2024/07/13
スプリングフィールドのポリマーオートキャリーガンを撃つ「SPRINGFIELD ARMORY XD-S Mod.2 OSP」【後編】
SPRINGFIELD ARMORY
XD-S Mod.2 OSP
シングルスタックでスリム、そして余分なでっぱりを極力排したスムースなボディ、さらにダットサイトもセットという究極の9mmキャリーガンを手に入れた。それがXD-S Mod.2 OSPだ。載っているダットサイトはクリムゾントレースの安価なものだが、実に狙いやすい。時代はどんどん進んでいる。
XD-S実射編
では撃とう。
弾はフィオッキのFMJ(115gr)を用意。マガジンは一番フィット感のある9連で行く。バネ圧が強く、弾込めは結構力任せだ。大事を取り、チェンバー1発プラスのフル装填は避けて撃つことにする。
自宅でダットサイトの調整を或る程度やった。アイアンサイトに載せる塩梅でだ。
しかし、いざレンジで撃ってみると、当然ながらずれている。調整ネジを回し、必死でサイトインするも慣れなくて手こずる。無論その間、撃ち心地だけはしっかり味わう。弾不足が続く昨今、一発も無駄にはできない。
軽くて小さめの銃ながら、リコイルは不思議ときつくない。感触もアングルもグッドなグリップが補完して余りある感じ。手が小さい自分には、この薄さは本当に助かる。
トリガーの切れはボチボチと言ったところか。レットオフの直前に押しつぶすような感触がちょっと来る。おかげでガク引きっぽく弾痕が下方向へ飛び、余計にサイトインしにくいという始末。コレばっかりは慣れが必要だろう。個人的にはグロックの感触のほうが好きかも。
2マガジンを消費したところで、ようやくダットサイトが合ってきた。赤点は十分明るくサイズも程よく、レンズもそこそこ広くて視野性に問題はない。射撃時のスライドの動きで目が疲れたりしないかと勘繰ったが、それも取り越し苦労。当てたい場所へ赤点を載せれば当たるんだから、こんな便利な物はない。レーザーと違って、敵に見つかる心配もないしね(笑)。
加えて、極力低位置にセットされているから、電池切れ或いは破損の場合もオープンサイトがしっかり使えて有難い。もう良いことづくめ。ただ、自分は多少乱視が入っているせいか、ローライトの状況だとダットが微妙に砕けて放射して見える。それほどひどいわけではないけどね。
肝心の銃の調子も抜群だ。この分だと、ブレークインの必要はなさそう。途中、アンビのマグキャッチの干渉具合なども気に掛けながら撃った。気持ち、出っ張り過ぎているように感じていたからだか、結局それも支障はなし。
計50発を撃ち切ったところで、筆おろし実射はジャムなく終了。上等です。
それにしても、ダットサイトは狙いやすいね。昔に比べりゃコンパクトになったし、耐久性も上がっているのだろう。単体のお値段もお求めやすく下がってる。きっと将来は、レンズ抜きで赤点が宙に浮き上がるみたいな技術革新が進むかもしれない。そういえば、リバイバル版の『ナッシュ・ブリッジス』でも、主役のドン・ジョンソンがダットサイト付きのWITNESSを撃ってたなあ。時代はどんどん、先へと進んでいます。
スプリングフィールド社は今、既存モデルの大幅な整理を行っているようだ。ウェブサイトに製造中止モデルのリストがずらっと並んでいる。バリエーションの縮小だけでなく、モデル自体の消滅もあり、なんと小型ポリマーオートの911が消えている。アレって、発売からまだ数年だろう。XD系はハンマータイプのXD-Eが消え、XD-S Mod.2までカタログ落ちだと。多分OSPモデルへ絞り込むつもりと推察するが、なかなかバッサリの決断だ。
コロナの影響が大きいのかもしれない。いや、コロナのバカ売れがひと段落付いた感じか。個人的に911は狙っていただけに、ややビックリ。妙なプレミアが付かないうちに押さえたほうが無難かな。
明日から早速、ショップ巡りを開始するとします。
スプリングフィールド究極のコスパ9mmキャリーガン「SPRINGFIELD ARMORY XD-S Mod.2 OSP」【前編】
XDからコンパクトになっただけではないXD-S Mod.2 その進化とは?「SPRINGFIELD ARMORY XD-S Mod.2 OSP」【中編】
Photo&Text:Gun Professionals サウスカロライナ支局
この記事は月刊ガンプロフェッショナルズ2022年6月号に掲載されたものです
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