス・メヒカーナス)

 

 こだわりおしゃれPOINT 

 日本人の場合、カウボーイハットを被るとどうしてもコスプレっぽくなってしまうが、ウエスタンファッションは普段着、おしゃれ着で楽しめるものだ。上から下まですべてウエスタンでガチガチに決めるのではなく、普段着ならやり過ぎないくらいがちょうど良い。こんな感じの私服に合わせたコーデなら渋谷・原宿あたりでショッピングできそう。朝の情報番組によると、2026年初夏の女子の人気はレース&フリルらしい。
 ウエスタンシャツには、先ほど説明した特徴のものの他に、写真のような刺繍入りのスマイルポケットのものもある。スマイルポケットとは、入口がその名のとおり笑った時の口元に似たデザインになっているポケットだ。このデニムのウエスタンシャツには両肩と袖にバラの刺繍があり、それに合うようにウエスタンブーツも赤いバラのインレイ(埋め込みの装飾)が施されたものをチョイスした。

 

実はヨーコさんの趣味はウエスタンでもなければ、サバゲやシューティングでもない(クラシック音楽が好き)。私が半分無理やりウエスタンな服を着させて、ウエスタン系のイベントへ連れまわしているのだが、最近は西部劇ごっこワイルドホンキートンクなどの初心者歓迎のイベントへ参加してけっこう楽しかったらしく、ウエスタンファッションにも興味を持ってくれている感じで、とても嬉しい。
 日本ではメンズファッションでウエスタンがトレンドになることはまずないが、レディースファッションでは数年に1回くらいの周期でウエスタンが人気になることがある。すでに女子サバゲーマーのファッションでは可愛さ優先のスタイルも定着しているので、ぜひウエスタンな恰好やアイテムでゲームをしていただけたら、と思っている。もちろん男性も、だ。今回は図らずもモデルは女性になったが、ウエスタンファッションは基本ユニセックス。当然ながらメンズサイズ、レディースサイズ、女性向けなどあるが、着こなしの基本は男性も同じだ。まずは、ぜひウエスタンショップへ行ってみてほしい。

 

 

TEXT:トルネード吉田

 

この記事は月刊アームズマガジン2026年8月号に掲載されたものです。

 

※当サイトで掲示している情報、文章、及び画像等の著作権は、当社及び権利を持つ情報提供者に帰属します。無断転載・複製などは著作権法違反(複製権、公衆送信権の侵害)に当たり、法令により罰せられることがございますので、ご遠慮いただきますようお願い申し上げます。

Twitter

RELATED NEWS 関連記事

×
×