装備

2025/07/22

フィールドを駆ける! サバイバルゲームの装備を研究しよう!!「Defensor Fortis」

 

SURVIVAL GAMERS LABORATORY

 

 

Defensor Fortis

 

 サバゲーマーを取材し、注目の装備を研究するコーナー「サバゲーマーラボラトリー」。今回ピックアップするサバゲーマーは、Miyamori K Yuruki。


 ミリタリーアイテムの製作と海外買い付け、輸入代行を手掛ける法人のMMM.(モダンミリタリーマインド)を自身で運営しながら、老舗サープラスショップであるファントム通販部のバイヤーと広報を務めている。
 実銃射撃の経験も豊富で、ミリタリーマニア指数はかなり高めな「サブカルこじらせお兄サム」を自称するMiyamoriさん。実は、国内海外で活躍する現役のモデルでもあり、TVCMや広告で見かけたことがある方も多いのではと思う。


 今回は多才かつ個性的な彼の装備を研究し、その魅力をお伝えしていこう。

 

SURVIVAL GAMER:Miyamori K Yuruki

 

 

 

CONCEPT:USAF SECURITY FORCE

 

 

 今回のスタイリングイメージは、ABU迷彩が採用されていた2010年代のアメリカ空軍基地警備隊USAF SECURITY FORCE(SF)である。


 「もともとセキュリティーポリスという名前で基地警備をしていたユニットが1995年あたりからセキュリティーフォースとして再編成された経緯があります。装備の移り変わりの過程で、新旧の装備が混在して配備されていたり、ABUに移行したかと思えば陸軍のACUから足りない装備を共有していました。それが2020年前後になってからは、マルチカム(OCP)に足並みをそろえてしまったのです。さらにアーマーのポーチのレイアウトにもあまり規則性がなく、緩い警備の時はチェストリグだけという写真も多く、集めている側は、大変苦労します(笑)」


 SFの任務は、地上警備隊として世界中のアメリカ空軍の基地施設や拠点などの警備と防護、それらの基地での法執行、戦闘兵器、軍用作業犬(MWD)の取り扱いを担当している。世界中の空軍基地の人々、財産、資源を保護するには、適切な装備を持つ必要があるため、基地で武器を運ぶことを認定された唯一の空軍兵である。東京にある横田空軍基地の友好祭で迷彩服に身を包みライフルを手にF22ラプターやオスプレイを警備しているのが彼らだ。「20代後半の頃からコツコツ集めていた完コスのひとつ」とMiyamori氏が語るように、長い時間をかけて作り出されたこだわりのスタイリングである。

 

 


 

GUN&EQUIPMENT

 

 

 

 「今回は数々のミリフォトや実際に横田基地で見かけた兵隊の構成をすべて取り込み、実物のポーチやベストで仕上げています。
 ただ、それだけだと、近年のトレンドに合わないので少し今っぽさも取り入れて、感度の高いSF兵隊のABU装備という感じにしています。たまにこのコスプレでイベントの物販などに出店するのですが、ABU迷彩がテキスタイルとしてもかっこいいので、いまだに古臭さがあまり感じられないミリコスで気に入っています」


 筆者が過去に取材した横田空軍基地の友好祭で見たSFも基地警備のためかアーマーを着用していた。現行のマルチカム(OCP)更新後だったが、写真のようにマガジンポーチや止血帯ポーチなどのポーチ類を装着していた。
 本スタイリングで特徴的なのは、法執行機関のように胸部に装着された夜間や暗所での視野を確保するためのライトとなるサイドワインダーとニトリルグローブを収納したケースを装着していることだ。Valley Operational Wear製のABUプレートキャリアを着用しているが、Diamondback製もあるらしい。正規納品らしくメーカーが複数にわたっているようだ。チェストリグは、低脅威地域などで活用されることが多いが、装着しているアイテムはアーマーとほぼ変わらない。グレーのフリースは外気温に合せてアウターかインナーとして活用できる汎用性の高い防寒着だ。

 

●アーマー&チェストリグ

ヘッドギア:SFフラッシュのついたベレー
ウェア:エアマンバトルユニォーム(ABU)
ブーツ:ベルビル グランドクルーブーツKHAKI & コンバースタクティカルブーツF/G
フリース:GENⅢ ECWCS FLEECE JACKET
アーマー:Valley Operational Wear製ABUプレートキャリア
チェストリグ:GCS製 Warrior Chest Rig Tactical Vest
ベルトキット:サファリランド6004、M9用レッグホルスターF/G

 

「腕章(ブラサード)は2003年の放出品です。2006年あたりにWOODLAND迷彩とこの腕章が組み合わせて使われているのがミリフォトで確認されているのですが、2007年あたりからABUに移行したタイミングで『SP腕章』ではなく『SF腕章』と組み合わせるのが正しいようです。ただ実際には装備の過渡期に腕章の配備にムラがあったようで、旧装備が現場で使われることもあったであろうと予測し、あえて『SP』腕章にしています。このエアフォースブルーの腕章は見た目にも上品さがあるといいますか、お気に入りのポイントですね」(Miyamoriさん)

 

「時代的にはマッチしないのですが色とデザインで個人的に気に入っているVIKTOSの難燃グローブを組み合わせています」(Miyamoriさん)

 

SFの無線はMOTOROLA XTS3000Ⅱが現場で使われているが、ライセンスカードが必要なモデルである。そこで普段は、ハンドマイクを装着した免許不用の小型特殊無線をサバイバルゲームでは使っているそうだ

 

Muscle Man-X Hand Metal Detectorは、範囲2mの精度を持ち片手で使える金属探知機で、駆動方式は充電式や9V仕様がある。海外ではホテルやセキュリティチェックが必要な場所で広く活用されており、官公庁施設でも使用されている。SFも使用しているので基地祭に参加した読者ならば、入場ゲートのセキュリティチェックで服の上から調べられた経験があるだろう

 


 

GUNS

 

「ベレッタM9は、個人的にGLOCK系コレクターなこともあり、ここは力まず東京マルイのエアコッキング式のM92Fです。本当に見た目が良くできているので、コスパいいですよね。空軍のオフィシャル納品モデルは当時バーコードとナンバーで管理されており、グリップ背面にバーコードが貼り付けてあるのが特徴で、そこもなんとなく再現しております。最近の管理はQRコードに移行しています」。
東京マルイのエアコッキングガンは、軽量で種類も豊富なことから、広いジャンルの装備系プレイヤーのサイドアームとして使われている。納品モデルを再現するためグリップにバーコードを張り付けているが、このようなカスタムひとつで見栄えが変わるので参考にしたい

 

 「SFをやる時、ライフルは東京マルイのSOPMOD M4にPEQ2とAIMPOINTを装着してそれらしい見た目にしています。官給品のGPSグリップポッドはわりとマガジン寄りに取り付けられていることが多く、そのあたりもミリフォトから再現しました」


 スタイリングにこだわりを持ち、ゲーム用にM4やAKを数挺所有し、BLACK RAIN ORDNANCE、JP RIFLE 、SLR RIFLE WORKSなどのコンプリートガンもコレクションとして所有するゲーマーでガンマニアでもある。

 

●ライフル
・東京マルイ SOPMOD M4
・PEQ-2
・GPSグリップポット


●ハンドガン

・東京マルイ エアコッキングガンM92F

 

管理のためにアメリカ軍の銃器に識別のバーコードやQRコードが貼られており、アメリカ軍公式写真や基地祭の展示で確認することができる

 

「レッグホルスターは黒が主に使われるのですが、フォリッジグリーンのものもあり、ブラックホークのコヨーテタンのレッグドロッププラットフォーム&ホルスターも一部使われています。ABUのコンバットシャツになるとレッグではなくウエストベルトにそのままホルスターが付く仕様もあり、全部買いました(笑)。その中でこのサファリランドのフォリッジのレッグホルスターはSFの装備の珍品で気に入っているモデルです」。
本モデルは型番6005というレッグホルスターで、ベルトに固定するループにバックルが追加されて、未装着時に分離して携帯が可能となった同社の名作6004レッグホルスターの発展型だ

 

DRESS UNIFORM

 

 

 「USAF BLUE DRESS UNIFORMは若い時に買ったものに、記章類やリボンバーを集めコツコツと組み上げたものになります。リボンバーは放出品を寄せ集めたもので、ベトナムに由来するリボンのようなのですがここは雰囲気で(笑)。ギャリソンキャップを被りたいので、バッジはUSAFファイヤデパートメントのものにしてあります。USAF SFのバッジにするとこちらの制服着用時もベレーを被る仕様になってしまうようなので…」。

 

 お持ちのアメリカ空軍の制服でスタイリングも行なっていただいた。リボンバーはベトナムに由来するリボンで、雰囲気を出すために装着。ドレスシューズは、アメリカ軍ではベイツ製などがあるが、Miyamoriさんは、ご自身が好きな先端が広く長時間歩いても疲れない稀有な革靴であるドイツ軍実物ドレスシューズを履いている。雰囲気づくりにアレンジを加えたり、入手困難品の代替えやサイズの合うものを使うことは、スタイリングをよりカッコよく見せるコツと言える。

 

Miyamoriさんは、ワッペンやステッカーを多く所有している。写真のABUとACU系のパッチをまとめたバインダーのARMYネームパッチや記章は、ショップ店員でもあるのでACU陸軍スタイリングでイベント店頭などに立つときに使うそうだ

 

映画「Independence Day」のエリア51に入るシーンでSF担当官のユニフォームの胸元に付いていた許可証を、映像をコマ送りにして確認して再現したそうだ。「昔の映画はいい参考資料になりますね」というが、好きなスタイリングをいろいろな資料から集めて作りあげる方法は、どのジャンルにも通用するテクニックだと思う

 


 

 

 Miyamoriさんは各種イベントにも出店しているので、SECURITY FORCEに興味を持った読者は、会場で見かけたら是非本誌を見たことを伝えて話しかけてほしい。今回スタイリングに使ったアイテムも購入できるものがあるそうなので、販売サイトをチェックしてみてほしい。

 

 今後も多くのユーザースタイリングをご紹介していくのでお楽しみに!

 

 

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この記事は月刊アームズマガジン2025年8月号に掲載されたものです。

 

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