2024/05/24
【実銃】究極のコンシールドキャリーガンと注目のDuty Gunを実射!「STACCATO C2 & P」【後編】
STACCATO
C2 & P
Ultimate CCW & Duty Gun
2019年、9mmルガー口径に特化した2011は、かつてのマッチガンからLE向けモデルとして大変身を果たした。スタカートはU.S.マーシャルのSOGチームやLAPDのメトロディビジョンといったエリートチームに採用されただけでなく、全米280以上のLEエージェンシーで認定を受けるに至っている。
今回は“究極のコンシールドキャリーガン”とも呼ばれる3.9インチバレルのC2モデルと、デューティガンとして注目されるPモデルを掘り下げてみたい。
実射
今回の実射テストでは、スタカートの素晴らしい工作精度に敬意を表して、25ヤードからの精度テストと、両モデルの撃ち比べを行なった。精度テストでは、フェデラル社の147gr HSTとSpeer 147gr G2、そしてS&B社の115gr FMJの3種を25ヤードからレストを使って5発撃ち、うち4発のグループを計測した。
C2、PともにベストグループはフェデラルHSTで、C2が約32mm、Pが約30mmというさすがのグルーピングを叩き出した。
以後は2人で習熟射撃として、FBIのピストル クオリフィケーションコースを撃ってみた。
●1:3ヤードから、ドロウしてストロングハンドオンリー3発、3秒以内で2回撃つ。
●2:同じく3ヤードから、ドロウしてストロングハンドオンリー3発、持ち替えてサポートハンドオンリーで3発を8秒以内。
●3:5ヤードから、ドロウして両手保持3発を3秒以内。4回繰り返す。
●4:7ヤードから、ドロウして両手保持4発を4秒以内。2回繰り返す。
●5:7ヤードから、ドロウして両手保持4発を撃ち、エマージェンシーリロードの後、4発を8秒以内で撃つ。
●6:15ヤードから、ドロウして3発を6秒以内。2回繰り返す。
●7:15ヤードから、ドロウして4発を8秒以内で撃つ。
●8:25ヤードから、ドロウしてバリケードの陰からスタンディングで2発、ニーリングで3発、15秒以内で撃つ。これを2回繰り返す。
これら60発をQIT-99ターゲット(ボトルターゲットと呼ばれるシルエットターゲット)の、ボトル内に入れる必要がある。クオリファイするためには60発の内48発(80%)をヒットさせる必要がある。15秒あるとはいえ、アイアンサイトで25ヤードスタンディング+ニーリングというのは結構きつい。
私はここで2発をボトルの外に外してしまった。せっかくなので、同じコースをグロックG19でも撃ってみた。こちらはダットサイトの電源を切り、コウィットネスのオープンサイトで撃ってみる。結果は6発外しだった。やはり25ヤードで、グロックのストックトリガープルは少々厳しいものがある。特にバックアップサイトはリアサイトのノッチ幅が広いので厳しいのだ。
それにしても3.5ポンド(1.59kg)近辺のシングルアクショントリガープルは撃ち易い。まるで自分が上手くなったような錯覚さえしてしまう。まあ実際にグロックと比較すると、結果的には上手くなっているともいえる。
フロントサイトのファイバーオプティックも見やすいし、短く軽いトリガープルのおかげで連射のグルーピングも明らかに小さくまとめることができる。C2の方は、Pよりも軽くバレルも短いので、明らかにフェルトリコイルはキツイ。連射は心持ちスローダウンしないとグループが散りそうだが、コンシールドキャリーすることを考えると、小さく軽いC2に軍配が上がる。
今回の2挺のオーナーであるジェイソン(身長190cm)に言わせると、
「撃ち心地は大して変わらないから、キャリーするならC2の方がいいかも。Pはデューティガンとして魅力はあるが、アジャスタブルサイトはいただけない。可動部分があるということはそれだけ壊れる可能性も出てきてしまうということだからね。デューティガンなら、デューティアモで一度アジャストしてしまえば、それ以降動かすことはないからね。フィクストサイトの方がいい」
ごもっともな意見だ。個人的にはC2のDUO(Dawson Universal Optic System)モデルが欲しくなってしまった。あの少々大きめのリアサイトは興醒めだが、私の老眼を考えると、やはりRDS(レッドドットサイト)は欲しい。
良いとこだらけのようなC2だが、個人的にはいくつか不満もある。私も手は小さい方ではないが、このストックグリップはせめて表面のテクスチャーを削り落としてステップリングを入れたいところだ。少しでもグリップを小さくしたいのと、このテクスチャーは沢山撃つと手のひらが痛くなってくるのだ。
あと2011の弱点として、グリップを持ち替えないとスライドリリースが操作できない点、エクステンデットスライドリリースはかえって危険なので必要ないが、もう少し左手でも操作しやすくするなどの工夫がほしいところだ。
結論として、C2は何とかして手に入れたい2011の筆頭となった。その後C2 DUOをハンドルする機会があったが、DUOシステムはサイトの位置や大きさがいまいちしっくりこないので、C2のスライドをガンスミスに削ってもらい、Holosun HE509Tを出来るだけ低く後ろにセットし、小振りのリアサイトをその前(エジェクションポートのすぐ後ろ)に載せたいと考えている。
C2なら2千ドルだ。う~ん、グロック4挺分ということになるのだなあ。嗚呼。
TEXT&PHOTO:Hiro Soga
この記事は月刊ガンプロフェッショナルズ2021年6月号に掲載されたものです
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