エアガン

2026/01/09

徹底検証!「東京マルイ P320フルサイズ」【後編】

 

All about P320
~トイガンとしてのP320を深堀りする~

 

東京マルイ P320フルサイズ

 

【前編】はこちら

 

FCU(ファイアコントロールユニット)

 

 東京マルイP320フルサイズといえば、なんといってもFCUの完成度が一番のキーファクターだといえる。

 

東京マルイ P320フルサイズ
▲実銃のFCU(マニュアルセーフティ付き)

 

東京マルイ P320フルサイズ
▲東京マルイP320のFCU

 

 ここに実銃のFCUと東京マルイ製FCUを並べてみた。かなり雰囲気は似ているが、当然のことながら、全くの別物だ。実銃は本体がステンレススチール製だが、東京マルイP320のFCUは亜鉛合金製だ。寸法も微妙に異なり、実銃のグリップモジュールに東京マルイのFCUは入らないし、逆に実銃のFCUは東京マルイ製グリップモジュールに入らない。もちろん自分で試したわけではないが、そのようになっている。
 もしそれが可能だと実銃のグリップモジュールを手に入れて装着しようとする者が出てくる可能性があるだろう。実銃のグリップモジュールは完全に樹脂製で、パーツが一切入っていないとしてもの輸入や所持は、拳銃部品の所持となり違法行為だ。拳銃部品の密輸や所持は、たとえ小さな部品1個(サイトやレバー1個に至るまで)でも重大な犯罪であることを認識しておいて頂きたい(グリップパネルのみは所持可能。ただし、輸入や持ち込みの際は経済産業省の輸入割当の取得が必要だ)。

 

東京マルイ P320フルサイズ
▲実銃のFCU 右側面

 

東京マルイ P320フルサイズ
▲東京マルイP320のFCUは1挺ずつ異なるシリアルナンバーがレーザーで刻印されている

 

 東京マルイP320フルサイズのFCUは実銃の雰囲気を最大限に再現するため、エアソフトガンでは機能的に全く必要ないエジェクターまで再現している。
 そしていちばんのこだわりは従来、ガスガンでは不可欠であったハンマーを通常とは異なり、アンダーハンマー方式で配置していることだ。

 

東京マルイ P320フルサイズ
東京マルイP320にもハンマーはある。しかし、形状的にハンマーには見えない

 

 従来のガスガンに組み込まれたハンマーは、実銃のようにファイアリングピンを叩くのではなく、ずっと低い位置にあるマガジン背面のバルブを叩くためのものであるため、ハンマー自体が低く配置され、かつ質量も小さい。したがってファイアコントロールユニットにハンマーを設けてもそれほど気になることはないかもしれない。
 それでも、スライドを外したとき、あるいはFCUを取り出した時、明らかにハンマーとわかるパーツが見えるのと、それらしきものがないのとでは大きく違ってくる。そのため、東京マルイは同社では初めてのアンダーハンマーを採用した。またこれにより、スライド後部の空間を広げてピストンストロークの延長に利用している。

 

東京マルイ P320フルサイズ
東京マルイP320はトリガーを引くと低い位置に隠れたハンマーが倒れ、ノッカーが飛び出して、マガジンのバルブを叩く

 

 アンダーハンマーといっても、スライドの後退によってコックされるハンマーはFCUの上面に少しだけ見える。ただし、形状的にはハンマーには見えない。アンダーハンマーとは、そのハンマーの位置および回転軸が低く、バルブを押すノッカーがハンマーの回転軸近くに配置されているというものだ。

 

マニュアルセーフティ

 

東京マルイ P320フルサイズ

 

 実銃のP320はマニュアルセーフティなしが基本だが、マニュアルセーフティ付きも存在する。アメリカ軍サービスピストルのM17/M18もアンビのマニュアルセーフティ付きだ。ただし小さくて動きも固く、あまり使いやすくない。実銃の場合、軽く動いてしまっては機能的に望ましくないため固い動きになっている。東京マルイP320もマニュアルセーフティが付いている。これはASGKのルールに従った結果だろう。
 そして今回、マニュアルセーフティもその操作性を実銃に近づけた。具体的にはオン・オフ時の固さ、感触だ。トイガンの場合、実銃と比べて軽く動くものが多いが、今回、東京マルイは実銃と同じ感覚になるようにしている。ちなみにこのマニュアルセーフティがあると、スライドリリースレバーとの位置が近すぎて、親指でのスライドリリースがちょっとやりにくい。これも実銃、トイガンで共通だ。もっと大型のマニュアルセーフティにすれば、操作性が向上すると思うのだが、そうするとスライドリリースレバーを覆ってしまうので、これ以上大型化はできない。

 

ショートリコイル量

 

東京マルイ P320フルサイズ

 

 ショートリコイルは約8mm、バレルとのロックが解かれたスライドはそのまま後退し、52.5mm程度まで下がる。この時、バレルはしっかりとティルトし上を向く。東京マルイはこのバレルの動き、ロックが解かれるタイミング、スライドの後退ストロークまでほぼ実銃に近づけたということだ。実銃P320の場合、ショートリコイル量がかなり大きいが、その部分もしっかりと再現している。またエアソフトガンは実銃に比べて、弾速が大幅に遅い。その結果、バレルのティルトを迂闊に再現すると弾道に悪影響を及ぼす。しかし、東京マルイはそれも計算の上、このバレルとスライドの動きを再現した。

 

トリガープル

 

東京マルイ P320フルサイズ

 

 トリガープルは10回平均が1.46㎏だった。エアソフトガンは実銃よりプルが大幅に軽いものがほとんどだ。軽すぎるものも多い中で、この1.5㎏前後のプルは実銃っぽさを感じることができる。このトリガーは指が触れてから約3.3mmのテイクアップ(遊び)がある。ここまでのウエイトは約750g。そこからトリガーにテンションが掛かってプルが始まる。約1.35mm引くとレットオフ(ストライカーが前進)する。それに要する重さが約1.5㎏というわけだ。そのあとごくわずかのオーバートラベルがあり、完全に引き切った状態から約2.5mmトリガーを戻すと、リセットが掛かる。
 ちなみに実銃のP320はプルが3㎏程度で、リセットは5mm程度、モデルによっては7mm程度とややリセットが大きい。そんな実銃P320も、カスタムトリガーを組み込むとプルは4ポンド(約1.8㎏)を切るレベルまで軽くすることができる。それでもリセットはそれほど短くならない。そこから見て、東京マルイのトリガープル約1.46㎏、リセット約2.5mmは非常に優秀だ。引いた時、そしてレットオフした瞬間の感触もかなり良い。

 

東京マルイ P320フルサイズ
トリガーの位置を合成してみた。通常位置、リセットが掛かる位置、引き切った位置の3つだ

 

 

総評

 

 検証した結果、東京マルイのP320フルサイズは現時点で考えられるもっとも完成度の高いガスブローバックハンドガンだと感じる。特にFCUの出来栄えは素晴らしい。せっかくのFCUなのだから、これをこのP320フルサイズだけに留めることなく、キャリーやコンパクトに相当するグリップモジュールや、スライド、バレルのコンバージョンキットを展開してほしい。また実銃にあるXシリーズのグリップモジュールもぜひ製品化して欲しいと思う。いまやP320といえばXシリーズが主流なのだ。LEGIONシリーズなども再現してくれれば、自分好みのP320を自由に組み上げられるようになるだろう。

 

東京マルイ P320フルサイズ
月刊アームズマガジン誌上では実銃テストに即した本格的な実射テストも行なったがここでは割愛。詳しい結果に興味のある方はぜひ月刊アームズマガジン2026年1月号を手に取ってご一読いただきたい

 


 

東京マルイ
P320フルサイズ

 

DATA

  • 全長:205mm
  • 全高:142mm
  • 全幅:40mm
  • 重量:690g
  • 装弾数:26発
  • 価格:¥25,080
  • お問い合わせ先:東京マルイ

 

※記事中の価格表記は掲載時点でのものであり、特に記載のない限り税込みです。また、物価や製造コストの上昇、為替レートの変動により記事中に記載の仕様、価格は予告なく変更される場合があります。あらかじめご了承ください。

 

TEXT:Satoshi Matsuo/アームズマガジンウェブ編集部

 

この記事は月刊アームズマガジン2026年1月号に掲載されたものです。

 

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