2026/01/09
徹底検証!「東京マルイ P320フルサイズ」【前編】
All about P320
~トイガンとしてのP320を深堀りする~
東京マルイがP320を製品化すると最初に発表したのは、発売の約5年3カ月前となる2020年7月17日に配信した“マルフェスONLINE Part 2”でのことだった。この時、新製品として同時に紹介されたものは、AKMガスブローバックとMk18 Mod.1だが、その年の10月にはMk18 Mod.1、翌2021年7月にはAKMが発売されており、それらと比べるとP320の製品化にはとても長い時間が掛かっている。
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この2020年の発表の段階で、P320についても作動する試作品を実際に見せていた。金属パーツは黒染めしていない状態だが、実射シーンも公開しており、かなり開発が進行していると思える内容だった。15mmピストン内蔵などの情報はあったが、取り外し可能なFCUを再現するといった詳しい仕様はその時点では何も明らかにされていない。これは全くの推測だが、5年前の試作品はFCUを組み込んだものではなく、あくまでもガスブローバックとしての作動を確認するためのもので、その時点ではFCUを着脱可能にするかどうかは決定していなかったのではないだろうか。
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東京マルイが選択したモデルは当時最もスタンダードな“P320フルサイズ”だ。これは2014年1月にSIG SAUERが最初に発表したP320に、その後のアップグレードを施したモデル(外観上、トリガーが薄く軽量化されている)を、そのままトイガン化したものだ。この2014年の実銃発表時点でP320はまだオプティックレディ仕様となっておらず、東京マルイの試作モデルも同様だった。
P320のトイガン化企画が東京マルイの社内でいつスタートしたのかは不明だが、かなり早い時期からプランがあったことが伺える。そして2017年1月にアメリカ軍がM17/M18サービスピストルとして採用したことを受け、製品化計画が現実味を帯び、それから約3年後の2020年に試作品をお披露目したのだろう。
しかし、それ以降東京マルイはP320の製品化についてはほとんど情報を出さなくなった。1度だけ、マルフェスONLINEで、“P320は進行中です”という趣旨のインフォメーションを流し、製品化計画が中止になったわけではないという情報を流したが、それ以降、ずっと沈黙が続いた。
この間、SIG SAUERアメリカ本社のエアガン部門(金属製の弾丸を発射する日本では実銃扱いとなるエアガン製品とBB弾を撃つエアソフト製品の両方を扱う部門)からエアソフト版P320が登場、その日本向け仕様が発売されるなどのライバル登場で、東京マルイとしては、当然それを超えなければならなくなっていった。もちろん、そのような製品の有無に関係なく、同社はベストを尽くした製品づくりを行なっているはずだが、先行モデルの存在はどうしても意識せざるを得ないだろう。
そして2025年の5月14日から18日に開催された静岡ホビーショーで、満を持して東京マルイP320フルサイズが展示公開された。これは試作品ではなく、ほぼ量産品に近いモデルだ。最初の発表から4年10ヵ月もの時間を掛けたわけだが、これはよりリアルなFCUを完成させ、実銃のイメージをより高いレベルで再現したトイガンにするための時間であったのだろう。この時点で事実上、製品は完成しており、そこから後の約4ヵ月は量産販売体制の整備を行なっていたのだと推測する。
モデルガン的な要素を融合させる
今回の東京マルイP320フルサイズは、同社では初めての試みとして、エアソフトガンにモデルガン的な要素を融合させることを目指して開発したと、2025年5月の公開時に開発担当者である東京マルイの内山さんから直接伺った。
モデルガン的な要素とは何かといえば、それは実銃の雰囲気をトイガンに盛り込むということだと解釈できる。これまでの東京マルイ製ガスブローバックモデルも、実銃の雰囲気を盛り込むことはしっかりと行なってきたはずだが、ここでいうモデルガン的要素とは、内部パーツの形状や機能を含め、実銃っぽさを盛り込むことだろう。
ガスブローバックモデルとしての機能を突き詰めていった場合、内部パーツの形状や機能はまったく別のものにならざるを得ない。実際にエアソフトガンとして使っている限りにおいては、それでも全く支障はないが、日本におけるトイガンというものが、実銃の代替品(法的に所持できない実銃の代わりとして持つ模型)だと考えれば、内部構造まで実銃に近いということは、よりリアルで魅力的だ。トイガンユーザーは、実銃ではなくトイガンが好きだ、という人達も多いが、やはり実銃の代替品としてトイガンを手にしている人達もたくさんおられるだろう。その場合、エアソフトガンにモデルガン的な要素を融合させるという今回のアプローチはすごく魅力的だ。
そしてP320の場合、実銃っぽさを再現する一番の要素は、容易に取り外せるFCUであり、かつそのFCUも可能な限り、実銃のそれに近い雰囲気を持たせるということだ。
実銃通りのフィールドストリップ
ひきつづき【後編】では、FCUを中心に実銃との比較検証をお届けする。乞うご期待。
東京マルイ
P320フルサイズ
DATA
- 全長:205mm
- 全高:142mm
- 全幅:40mm
- 重量:690g
- 装弾数:26発
- 価格:¥25,080
- お問い合わせ先:東京マルイ
※記事中の価格表記は掲載時点でのものであり、特に記載のない限り税込みです。また、物価や製造コストの上昇、為替レートの変動により記事中に記載の仕様、価格は予告なく変更される場合があります。あらかじめご了承ください。
TEXT:Satoshi Matsuo/アームズマガジンウェブ編集部
この記事は月刊アームズマガジン2026年1月号に掲載されたものです。
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