2025/11/09
気鋭作家 × HOBBY JAPAN コラボレーションナイフ企画、進行中!!【ナイフダイジェスト・アームズマガジン版】
人類最古の道具とも言われる刃物。その中でも、実用性と収集性が並び立つアイテムである「ナイフ」にフォーカスして、最新情報をお届けしよう
TOPIC
気鋭作家 × HOBBY JAPAN コラボレーションナイフ企画、進行中!!
ここのところ、日本のナイフ作家の活躍が目覚ましい。国内のみならず海外でも高く評価される作家が続々と登場、新たな作家も増えている。その中でも、ひときわ目立った活動を行っている新進の作家たちがいる。
それまでの常識を超えるような斬新なアイデアに満ちた作品群は、仔細に調べていくと、確かな技術とセンス、加えて過去に学んだ痕跡を残している。世代を超えたマスターピースとなり得るだけの実力を備えた作品。それらを生み出す作家たちと組んで、カスタムナイフの魅力を幅広く伝えたい!
そんな思いから、気鋭作家とホビージャパンのコラボレーションナイフ企画の第2弾が始まった。
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3人の作家、彼らに共通する「変わらない姿勢」
前号(‘25年11月号)でもご紹介したように、このコラボレーション企画に参加してくださったのは、石崎祐也、市川志郎、萩野 力のお三方である(50音順・敬称略)。
いずれも、いわずとしれた人気作家、数多くのバックオーダーを抱え、ショーに出展すれば完売……。
そんな彼らの、なによりも魅力的なところ。
それは「自身で確立したスタイルを守りながら、新たなジャンルにも挑戦を続ける」姿そのものである。いずれも自ら使い、さらに信頼できる仲間にも使ってもらいながら、使い良さを追求し、その一方でデザインに改良を加える。
登場してから数年。技術とセンスを兼ね備えた彼らは、恐ろしい速度で人気作家となっていきながらも、初期衝動を持ち続けたまま、作品を生み出し続けている。キャリアこそ短いものの、その姿勢は、世界に足跡を明瞭に残してきたレジェンドたちと変わることがない。
そんな作家たちに、我々がオーダーしたのは「あなたらしさを感じられる『何か』を組み込んでほしい」ということだけ。
あとは、各作家がアイデアを考え出し、それらを形へとしていく。
今後ともこの作家たちが、新作に挑戦していく過程にもぜひ注目して、このプロジェクトを楽しんでいただければ、嬉しい限りだ!!
石崎祐也
ISZナイフX @iszknives
ナイフを作り始めたのはわずか5年ほど前。すごい速度で進化を続けている。「丈夫で使いやすいナイフを」という明確なコンセプトを、当初から変わらず保ったナイフを制作する。今回のモデルは「包丁」をモチーフとした汎用性の高いアウトドアナイフ。ハンドル材はチタン!! シースにも工夫を凝らした「持つのも使うのも楽しい」ナイフとなるだろう。
完成!! プロトモデル
市川志郎
I川商店X @i_kawa_show_ten
独自性の高いデザインと精度の高い仕上げの作品が人気。登場時からの特徴のひとつ「セカンドポイント」は、アウトドアやハンティングでのタフな使用を考えて辿り着いたスタイルだ。今回はセカンドポイントを持つブレードに、やや細身のハンドルが印象的。信頼する仲間たちにも相談しながら、ユーティリティ性の高さにフォーカスしたモデルとなる。
完成!! プロトモデル
萩野 力
Asurah Knives X @R93_0223
インテグラル構造でハンドルにテクスチャーを施したデザインで瞬く間に人気作家となった。今回のモデルは、キャンプでの汎用ナイフから、デスクナイフにまで使える小型のユーティリティ。昨年(2024年)末から行ったコラボ企画第1弾でも候補に挙がっていたデザインを、今回に併せて徹底的にリファインした。たおやかでやさしいラインが特徴だ。
完成!! プロトモデル
REPORT
やすぎ刃物まつり
2025年の10月4日(土)と5日(日)の両日、島根県安来市で「やすぎ刃物まつり」が開催された。今回で27回目を迎えたこのまつりは「ハガネの町」として知られる同市が「安来市で作られたハガネが、私たちの暮らしの中でどのように生かされているか刃物を例に紹介しよう」と平成8年にはじまった。
今年も有名産地の刃物の展示販売、アウトドアナイフショーに加え古代たたら復元操業など、盛りだくさんの内容で開催され、雨模様にも関わらず会場の和鋼博物館は多くの来場客で賑わった。
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ショーの詳細レポートはこちらでご覧いただけます
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NEWS
JKGナイフコンテスト2025 受賞作決定
今回で40回目を迎えた「JKGナイフコンテスト」。厳正な審査の上、各賞が決定した。応募作は、JKGの公式HPで閲覧可能だ。なお今年の優秀フォールディングナイフ賞は該当なしだった。
JKG大賞
優秀シースナイフ賞
藤本保廣メモリアル賞
鈴木眞メモリアル賞
アートナイフ賞
デザイン・アイデア賞
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受賞者のコメントは以下で読めます
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Column
町の頼れる刃物屋さん しんかい刃物店
東京・杉並の阿佐ヶ谷にあるパール商店街は、町で暮らす人たちの生活に密着したお店が並ぶ、活気のあるアーケード街だ。その一角にある「しんかい刃物店」もまた、訪れる客が途切れることのない刃物屋だ。
店内は実にバリエーション豊かな刃物類が並ぶ。
「包丁をはじめとする家庭用刃物に各種ナイフ、ジッポーライターなどを幅広く扱ってきました」と話すのは、店主の藤井高さん。藤井さんが中心になって選定している刃物類は、いずれも道具としてのクオリティの高さを持つ。それと同時に、希少なモデルや人気作家の作品といったファン垂涎のアイテムも扱っているところも特徴。その目利きぶりは、刃物好き界隈では広く知られている。
「ナイフは、輸入品、コレクターからの買取品いずれもなかなか手に入りにくい作品ぞろいだと自負しています」
そんな藤井さんの言葉通り、店頭には、藤本保廣や鹿山利明による東京ナイフや、ベレッタ社とR.W.ラブレスのコラボモデルといった世界的に根強い人気を保っているモデルが並ぶ。貴重なモデルが手に入る機会を見逃すまいと、しんかい刃物店のホームページでこまめに商品のチェックをするリピーターが多いことも頷ける。
ナイフメイキング用の素材などの品揃えも充実している。
「趣味としてメイキングを楽しむ方も、数多くいらっしゃいます。初心者の方は分からないことも多いと思いますが、気軽に質問してください」
そう話す藤井さん。コレクターのみならず、プロから家庭で使う人まで幅広い層のリピーターがいるのは、研ぎをはじめとしたメンテナンスも充実しているから。
「いい刃物を研ぎながら使い続けると、何年、何十年にもわたって心地よい切れ味を味わうことができる。道具としての刃物の魅力も伝えていきたいと思っています。いい刃物に興味のある方は、ぜひ一度足をお運びください」
藤井さんはそう話を結んだ。
しんかい刃物店
東京都杉並区阿佐谷南1-35-21
TEL 03-3311-9116
FAX 03-3315-8331
営業時間 10:00-18:00
休業日 火、水曜日
https://www.rakuten.co.jp/nzshinkai/
速報!
『ナイフカタログ’2026』2025/11/17発売!!
ファクトリーナイフを中心に刃物の情報満載の1冊!!
価格:2,970円
構成:服部夏生(刃物専門編集者)
この記事は月刊アームズマガジン2025年12月号に掲載されたものです。
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