今さら聞けない⁉ M4ドレスアップの基礎知識
カスタムパーツを用意してもカスタムパーツの装着方法や装着位置がわからないとカスタムガンが作れない。ここではM-LOKハンドガードを標準装備したSBRサイズのバレル長を持つPTSのZEV CORE ELITE SBR電動ガンをベースに、外装パーツの装着方法やドレスアップポイントを解説。さらにカスタムパーツを用いたドレスアップサンプルを紹介する。
▲PTS ZEV CORE ELITE SBR電動ガン(¥オープン)
■フラッシュハイダー/サイレンサー/トレーサーを装着する
フラッシュハイダーやサイレンサー、トレーサーの装着で気をつけたいことがマズルのネジの種類だ。一般的な電動ガンのマズルの直径は14mm、ネジを締め付ける方向は正面から見て左回し(=逆ネジ)が多い。通常のネジの締め付ける方向(右回し=正ネジ)とは逆なので、着脱の際やカスタムパーツを選ぶ際に注意したい。
フラッシュハイダーには下面に位置決め用のイモネジが付属しているもの(写真右)と付属していないものがある。イモネジがないものはシムやOリングで微調整する必要がある
フラッシュハイダーを外す際、位置決め用のイモネジがある場合はイモネジを先に緩めること
M4カービンのエアガンの多くが「逆ネジ」のマズルを採用しているので、外す場合は正面に向かって右方向にフラッシュハイダーを回す
フラッシュハイダーを外したところ。フラッシュハイダーとバレルの間にはクラッシュワッシャーと位置決め/緩み止め用スプリングが挟まっている
エアガン用としてもっとも一般的な「14mm径の逆ネジ」仕様のマズル。もし逆ネジか正ネジ(右方向に回して締める)かわからない場合は、実際にフラッシュハイダーを回して確かめる
フラッシュハイダーとバレルの間にはクラッシュワッシャーのほかに、位置決め/緩み止め用にスプリングやシム、Oリングが必要になる。特にエアガンの場合はOリングが使いやすい
アクセサリーを装着する場合は緩める時とは逆方向なので正面に向かって右方向にアクセサリーを回す
ジーフォースの小型トレーサー「BB FLASH TRACER」を装着したところ。固定されているが、トレーサーのネジ部分が短いためマズルとトレーサーの間に隙間が空いてしまっている。気になる場合はOリングやクラッシュワッシャーを重ねて対処する
フラッシュハイダーによっては装着時の向きが分かりにくいものがある。その場合は位置決め/緩み止め用のイモネジが下にくるか、大きなスリットがある場合、スリットが左右に向くようにする
■フォアグリップやハンドストップを装着する
銃をしっかりホールドするために欠かせないカスタムパーツがフォアグリップだ。かつてはグリップを握り込むスタイルが一般的だったが、近年は握り込まずに、指をフォアグリップ前側に当てるようにする「サムブレイク」スタイルが主流になっている。そのため、短いスタビ(ショート)タイプやアングルドタイプが多い。ハンドストップは短いハンドガードの場合はマズル方向に指が出ないようにするため、長いハンドガードの場合はホールドする時のインデックスポイント(指標)として使える。
スタビタイプのPTSのEPM-Fはハンドガードの中央かややマズル寄りに装着して、グリップ前面に手を当てるようにしてハンドガードを握る。直接握ることもできる
PTSのEPFバッテリーは直接握るのに適した長さとなっている。このようなバーチカルタイプはハンドガードの中央かレシーバー寄りに装着する
BCMのKAGはいわゆるアングルドタイプのフォアグリップ。斜めになった部分に手を添えるようにしてハンドガードを握る。ハンドガードの中央かややマズル寄りに装着する
MAGPULのM-LOK AFGは元祖アングルドタイプの進化版。斜めになった部分を覆うようにハンドガードを握る。ハンドガードのマズル寄りに装着する
PTSのエンハンスドポリマーハンドストップは2通りの使い方ができる
まずはアングルドタイプとしての使い方。ハンドガード中央付近に装着して小指を当ててハンドガードを握る
次にハンドストップとしての使い方。ハンドガード先端に装着して手がハンドストップより前に行かないようにする(写真ではガスブロックに干渉したため先端ではなく1スロット分後ろに装着している)
装着位置によってはハンドストップのほかにインデックスポイントとしての活用もできる
■バイポッド/ウェポンライト/スリングマウントを装着する
現在主流となっているアクセサリーマウンティングシステムはMAGPULが開発したM-LOKだ。フォアグリップやハンドストップなどM-LOKに対応したアクセサリーであれば直接装着できる。装着する際、特に短めのハンドガードで気を付けたいのが、ガスブロックに干渉してアクセサリーが装着できない場合があることだ。しっかり装着されずに外れてしまったり、ガスブロックを傷付けてしまうことがある。この場合は干渉しない位置に装着しよう。
M-LOKに対応していないピカティニーレールだけに装着できるアクセサリーをM-LOKハンドガードに装着したい場合は、写真のようなアクセサリーレールを用意する
M-LOK側のネジがガスブロックに干渉することを気付かずにねじ込んでしまって、ガスブロックにネジ痕が付いてしまったところ
アクセサリーレールを介してMAGPULのバイポッドを装着したところ。バイポッドはハンドガードのマズル寄りに装着するようにする
ウェポンライトにはリモートスイッチ付き(写真左)とリモートスイッチなし(写真右)がある。スイッチの種類によって装着位置が異なる
リモートスイッチがないウェポンライトを装着する場合、ハンドガードを握る手(サポートハンド)が左手のときは、左手親指でスイッチが操作できるようにハンドガード左側もしくは上側に装着する
リモートスイッチ付きのウェポンライトを装着する場合、ハンドガードを握る手(サポートハンド)が左手のときは、ウェポンライトをハンドガードの右側に装着し、スイッチをハンドガード上側のレシーバー寄りに装着する
ハンドガード前部上側にダミーレーザーデバイスを装着する場合、ライトが干渉しないようにマウントベースや装着位置を変える
M-LOKハンドガードにスリングを装着するためのQDホールがない場合、QDスイベルに対応したスリングマウントを装着する。写真左はM-LOKに対応したBCMのスリングマウント、写真右がピカティニーレールに対応したMAGPULのスリングマウント
スリングマウントは利き手が右手(サポートハンドが左手)の場合、ハンドガード左側のレシーバー側もしくはマズル側のいずれかに装着する
■ストックを装着する
リトラクタブルストック仕様のM4カービンの場合、ストックが容易に交換できるのが魅力のひとつだ。バッファーチューブの直径はミルスペック仕様(1.148インチ)と民間仕様(1.168インチ)にわけられるが、ほとんどのバッファーチューブはミルスペック仕様と思っていい。ただし、個体差もあるので、フィッティングに関しては現物合わせになってしまうのが実情だ。
現在M4カービンに対応したストックが実物、レプリカを問わず数多く販売されている。どれもほぼ無加工で装着できるが、個体差があるためガタがあったりキツくて伸縮しにくいものもある。写真左上から時計回りに「C.A.T. MPSストック」、「PTS EPS」、「BCMガンファイターストックMOD 0 SOPMOD」、「MAGPUL MOE SL-Kストック」
東京マルイのタイプ別のバッファーチューブ(6ポジション)の比較。写真下からスタンダード電動ガン、次世代電動ガン(SOPMODタイプ)、ガスブロ。SOPMODタイプはエンド部分にバッテリー端子が設けられており、専用のストックが必要になる
CORE ELITEに標準装備されているPTSのEPS-Cはストックリリースレバー前部を下に強く引っ張ると着脱が可能になる。着脱にはやや慣れが必要だ
ストックを外す際はストックリリースレバーに指を挟まないように注意する
大型のバッテリーコンパートメントが設けられているPTSのEPSを装着したところ。ややサイズが大きいので薄く構えたりするのには適していない
MAGPULのMOE SL-Kストックを装着する場合はストックリリースレバーと連動しているストッパー下部の穴に六角レンチなどを通して、ストッパーを下に引っ張りながらバッファーチューブに挿入する
BCMのガンファイターストックMOD 0 SOPMODを装着する場合は、ストックリリースレバーを押し込んで側面にある穴に先の長い六角レンチなどを通して内部のロックを固定して、ストックリリースレバーとロックを一緒に下げながらバッファーチューブに挿入する
■M4カービン ドレスアップサンプル
ベースガン:PTS ZEV CORE ELITE SBR電動ガン
このカスタムガンはプリズムレンズを用いたコンパクトな倍率3倍のプリズムスコープを装着。CQBRサイズのボディを犠牲にすることなくワイドレンジ仕様にカスタマイズしている。ハンドガードに装着したアングルドフォアグリップとSOPMODタイプのストックは正確かつ安定した射撃を実現するために欠かせない。
フラッシュハイダーは独自のスリーブ効果により命中精度と飛距離が向上するBURST-HEAD「スマートハイダースリム」をチョイス
フロント/リアサイトはPTS「EP MBUS」をチョイス
プリズムスコープはノーベルアームズ「ABSOLUTE MPS3マイクロプリズムサイト」をチョイス。カンチレバータイプのマウントベースはフリップアップタイプのリアサイトに干渉しないようにデザインされている
ストックはチークパッド部分の断面がおにぎり型をしていることからしっかり頬付けできるBCM「ガンファイターストックMOD 0 SOPMOD」をチョイス
ベースガン:東京マルイパトリオットプラス
「PLUSシステム」を搭載した東京マルイのパトリオットプラスはコンパクトで軽量なボディにレールハンドガード、レール付きリアストックベースが標準装備されている。このモデルをベースにカスタムガンを2種類作ってみた。まず1挺目は特殊部隊仕様の消音アサルトライフルをイメージしたもの。サイレンサーと、ドットサイトにはノーベルアームズ「SURE HIT ARP2」、フォアグリップはPTSの「EPF2-S」、マガジンはPTSの「EPM」を装着、さらにリアストックベースにはリトラクタブルストックを装着した。
サイレンサーは軽量で高い消音効果を発揮するKM企画「ライトウエイト200サイレンサー」をチョイス
ライラクスの「レイルストックベース」に同社の「ライトウエイト12ポジションM4ストックパイプ」を組み合わせてリアストックベースに装着
ストックはMAGPUL「MOE SL-K」ストックをチョイス
ベースガン:東京マルイパトリオットプラス
パトリオットプラスをベースにしたもうひとつのカスタムガンはインドア戦を意識してトレーサーとウェポンライトを装着。ストックを折り畳み式にすることで狭い場所でも取り回しやすくしている。ハンドガード下側に東京マルイ「ショートフォアグリップブラック」、ドットサイトはノーベルアームズ「COMBAT T1 EVO」を装着。
マズルにはフラッシュハイダー並みのサイズながらハイサイクルに対応したジーフォース「BBフラッシュトレーサー」を装着
ハンドガード左側前方のレールにはフォアグリップを握ったままスイッチ操作できるストリームライト「TLR RM1」を装着
リアストックベースにはライラクス「フォールディングレイルストックNEO」を装着。ストックの折り畳み方向は選択でき、左側に折れるように設定した
ベースガン:EMG/CYMA TTI TR-1 M4E1 10インチフルメタル電動ガンBK
EMG/CYMAのTTI TR-1 M4E1をベースにしたこのカスタムは、TTIのオーナーであり3ガンマッチのチャンピオンであるタラン・バトラーが3ガンマッチで使用しているカスタムガンをイメージしたもの。ショートスコープの上には近距離用のマイクロドットサイトを装着。全体的にシンプルなセットアップにしている。
ノーベルアームズの「AR-15ハイマウントハイ」に同社の「ABSOLUTE 1624 IR CQB(FDE)」を装着し、さらに「AR-15マウントプレート」を介して「SURE HIT MRS2」をマウントした
ストックはMAGPULの最新作「PRカービンストック」をチョイス。MOEストックの構えやすさを生かしつつストックをサポートハンドで支えやすいようにデザインされている
この記事は月刊アームズマガジン2024年7月号に掲載されたものです。
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