実銃

2026/07/04

【実銃レポート】手動式ショットガン+“ちょっとヘンなショットガン達”【Gun Pro A.T.】

 

 

 今号の特集は、“時代に抗う手動の美学 ロマン銃という選択 ショットガン編”ということで、過去14年間にSHOT Showで見て来た手動式ショットガンをいくつかここに並べてみた。中には“ちょっとヘン”というものも含まれている。しかし、そういった癖の強いショットガンにこそ、ある種のロマンを感じてしまうのだ。

 

Text by Satoshi Matsuo  Photos by Yasunari Akita

 

 

Crye Precision SIX12

 1999年に創業したクライプレシジョンは軍用アパレル、およびアクセサリーの製造メーカーで、マルチカム迷彩の開発で広く知られている。同社の共同オーナーであるCaleb Cryeと Gregg Thompsonは、2010年代初め頃にロータリーマガジンを使用するモジュラーショットガンの開発を目指した。デザイナーはMagpulでMASADA、AACでHoney Badgerの開発に携わった経験のあるEric Burtを起用している。
 試作されたのは、プルパップショットガン、及びアサルトライフルに装着するアンダーバレルショットガンに組み換えが可能なモデルで、さらにサウンドサプレッサーも装着することも想定されたものだ。
 コンパクトにまとめるために、この銃には前後動するボルトアッセンブリーがない。装着するロータリーマガジンは、リボルバーのシリンダーと同様で、それ自体がチェンバーとして機能する。撃発とマガジンの回転はダブルアクションでおこなわれる。すなわちこれは手動(指動?)のリボルバーショットガンであった。

 

AR系に装着したアンダーバレルショットガン形態。サポートハンドでダブルアクショントリガーを引いて連射する。

 

スタンドアローン状態。ブルパップスタイルだが、シリンダーギャップのガスシールが上手く機能しないとかなり怖い。


 シリンダーとバレルエンドとの隙間、すなわちシリンダーギャップの問題は、かつてのナガンリボルバーと同様、シリンダーが前進してギャップを埋めることで解決できる。これによってガスシールし、サウンドサプレッサーが有効に機能するわけだ。またこの6連発シリンダー(ロータリーマガジン)は着脱式のため、素早く交換が可能だ。
 試作品はSIX12(シックス トゥエルブ)と名付けられ、2014年のSHOT Showに展示されると、注目を集めた。その時点では2014年中にLE機関向け、2015年には民間向けに発売するとアナウンスされている。
 これを製造するため、クライプレシジョンはVantage Arms(ヴァンテージアームズ)を設立し、製品化に動いたのだが、民間市場向けの販売に対してはATF(The Bureau of Alcohol, Tobacco, Firearms and Explosives:アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局)が「待った!」を掛けた。簡単に組み替えられるモジュラリティさがマズかったらしい。
 結局、民間市場向けは製品化が断念され、軍・LE機関専用のタクティカルウェポンを目指したが、結果的に頓挫した。構想はともかく、満足いく形にまで持って行くことができなかったようだ。一説にはシリンダーを前後動させるガスシールが完全な形にならなかったともいわれている。

 

ロータリーマガジンを外した状態。ポリマーシリンダーにスチールライナーを組み込んだもの。ラチェットは前面に配置されている。

 

 

続きは「月刊アームズマガジン2026年8月号」でどうぞ。

 

 

 

Text by Satoshi Matsuo

Photos by Yasunari Akita

 

この記事は月刊アームズマガジン2026年8月号に掲載されたものです。

 

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