エアガン

2024/05/05

ヘッケラー&コック 新旧銃器電動ガン対決 ~アサルトライフル編~

 

S&T G36Kミリタリー IDZスポーツライン電動ガン
vs
LCTエアソフト LK-53A3

 

 サブマシンガン編で紹介したUMP9とMP5A4に比べて違いがはっきりわかるのがG36シリーズとG3/HK33シリーズである。全体のフォルムや発射方式だけではなく操作性も異なっている。ここではG36のカービンモデルであるG36Kと、G36と同じ5.56mm×45弾を使うHK33のマイクロカービンモデル、HK53A3との比較を通して両銃の特徴を解説する。

 

S&T
G36Kミリタリー IDZスポーツライン電動ガン

 

S&T G36Kミリタリー IDZスポーツライン電動ガン

 

DATA

  • 全長:795mm/860mm(ストック伸長・展開時)
  • 重量:2,670g
  • 装弾数:470発
  • 価格:¥24,200
  • お問い合わせ先:UFC wholesale@ufc-web.com

 

S&T G36Kミリタリー IDZスポーツライン電動ガン

 

 1997年にドイツ軍に制式採用されたG36は従来のG3/HK33シリーズから一変、一般的なガスオペレーテッド式の作動方式に強化樹脂製レシーバー、フォールディングストックを採用したアサルトライフルである。S&TはG36のバリエーションの中からカービンモデルに相当するG36Kをスポーツラインモデルとして再現。最新型のIDZストック、フラットなトップレール、ハンドガードにはアクセサリーレールが標準装備されている。

 

LCTエアソフト
LK-53A3

 

LCTエアソフト LK-53A3

 

DATA

  • 全長:563mm/755mm(ストック伸長時)
  • 重量:3,800g
  • 装弾数:100発
  • 価格:オープン
  • お問い合わせ先:LCTエアソフト

 

LCTエアソフト LK-53A3

 

 G3シリーズの5.56mm×45弾仕様であるHK33。MP5と同様のローラーディレイド式の作動方式、スチールプレス製レシーバーを採用している。基本的な操作方法もMP5と共通化が図られている。LCTエアソフトのこのモデルはHK33のバリエーションのひとつであるマイクロカービンモデルHK53のリトラクタブルストック仕様を再現したもの。実銃同様のスチールプレス製レシーバーにアーリータイプのロアレシーバーが組み合わされている。

 

 

■オーバービュー

 

S&T G36Kミリタリー IDZスポーツライン電動ガン vs LCTエアソフト LK-53A3
比較画像は左がG36K、右がHK53(以下同じ)

 

 ヘッケラー&コックは1990年代に入り、G36を筆頭に強化樹脂を多用するなど先進性を持たせつつ作動方式については従来の独自性を捨ててコンベンショナルな方式へと切り替えた。

 

■フラッシュハイダー/マズル周り

 

S&T G36Kミリタリー IDZスポーツライン電動ガン vs LCTエアソフト LK-53A3
左:G36K、右:HK53

 

 G36は横長のスリットが入った4プロングタイプ、HK53はバードケージタイプのフラッシュハイダーが装着されている。HK53にはスリングフックが左側に備わっている。

 

■フロントサイト

 

S&T G36Kミリタリー IDZスポーツライン電動ガン vs LCTエアソフト LK-53A3
左:G36K、右:HK53

 

 G36はトップレールに設けられた光学機器の搭載を前提にしたミニマムなフリップアップタイプ。HK53はMP5やG3と同様のラウンドタイプのガードがついている。

 

■リアサイト

 

S&T G36Kミリタリー IDZスポーツライン電動ガン vs LCTエアソフト LK-53A3
左:G36K、右:HK53

 

 G36はフロントサイトと同様のフリップアップタイプで調整できない。HK53はH&Kの伝統といえるドラム式。射距離に応じてドラムを回転させ、工具を使って左右の調整ができる。

 

■ハンドガード

 

S&T G36Kミリタリー IDZスポーツライン電動ガン vs LCTエアソフト LK-53A3
左:G36K、右:HK53

 

 ハンドガードはどちらも強化樹脂製だが、G36はピカティニースペック仕様のアクセサリーレールが左右下に装着可能。写真のようにフォアグリップなどが装着できる。

 

■コッキングハンドル

 

S&T G36Kミリタリー IDZスポーツライン電動ガン vs LCTエアソフト LK-53A3
左:G36K、右:HK53

 

 コッキングハンドルはG36がレシーバー上面に設けられており、ハンドル先端が左右に可動するアンビタイプに対してHK53はMP5やG3と同じくボディ左側に設けられている。

 

■レシーバー/マガジンキャッチ

 

S&T G36Kミリタリー IDZスポーツライン電動ガン vs LCTエアソフト LK-53A3
左:G36K、右:HK53

 

 両銃ともにセンターレバー式を採用。センターレバー式は素早い交換には向かないものの左右どちらからでも操作できるメリットがある。ちなみにG36はハウジング部分が着脱できる。

 

■セレクターレバー

 

S&T G36Kミリタリー IDZスポーツライン電動ガン vs LCTエアソフト LK-53A3
左:G36K、右:HK53

 

 設計された時代を感じるのがセレクターレバーだ。G36は操作角度が小さいので肩付けしたままでも切り替えできるが、HK53は銃を下ろさないとフルのポジションまで切り替えられない。

 

■エジェクションポート

 

S&T G36Kミリタリー IDZスポーツライン電動ガン vs LCTエアソフト LK-53A3
左:G36K、右:HK53

 

 両銃ともエジェクションポートにダストカバーは備わっていない。G36のエジェクションポート後方にあるフック状のパーツはケースディフレクターと折り畳んだストックの固定を兼用している。

 

■レシーバートップ

 

S&T G36Kミリタリー IDZスポーツライン電動ガン vs LCTエアソフト LK-53A3
左:G36K、右:HK53

 

 G36Kは光学機器の搭載を前提にしたフラットトップレールが備わっている。HK53は専用のスコープマウントベースが装着できる突起がレシーバー左右に設けられている。

 

■グリップ

 

S&T G36Kミリタリー IDZスポーツライン電動ガン vs LCTエアソフト LK-53A3
左:G36K、右:HK53

 

 G36のグリップはストレート形状。LCTエアソフトのLK-53A3ではエルゴノミクスデザインのアーリータイプだが、実銃にはG36のようなレイトタイプも用意されている。

 

■ストック

 

S&T G36Kミリタリー IDZスポーツライン電動ガン vs LCTエアソフト LK-53A3
左:G36K、右:HK53

 

 G36Kにはミリタリー仕様のIDZタイプ・マルチフォールディングストック、HK53A3には伸縮機能のみのリトラクタブルストックが装着されている。

 

■マガジン

 

S&T G36Kミリタリー IDZスポーツライン電動ガン vs LCTエアソフト LK-53A3
左:G36K、右:HK53

 

 G36は両側面にマガジンが連結できる機能が付属しているスケルトンタイプの強化樹脂製。HK53はオーソドックスなスチールプレス製。装弾数はどちらも30発。

 


 

※記事中の価格表記は掲載時点でのものであり、特に記載のない限り税込みです。また、物価や製造コストの上昇、為替レートの変動により記事中に記載の仕様、価格は予告なく変更される場合があります。あらかじめご了承ください。

 

TEXT:毛野ブースカ/アームズマガジンウェブ編集部

 

この記事は月刊アームズマガジン2024年5月号に掲載されたものです。

 

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