実銃

2024/09/03

【実銃実射動画】SIG SAUER P365 カリフォルニアコンプライアント & P226 プロカットスライド【Gun Professionals 2024年10月号】

 

SIG SAUER P365 カリフォルニアコンプライアント

 

 

 今から半世紀程度前の1970年代、コンパクトなセミオートハンドガンといえば、ワルサーPPK/Sを筆頭にヘッケラー&コッホHK4、マウザーHScといったモデルが主流だった。これらはどれもDA/SA、いわゆるトラディショナルダブルアクションモデルだ。
 一方、リボルバーに目を向けるとS&WのJフレームやコルトのDフレームのスナブノーズリボルバーがあり、これらは、かなりコンパクトで携帯しやすく(当時はコンシールドキャリーなんて言葉は知らなかった)作られていた。いずれも.38スペシャルを装填できるフルサイズのデューティガンの縮小版であり、機能的にもパワーにおいても心強い存在だっただろう。
 それと比べるとオートは、9mmパラベラム仕様ではなく、.380ACPのストレートブローバックとなっており、携帯しやすさと引き換えに、ちょっと妥協したモデルばかりではあった。
 これじゃアカン!と思った人達が始めたのが、9mmや.45口径のセミオートハンドガンのコンパクト化だ。スライド&バレル、そしてグリップフレームをカットして可能な限り小さくしようとしたのだ。その走りが1911を切り詰めたデトニクスであり、S&Wモデル39、59を切り詰めたASPやデベルだ。
 それらに対する評価が高かったことから、コルトやS&Wはそれらのエッセンスを取り込んだ製品を自社商品としてカタログモデルに追加、それらはやがてサブコンパクトというカテゴリーに発展する。
 “基本となるベースモデルを切り詰めただけのコンパクト”、そんなコンシールドキャリーモデルが幅を聞かす時代が長く続いた。確かにコンパクトではあるが、厚さはフルサイズのままで服の下に隠して携帯するにはやや都合が悪い。
 この問題の解消に最初に挑戦したメーカーはたぶんルガーだったと思う。2011年、Lightweight Compact 9mmピストル、LC9を発表した。9×19mmピストルで厚さはわずか23mm、マガジンキャパシティはフラッシュフィットマガジン(グリップフレームの下端から飛び出さず、概ね面一になるマガジン)で7発と少なくなっているが、この薄さは驚異的だった。
 翌2012年、S&Wは既存のM&Pを薄くデザインし直したM&P 9シールドを発表し、こちらも大いに注目を集めた。おそらくこれが9×19mm薄型コンシールドキャリーピストル時代の始まりだっただろう。
 グロックがG43を発表したのが3年後の2015年だ。マガジンは6発とリボルバー並みだが、スライド厚22mm、グリップの一番厚い部分でも27mmとなっている。既存のサブコンパクトG26はスライド厚25.5mm、グリップの一番厚い部分が33mmだったので、G43は6mmも薄い。
 このカテゴリーに対するSIG SAUERの回答がP365だった。SIGはこのピストルの開発に際して、まずマガジンから着手、ナローネックダブルスタックマガジンを開発している。その結果、マガジンキャパシティは9×19mmのフラッシュフィットで10発と2桁に持って行った。
 2018年1月にSIG SAUERから発表されたP365は、既存のP320の小型版ではない、新規に設計された真のコンシールドキャリーモデルだといえる。他社は薄型化とトレードオフでマガジンキャパシティを犠牲にしたが、SIG SAUERはその部分も妥協しなかった。エクステンデッドマガジンを使えば12発+1のファイアパワーを持っている。
それから6年半が経過した。P365は数々のバリエーションを展開、サブコンパクトのカテゴリーを超え、グリップやバレル、スライドを拡張してフルサイズのカテゴリーに近い製品も生み出した。そして現在、アメリカ市場で最も売れているハンドガンとなっている。
 Gun Professionals 10月号ではそんなP365のカリフォルニアコンプライアントモデルをレポート、またその実射動画もお見せしている。

 

 

SIG SAUER P226 プロカットスライド

 

 実射といえば、9月号でご紹介のP226 SAO(シングルアクションオンリー)にカスタムスライドを載せたP226プロカットスライドのレポートも10月号で掲載、その実射動画もあるので、こちらもご覧頂きたい。

 

 

TEXT:Gun Professionals編集部

 

 

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