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2026/04/13

オールニッポンナイフショー in神戸2026、新ブランド“MONONOFU”インタビュー【ナイフダイジェスト・アームズマガジン版】

 

 人類最古の道具とも言われる刃物。その中でも、実用性と収集性が並び立つアイテムである「ナイフ」にフォーカスして、最新情報をお届けしよう

 

 

REPORT

 

オールニッポンナイフショー in神戸2026

 

2026年の3月7日(土)と8日( 日)の両日、兵庫県神戸市にある「Kiitoホール」にて、オールニッポンナイフショーin神戸が開催された。合計82ブースが参加、両日併せて約480名の来場者で賑わった。来年も3月6日(土)と7日(日)に同じ場所で開催の予定。

 

開放感のある会場で来場者の滞在時間も長くなった

 

 

恒例のナイフコンテストも開催された。左から優秀賞の本間通旦さんと米山勝利さん、最優秀賞の荒川和芳さん、ホビージャパン賞の岡島健二さん、プロスペクト賞の堤正登さん、ショーの運営を担った雅刀さん

 

盛り上がりを見せた抽選会

 

●上列左から:毛利沙羅/福田正孝/山田トール健太郎/吉川英治/荒川和芳
●下列左から:米山勝利/本間通旦/岡島健二/堤正登/富士川俊

 

 

詳細レポートは

こちらでご覧いただけます

 

 

NEWS

 

'26年5月までに開催予定のナイフショー

 

●JCKM/JKG鍛造ナイフ部会合同カスタムナイフショー
■ 日時:2026年4月19日(日)
■ 会場:時事通信ホール(東京都中央区銀座5-15-8)
■ 問合せ:mail@jckm.jp(JCKM事務局)
■ URL:https://jckm.jp/


●三木deナイフショー
■ 日時:2 026年5月23日(土)、24日(日)
■ 会場:道の駅みき2F大会議室(兵庫県三木市福井2426)
■ 問合せ:masatoknife2006@yahoo.co.jp(雅刀)
■ URL:http://waigaya.g1.xrea.com/

 

 

Columm

 

日米の知見と技術の緒晶"MONONOFU ”ブランドを
庄司ー憲(USPD GEAR)インタビュー

 

 

 日米のオ能が集結した新ブランド“MONONOFU”が本格スタートした。プロデュースを担うのは「USPD GEAR」の代表、庄司ー憲さんだ。


「米国の警察のスペシャルユニットに所属する人物と知り合ったことが、そもそものきっかけです。彼から仕事で使えるナイフがほしいと相談を受けたのです」


 USPD GEARは米警察関連のグッズをはじめとするコレクションアイテムを扱っている。そのつながりから知り合った「身分の秘匿を必要とする」人物の要求は、端的かつ的確だった。だが、彼の眼鏡に叶うナイフがなかなか見つからない。ならば、自分たちで制作をしようと話がまとまった。


「つくってくれる作家さんを探していく中で、五十嵐護さんと知り合いました」


 ラフスケッチを渡してしばし、前号でも紹介した気鋭のナイフ作家、五十嵐さんは希望にかなったプロトモデルを作り上げてきた。今度は本格的に庄司さんたちでデザインを練り上げ、五十嵐さんからの提案も織り込みながら、タントーポイントでフルタング構造の「仕事で使えるナイフ」を完成させた。それが現在の「56(フィフティシックス)」シリーズのオリジナルモデルとなった。


「五十嵐さんとも細かくやりとりを重ねながらブラッシュアップしていきました。米警察の間でも人気を呼んだので、サイズやハンドルの異なるシリーズ展開を行なっていくことにしました」


「56」と前後して、短めで頑丈な短刀をモチーフにした「Yoroidoshi」も完成させ、こちらもプロフェッショナルから高い評価を受けた。

 

Yoroidoshi

全長:215mm ブレード長:100mm ブレード厚:3mm
ブレード材:VGlO(サンドポリッシュ) 価格:応談
米LEのオーダーで生まれたカスタムユーティリティモデル“Yoroidoshi”。これはシリーズ中のハイエンドモデルとなるウッド(オリーブ瘤材)ハンドルのバージョン

 

56(fifty six)2.0

全長:233mm ブレード長:120mm ブレード厚:4mm
ブレード材:鍛造スチール 価格:応談
米LEがスペシャルユニット向けにデザインしたシリーズ「56」。フルタング構造のタントーブレードでタフな状況での使用に耐える


「五十嵐さんや、スペシャルユニットの隊員の力で完成したモデルです。現在進行中のフラッグシップモデル『MONONOFU』も近日完成の予定です」


 そう語る庄司さんは、「抜刀道5段、全国大会初段から5段までの全段位優勝」という経歴を持ち、その知見がハンドルのグリップなどにも反映されているという。さらにはワールドスピードシューティングチャンピオンシップランク・グランドマスターという射撃の達人でもある。その技術を活かして「アメリカでの射撃テスト」と銘打ったカスタムナイフの防弾テストを実施している。


「検査してもらいたいモデルを固定して、一定の距離から射撃テストします。ブレード厚2.5~3.5mmは9mm、3.5~5mmは357マグナム、5~6mmは223ライフル弾、6mm以上は5.56mm口径を使うことにしていますが、細かな設定は相談していただきたいです」

 

 今まで五十嵐さんをはじめとするナイフ作家たちが挑戦、弾を止めたこと、ブレードが粉々に砕けたこと、いずれもあるそうだ。


「このテストがナイフ作家さんたちの技術向上につながれば、嬉しいですね。ちなみに今回『Yoroidoshi』をテストしたのですが、見事弾を止めました。自社製品だけに喜びもひとしおでした」


 そう語る庄司さん。「斬鉄剣」の要領で、ブレードエッジヘ縦に弾を当てるテストの実施も想定に入れつつ、今後も続けていくとのこと。


「日米の知見と技術を高いレベルで融合させた製品の提供や、ものづくりのサポートをこれからもやっていきたいですね」と力を込める。

 

見事に銃弾を止めた「Yoroidoshi」

 

庄司ー憲さん。USPD GEAR代表。抜刀道5段に加えワールドスピードシューティングチャンピオンシップランク・グランドマスターという経歴を持つ

 

MONONOFUブランドロゴ

 

●USPD GEAR

 HP:https://uspd.ocnk.net/

 X:@chpmania

 Youtube:@mermaidkazu

●MONONOFU Knives Japan

 X:@mononofuknives

 

 

SPECIAL CONTENTS

 

気鋭作家×HOBBY JAPAN コラボレーションナイフ企画

 作家紹介その3  萩野 力 Asurah Knives

 

 「気鋭作家×HOBBY JAPANコラボレーションナイフ企画」の各作家にクローズアップ。ナイフと作家へのご理解を深めていただければればと思う。

 

萩野 力さん。愛知県の工房で制作に励む。バックオーダーを常に抱える人気作家だ

 

ナイフを持っていてよかった、と感じてもらえる1本をつくりたい

 

 「ナイフならではの『実用性』をずっと追求しています」


 Asurah Knivesの萩野力さんは、そう語る。


 萩野さんの活躍ぶりは、ナイフファンならずともよく知られている。
 ナイフ制作を始めたのは約5年前。独学でナイフをつくりナイフショーに出展して、を繰り返す中で、Asurah Knivesを象徴する「インテグラルスタイル」にたどりつく。たっぷりとした厚みあるブレードに、テクスチャーのついたハンドル。丈夫かつユーティリティ性が高いデザインは、たちまち各方面から注目を集めるようになった。


 2021(令和3)年に開催された「マトリックス・アイダナイフコンテスト」などでの受賞でナイフファンにその存在を知られるようになり、アウトドアのインフルエンサーとのコラボナイフ「さばいどるナイフ」シリーズのヒットで幅広い層からの人気を集めるようにもなった。
 それらの実績を踏まえた上で昨年発売したホビージャパンとのコラボ作“Monolith Modern”は、当然のことながら予想を上回る人気を得て成功に終わった。準備期間を含めると数年にわたるプロジェクトで、筆者が何よりも貴重だと感じたこと。それは、制作現場を見学し、デザイン画や試作品を直接手に取りながら、彼の制作に対する姿勢や考え方に触れられたことだった。


 萩野さんが制作において行うことは、おそらく他の作家たちと大きく変わることはない。
 まずはデザイン画を描く。日をおいて見直して気になるところを修正する。もう一度見直してさらに修正を行う。何度も繰り返してこれでいいと思ったところで筆をとめる。そこからはひたすら手を動かして鋼材を削り出していく作業だ。ナイフ制作を始めてから少しずつ増やしていった機械工具類も活用しながら、一定以上のクオリティを保ったものづくりを行う。

 

 オーソドックスである。だが、当たり前の作業を積み重ねた結果、生み出される作品は、ひと目で彼の作品とわかる個性、それに加えて実用のための理と機能美を併せ持ったプロダクトとしての魅力を兼ね備えている。
 独自性の高い、用と美のバランス。それこそが萩野さんの作品の他にはない魅力であることを、実感させられたのである。

 

デザイン画は納得いくまで描いては修正を繰り返す。「デザインに一番時間を使っているかもしれません」

 

プロトモデル制作中のひとこま。ナイフメイキングの基礎は独学で身につけた。当初は鍛造刃物に挑戦した

 

前回のコラボモデル“Monolith Modern” 。今回の“Monolith Prime” と大小のコンビとして持ちたくなるモデルだ


 今回のコラボモデルは、そんな萩野さんの特徴である厚みを幾分か薄くし軽やかさを強調した小型ナイフである。
「今回の“Monolith Prime”はデスク周りで使えるような汎用性を意識したモデルです。アウトドアやキャンプでの汎用性にフォーカスした前回の“Monolith Modern”とコンビを組める1本になると思います」
 萩野さんの言葉通り、手にすると想像以上の「軽さ」に気付かされる。手のひらにすっぽり納まりそうなサイズも相まって操作性の高さを予感させるモデルだ。

 

 インテグラル構造でヒルトやガードとなる部分はない。だが、絶妙な段差を設けることで、操作性を失うことなく、手がブレードエッジに当たることを回避するデザインとなっている。ハンドル部分のテクスチャーも滑り止めとして効果的で、さまざまなポジションで使える。デスクナイフとしてはもちろんだが、キャンプでの料理などでも間違いなく活躍してくれる1本になるはずだ。

 

「小型化しても、ナイフが本来持つユーティリティ性や信頼性を欠かすことな<詰め込まなければならない。ハサミやカッターではなく『ナイフ』だからよかった、と感じていただけるような1本にしよう。そんなコンセプトでデザインしました」
 他にはない個性で一躍人気となった萩野さんだが、その根底には刃物として機能を追求したいという思いが一貫して流れている。

 

「ナイフは道具だと思います。実用性を追求した先に生まれる美しさに僕自身がとても惹かれるんです。これからも実用性を追い求めながらナイフ作りを続けていきたいです」

 

 コンセプトから制作方法まで、どこまでも「当たり前」を突き詰めたものづくり。そこに彼だけのセンスが加わることで、唯一無二の「道具」となったAsurah Knives。その世界観を常に身近に備えることができるモデル。それが今回の“Monolith Prime” だ。

 

Monolith Prime

全長:150mm
ブレード長:70mm
ブレード厚:3mm
ブレード&ハンドル材:EXEO-CR20
価格:¥55,000(税込)
専用シース付属

 

裏側のブレードにはシリアルナンバーが入る

 

ブレード厚は最大で3mm。刃物用の鋼材としてバランスの取れたEXEO-CR20を採用

 

ハンドルの根本部分にセレーションを入れるなどの処理を施すことで、操作性と安全性を高める

 

Monolith Primeのご購入はこちらから

 

 

コラボプロジェクトについてさらに
詳しくは以下のwebをご覧ください

 

 

構成:服部夏生(刃物専門編集者)

 

この記事は月刊アームズマガジン2026年5月号に掲載されたものです。

 

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