エンタメ

2024/04/26

Netflix映画『シティーハンター』冴羽獠役 鈴木亮平 ガンアクション座談会 前編

 

テーマは“ガンアクション”

冴羽獠役の鈴木亮平と

関係者による濃厚トークセッション

 

 

  伝説のコミックが日本初の実写化となり、いよいよ配信がスタートしたNetflix映画『シティーハンター』。主人公・冴羽獠を演じるのが、原作をこよなく愛し、いま映画界で燦然と輝いている俳優・鈴木亮平だ。とりわけ「ガンアクション」は見どころのひとつで、彼を中心に国内の第一人者たちが集まり、並々ならぬ情熱が注がれているという。このたび、そんな彼らによる濃厚なトークセッションが実現した。
 この前編では主人公の愛銃・パイソンをはじめ、本作のガンアクション&エフェクトの裏側が語られているので、お楽しみいただきたい。

 

 

 


 

鈴木亮平

俳優。Netflix映画『シティーハンター』主人公・冴羽獠役

 

納富貴久男

「BIG SHOT」代表。日本の映像作品に登場するプロップガンの製作およびガンエフェクトにおいて、第一人者として知られる

 

武藤竜馬

元陸上自衛官のタクティカルインストラクター/ガンアクションアドバイザー。ガンアクションの演技指導担当。X(@scarprecision)

 

タナカ広報担当N

トイガンメーカー・タナカの社員。同社は主人公の愛銃であるパイソンなど、本作に登場する銃を多数提供している

 


 

タナカ「COLT PYTHON “RYO SAEBA” Model」

 

鈴木:これは(私物で)タナカさんのガスリボルバーのパイソンですが、スピードローダーでリロード(再装填)の練習をしようとしたところどうしても斜めに引っかかってしまうので、グリップの左上あたりをヤスリで削っています。初カスタムでした(笑)。撮影用のモデルガンではグリップが薄くなっていたのですが、改良されていたのですか?

 


N鈴木さんのパイソンのグリップですが、社外品のようですね。かなりいい木が使われているようです。

 

納富見せていただいた際、どこのグリップだろうとは思いました。実銃用でもないようですし、どこかサードパーティの製品なのでしょうね。


鈴木:さて、タナカさんは(公式コラボ製品の)冴羽獠モデル(「COLT PYTHON “RYO SAEBA” Model」)を発売されています。製品の開発に苦労されたことはありましたか?


N:実は最初に製品化のお話をいただいたとき、『シティーハンター』を知っている人が当社にほとんどいなかったのです。


鈴木:ええっ、そうだったんですか!?


N:僕は鈴木さんとだいたい同年代なのですが、当社は僕よりも年齢が下か上の層で分かれていて、『シティーハンター』を見ていたのは僕くらいだったので、「じゃあ、よろしくね」と開発を任されたのです。開発にあたってはマンガを読み返して原作に準拠した設定を練るということから始めました。そして、原作での冴羽獠の年齢が30歳ほどで、獠がアメリカにいた時期というのを逆算して「1969年製のパイソン」という設定を思いついて。1969年はちょうど獠がアメリカで前の相棒とスイーパーをやっていた頃で、僕がネタで考えた(フレーム内側にある)「E1919」というシリアルナンバー、これは1969年製造のパイソンには実際に存在する番号で、世界のどこかで誰かがまだ所持しているかもしれませんね。さらに、ただのパイソンではつまらないので、何かネタはないかと漫画でパイソンが出てくるシーンすべてに付箋を貼っていきました。その中に「闇のガンスミス」と呼ばれている真柴憲一郎が出てくる話があり、この人に銃をいじってもらうと化ける、という設定があって「あ、これだな」と。設定という意味で何か刻印などがあればと考え、再現いただけないでしょうか、と打診したところ原作者の北条司先生が「こんな感じで」と真柴のマーク(真柴憲一郎のイニシャル「MK」がモチーフ)を考えてくださったのです。


鈴木:北条先生が!? それは知りませんでした。


N:北条先生のイラストをCADでなぞってマークを再現しています。ほかにも何か面白いギミックはないかなと考えたときに見つけたのが、サプレッサーを付けて撃っているシーン。本誌読者の皆さんならリボルバーにサプレッサーを付けても効果がない(シリンダーギャップから発射音が漏れるため)のはご存知でしょうが、サプレッサーを付けてストックも装着して扱っている場面もあったりして面白いですし、エンタメ作品でそういう「嘘」はあってもいいと思っています。ちなみに、当社のパイソンにこのサプレッサーを装着すると、実際に減音効果があります。

 

鈴木:音が消えるのですか?


N:未装着時と装着時とでは発砲音が結構変わります。ガスガン用とモデルガン用で少しデザインは異なりますが、同じように作っています。ガスガン用だと高音域がややカットされた音になり、なかなか面白いですよ。ありがたいことに、この製品は好評をいただいております。


鈴木:もっと好評になるといいですね。

 

 


 

Netflix映画『シティーハンター』のガンアクション


鈴木:武藤さんは今回のNetflix映画『シティーハンター』のガンアクションでこだわったところなどはありますか? たとえば、他の作品とはちょっと違うようにしたところなど。


武藤:僕は元自衛官ということでアクションにリアリティを求められることが多いのですが、『シティーハンター』はエンターテインメント性の高い作品ですよね。そこでアクション監督の谷本(峰)さんと相談し、随所にリアルな“銃あるある”の描写を入れていくことを目指しました。BGMのリズムに合うアクションをしつつもインサートでセレクターを変えたり、サッとマガジンチェンジするシーンが入っていたりなどですね。

 

 

鈴木:嬉しかったのが、銃マニアの知り合いに作品を見せた際「MP5(劇中ではMP5Kを使用)のマガジンチェンジの時、コッキングしていないでしょ?」って言われて、「いや、してたよ」と返したら「本当?」となって。「じゃあ、スローで見てみよう」と一緒に見てみたら目にも留まらない速さで「コッキングしてる!」と(笑)。


N:いわゆる「HKスラップ(MP5やG3などのマガジンを装填し、引いて固定していたチャージングハンドルを叩いて初弾をチャンバーに送り込む動作)」でしょうか。


武藤:そこもこだわりましたね。「どんなに速くても、ちゃんと実銃操作の手順でできるようになりましょう」と、鈴木さんには練習していただきました。MP5のファンはやはりあのやり方にこだわる方が多いので。


納富:下手すると痛いですよね。ドットサイトも付いているから余計に戻しにくいし。


鈴木:めっちゃ痛いです! 何回も血出ましたよ。自分で買ったMP5は、結構ゆるかったのかパパパーンっていけたのですが、現場で使ったものは結構重くて「これは血が出るわ!」という思い出がありましたね。このハンドルの戻し方は、自分では「こう戻したい」という特殊な動きがあったのですが、結果「それでは(MP5の)良さを活かせない」ということで最終的に叩く方向に変えましたね。


武藤:ドットサイト(ノーベルアームズ製)の位置も調整していただきましたね。冴羽獠の実力ならドットサイトなしでも狙えるとは思いますが、現代が背景ならあった方がよいかと考えました。


鈴木:それでいうと「リアルと嘘の境目」ということは(アクションで)すごく意識しています。例えば、どうやったらリロードを速くできるのか、YouTubeなどの実射動画を見て研究しました。すごく速くリボルバーを撃つおじさん…。


武藤、納富、N:ジェリー・ミチュレック(Jerry Miculek:「リボルバーの神様」として知られるシューター)ですね。


鈴木:有名な方なんですね。シリンダーにストンってカートリッジを入れて“パパパパパーン”って。「こんなリアルがあるんだ」と思ってびっくりしました。リロードシーンといえば手元がアップになるアングルで映されがちですが、今回の『シティーハンター』では「顔アップのショットの中でリロードをしたい」という思いがありまして。顔の近くでリロードすると手首はすごい角度になるのですが、そこはこだわりたかったので練習しました。「顔の横でリロード」というシーンは、これまでの映画ではほとんど見られなかったのではないでしょうか。


武藤:もはや新たなテクニックと言えますよね。速かったですし。

 

鈴木:今回、ガンアクションの練習としてフィリピンで4日間実銃を撃つ訓練をしてきました。まずは銃の危険性と安全な扱い方を教わり、その後はひたすら連射して、リロードして…を繰り返しているとシリンダーがすごく熱くなって「これは一瞬しか触れない」と気づきました。それまでは、教わった胸の前あたりでリロードする方法を練習していたのですが、その方法ではどうしても長時間シリンダーに触れる必要がありました。獠は何発も連射することがあるので、あまりシリンダーに触れずに高速リロードする方法はないか、しかもできれば顔の近くで、と考えたのがあの方法です。ただ、(手を振って)反動でリロードしたシリンダーをガチャっと戻すあの動きは、本当はダメなんですよね?


納富:本来は良くないですね(銃の可動部に負荷がかかるため)。


鈴木:それは知っていたのですが、フィリピンではインストラクターの方に「なんだ、反動で戻さないのか? こうやったほうが格好いいぞ」と言われて。でも、確かにそのほうが格好いいと感じ、「じゃあ、そうしよう」と。それから、実銃の反動はとても勉強になりました。リボルバーとオートマチックの両方を練習したのですが、やはりリボルバーの反動は強くて独特ですね。


武藤:劇中、獠が射場でヒロインの香に射撃を見せるシーンがありますが、反動をリアルに感じさせる鈴木さんの演技に感動しました。


鈴木:あのときの反動はなかなかリアルですよね。


武藤:タッタッタッタッ!って。実銃を撃ったことがある人じゃないと、なかなか作り出せない。俳優さんにガンコントロールを指導する際には、銃を持ってもらった銃を手で押したりして反動を再現したりしますが、実際に射撃の経験がないとわからない感覚ですね。


納富:実銃を撃つと、目の前で爆発が起きたような感覚がある。ガスなんかも吹き出るし。ああいう感覚は大事にしていないと。


鈴木:武藤さんのおかげですよ。でも、反動に固執しすぎてもカメラアングルによっては不自然に見えるので、そこはやはり映像の難しいところですね。


納富:発射音の凄さに、(森田望智さん演じる)香さんが驚くリアクションも良かったですよね。


鈴木:韓国では屋内射撃場で練習しました。その時、たまたまイヤーマフがずれてしまって、1発撃っただけで1日中耳がキーンとなって。それは香もびっくりしますよね。それから実銃射撃に行ってよかったと思うのが、やはりセーフティ(安全)を一番に考える扱い方。銃口を人に向けないとか、撃つとき以外は絶対にトリガーに指はかけないとか。武藤さんもすごくこだわっていますね。あと、デコッキングの手順。


武藤:デコッキングは先にハンマーを押さえた状態で引き金を引くとハンマーがフリーになり、指をトリガーから離したあとハンマーを完全に戻す。万が一そこで指が滑っても撃発しない。


納富:最後にコルトローマンでもやっていましたね。


武藤:ローマンのシーンは鈴木さんに「なにかできないですか?」って言われて。


鈴木:現場で思いついたこと(笑)。ローマンを片手で後ろ向きに握りながらのデコッキングですね。


武藤:背後を狙っていた状態でやるという(笑)。


鈴木:しかもローマンはトリガーもハンマーもめちゃくちゃ硬くて、あの動きをすると指がもたないんです。僕の私物のローマンもすごく硬かったので「これは無理かも…」と思っていましたが、本番は何とか成功しました。

 

 


 

ガンエフェクトへのこだわり


鈴木:マズルフラッシュが写らない問題。あれは苦労しましたよね。


納富:銃口で発射炎が光った瞬間がちょうど映像のコマとコマの間のタイミングになってしまって写らない問題ですね。今はモニターですぐにチェックできますが、フィルムの時代は現像してくるまで基本わからない。そのため、昔は撮影中にカメラマンがファインダー越しにフラッシュが見えたら、逆にフィルムには写っていない、というような経験則で判断してやっていましたね。


鈴木:確か今回の映画は1秒あたり24コマで撮影していますよね。


納富:映画では多くても1秒あたり30コマくらいですね。ではコマ数が増えるスローモーション撮影なら火が写るかというとそうでもなく、高速度でシャッターが動く分、1コマの時間も短いから、小さい火しか写らなかったりする。


鈴木:写るタイミングによって大きさが変わりますよね。それにしてもピストルを1発、2発と撃つ作品はありましたけど、こんなに撃ったことはなかったです。たとえば、MP5の連射はCGになるだろうと思っていたら、全部ちゃんと仕込まれていてバラララララ!って火が出る。煙も出ますし、やはり実際に撃っていると役者の表情などもかなり変わりますよね。


納富:マズルフラッシュは全部CGで入れてもらったほうが早いし安全だけど、それだとやはりあがったものがどこか空虚になっちゃう。谷本さんのアクション部もそのあたりは慣れていて、ここは実際に撃って、ここはCG…とコンテの時点でしっかりと考えられている。


武藤:事前の準備の段階で1回実際にビデオコンテを撮って、撮影方法を決めていきます。このカットは「発砲」または「CG」または「ダミーのみ」とか。「ここはマガジンチェンジ専用のMP5を用意してください」など、すごく緻密な計画でした。


鈴木:ラバー製のダミーもよくできていましたよね。


武藤:確かにあのダミーはちゃんと着色されていて、造形も細かかった。


(ここでダミー銃が登場)


鈴木:よくできている。このダミーのコルトパイソンは納富さんが作られたのですか? どこからどうみても本物ですね…。


納富:これは造形部が作ってくれました。ラバーガンは結構活躍しますよね。


N:ササッとアクションしていたら、これがラバーガンかどうかわからない。


納富:話は戻りますが、ガンアクションの撮影の計画はたいていアクション部が立案していて、何日もかかるほど労力を要するけれど、だからこそ海外作品にも負けないようなものになっています。Netflix映画『シティーハンター』では全部で1,000発以上撃っていますが、その半分以上は鈴木さんが演じる獠が撃っている。


鈴木:しょうがないですよね。主人公ですから(笑)。


納富:みんなで何千発というときはありますが、主役だけがあんなに撃つという作品はなかなかないですね。


鈴木:発砲していないシーンもありますよね。ガスガンでアクションして、あとでCGを足すとか。それから防弾ガラスをバアーンって破ったあとにそのまま立ち上がって敵に3発撃つシーンでは、コルトだと最初の2発がダブルアクションで素早く発砲できなくて。そのときにスモルト(コルトパイソンのバレルとS&W Kフレームを組み合わせた、いいとこ取りのカスタム)を使わせてもらいましたね。


N:コルトは(トリガーの)引きが独特で。グゥーっと引いてきて、ようやくどこかでパチンと落ちる。S&Wのトリガーみたいに「あ、ここで落ちるな」という感覚がなく、コルトのほうが(ダブルアクションでの連射は)難しいと思います。


武藤:そのシーン、僕にはかなり刺さりましたよ。敵のボスに対して流し撃ちで足を撃つという。


鈴木:あそこはちょっとこだわりました。冴羽獠なら「狙って撃つ」のが普通ですが、本当に憎いやつには「怖い追いつめ方」も厭わない。狙いもつけず両足と腕を容赦なく撃ち抜く。ここは、獠の野蛮さにちょっとゾクってしてほしいところです。


N:原作初期の、ハードボイルド感が強い頃の獠のイメージですね。


鈴木:特に今回の作品はそこがメインでしたから。あと一番練習したのは、シグ(SIG SAUER P226)を一瞬で分解するシーン。さりげないシーンですが、実はあれが一番難しかった…。


武藤:最初は分解手順や技術的なことをお伝えしたら、そのあとはご自身で銃を買って練習されていましたね。


鈴木:使用する銃は全部買いました(笑)。ベレッタ92は二挺拳銃の練習用に2挺。すごく手にしっくりきました。


N:手が大きいから、ちょうどいいですね。


鈴木:でも、2挺のベレッタをまとめてマガジンチェンジするアクションには苦労しました。左手でベレッタを2挺まとめて持って、右手で香からマガジンを2本貰って、指に2本とも挟んで一気にガシャン! っていうのをさんざん練習したけれど、本番では何回やってもうまくいかない。結局、仕方なく別カットに切り替えてもらいました。


納富:マガジンが変な方向を向いて渡されて、というのもあるかもしれませんね。


鈴木:いやぁ、あれは僕のせいです。いまだにちょっと悔しいですね。一般のお客さんが見たらわからない部分ですけど、カットが切り替わっているというのは悔しい。まあ、結果的にとても格好いいシーンになったのでいいですけど(笑)。

 

 


 

劇中のオリジナル武器


N:冒頭シーンでワイヤーを飛ばすグレネードランチャーは、H&K M320A1を映画用に改修したものですよね。


武藤:本来は擲弾(グレネード)を飛ばすために使いますが、劇中ではそういう道具(ワイヤーガン)に改修されている、と。


納富:当初、『バットマン』に出てくるようなSF的なものを作りたいという話もあり、監督がいろいろと考えていたみたい。でも、一から作るのは大変で「デザインがリアルじゃない」と言われて困っていたようだから、「こういうのがあるよ」と提案したら最終的にリアル方向に落ち着いたみたいです。ほかの装飾、小道具もリアルに寄せていたから、そうしたのだと思います。


武藤:理論上、あのランチャーを作ろうと思えば作れないこともないですね。弾の代わりにワイヤー付きの矢を飛ばす。


鈴木:どうですか? タナカさんでトイガン化。


N:グレネードランチャーか…(笑)。


納富:あとオリジナル武器としては、麻酔銃もありましたね。あの麻酔弾はわりとリアルですよ。注射器みたいなもので、中に麻酔薬の液体が入っている。


鈴木:あの麻酔弾、結構デカいですよね。劇中でも馬の部分に刺さっていましたけど。


納富:麻酔弾に、赤いフワフワの羽根が付いているじゃないですか、あれが銃口の中でうまく封をして、エアで飛ぶような仕組みになっています。


鈴木:目立たせるためじゃないんですね。


納富:その意味もあります。命中して刺さったときに目印になる。そして、ポンッと当たったときに中のピストンが動いて体内に麻酔薬が注射される。


鈴木:慣性の法則を使ってピストンを動かすと、そういうことなんだ。面白いですね。こんな話、どこの雑誌でも取り上げないですよ。


N:先日鈴木さんがインスタグラムで「スピードローダーはマニアックかな?」とおっしゃってましたが、今回はもう専門用語しか出ていない(笑)。

 


 

サバイバルゲームの経験がアクションに活かされた!?


武藤:鈴木さんは、手先が器用だと思います。ドロウ(銃を抜く)の動作のように、手から離れているものをいきなりパッと取る行為って、実はすごく難しいことですから。MP5を片手で撃ちながら何気なく左手で腰のベルトに挟んだベレッタをドロウするシーンも、難しいかなと思ってホルスターを用意していましたが、鈴木さんは「別に大丈夫」とおっしゃって、本当にやってのけた。


鈴木:サバゲーをやっていたからでしょうか。実は、どう考えてもオートのほうが有利なのに、それでも(メインウェポンとして)パイソンを使っていましたからね。


武藤:この作品のためにですか?


鈴木:いやいや、ずっと前です。15年くらい前、サバゲーにハマっていまして。銃は何を買うかといえば、もちろん最初はパイソンですね(笑)。ガスガンで、(BB弾は)20数発しか入らない。ホルスターも持っていたので、パイソンの形状とドロウには慣れていました。パイソンは弾数が少ないから、予備としてオートを1挺持っていて、パイソンの弾が切れたら使う。だから、左手でドロウする動きは「なんか知っているな!」と。


武藤:どうして速いのか不思議でしたが、その経験が活きていたわけですね。

 


 

海外と国内、銃に対する認識の違い


納富:海外の役者さんが日本でロケを行なう際、撮影用の銃をお渡しすると、やはり絶対にトリガーに指をかけないし、銃口を人に向けない。すぐに掴もうともしない。「安全だから大丈夫」とお伝えしても、自分で薬室チェックしたり、すごく慎重になります。


武藤:アメリカなど一般人が当たり前に銃器を所持している国では、銃の脅威を目の当たりにする機会があるわけですから、慎重になりますよね。安全管理も徹底している。


鈴木:日本では時代劇の刀がそうですね。日本の俳優は下手に鞘から抜かない。そういう意味でも実銃射撃でセーフティへの考え方を学べたのは本当に大きかったです。ハリウッドの銃がいっぱい出てくる作品のように、『シティーハンター』もついつい銃をバンバン撃ちまくる作品に思えるけど、本来日本では(一般人が拳銃やマシンガンを所持することは)違法だから絶対に誰にも見られちゃいけないし、そもそも街中で銃を持っていること自体がやばい、そんな銃の存在感が大事だと思っています。香が初めて地下室で銃を見てしまうときに「こんなところに銃があるなんて」と思う感覚はたぶんアメリカの映画とはまったく違うはずで、そんな異質な存在感を出すことにもこだわりがありました。あと、実際に撃って「怖い!」と感じたので、常に銃口がどこを向いているかという意識とか、銃をソフトに置いたりとか、そういう細かな所作からも存在感が宿る気がして、気を遣いました。本当に怖いですよね。それでもやはり冴羽獠なので、実銃で訓練する時には両手ではなく片手で、一発ずつではなくて連射を練習しなければいけませんでした。韓国ではインストラクターの方に「別にいいけど、なんだその撃ち方は。冴羽獠みたいだな」って言われて。


(一同笑)


N:韓国でも放映されていますからね。


鈴木:韓国には徴兵制度があって、銃火器の扱い方を知っている人も日本より圧倒的に多い。海外のそのような方々にも「マンガっぽいけどそこはちゃんとしているな」と思わせたいですね。

 

 


 

Netflix映画『シティーハンター』


クールでもっこりな“あの男”が新宿に舞い降りる―。
「シティーハンター」はじまりの物語。

 

 

息もつかせぬ濃密なガンアクションに注目


 1985年に連載がスタートした北条司の大人気コミック「シティーハンター」。単行本は累計5,000万部を突破しアニメ、ドラマ、映画化もなされ今に至るまで世界中の人々に愛され続けている一大エンターテインメント作品だ。そしてこの令和に、佐藤祐市監督のもと日本初の実写映画化がついに実現したのである。主人公・冴羽獠役の鈴木亮平は、「シティーハンター」に対する溢れんばかりの作品愛を持ち、裏社会のトラブル処理を請け負う超一流のスイーパー(始末屋)でありながら、美女にはとことんだらしがないという獠の二面性を魅力たっぷりに熱演。ガンアクションに対する大変なこだわりは前出の座談会でも明らかで、ガンエフェクトはBIGSHOTが手掛け、主人公のコルトパイソンをはじめとする銃器はタナカが、ESSのアイウェアをノーベルアームズが提供するなど、ガンアクションにまつわる様々なこだわり要素が劇中の随所にちりばめられていることにも注目いただきたい。

 


 

STORY


 相棒の槇村秀幸と共に、有名コスプレイヤーくるみの捜索依頼を請け負った“シティーハンター”こと冴羽獠。その頃新宿では謎の暴力事件が多発し、警視庁の敏腕刑事 野上冴子は手を焼いていた。息の合ったコンビネーションでくるみを追う獠と槇村だったが、捜査の最中、槇村が突然の事件に巻き込まれ死亡。現場に居合わせた妹・槇村香は兄の死の真相を調べてほしいと獠に懇願する。

 

冴羽獠と愛銃コルトパイソンを軸とする、息もつかせぬガンアクションは必見!

 

パイソンはバーチカルタイプのショルダーホルスターに収めている

 

事務所には日本国内とは思えないほどのシューティングレンジが。香の目の前で槇村が遺したコルトローマンを撃って見せる獠

 

妖艶な色香を漂わせる警視庁の刑事、野上冴子が獠に突き付けているのはS&W M360J “SAKURA”

 


 

DATA


■キャスト:鈴木亮平、森田望智、安藤政信、華村あすか / 木村文乃
■監督:佐藤祐市
■脚本:三嶋龍朗
■エグゼクティブ・プロデューサー:髙橋信一(Netflix)
■プロデューサー:三瓶慶介、押田興将
■制作:ホリプロ
■製作:Netflix
■原作:北条司「シティーハンター」/原作協力:コアミックス

 

 

Netflixにて独占配信中

www.netflix.com/シティーハンター

 


 

Netflix映画『シティーハンター』配信開始記念

鈴木亮平さんサイン入り
タナカ「COLT PYTHON “RYO SAEBA” Model」
プレゼント(1名様)

 

 

 

提供:タナカ

 

応募方法はこちら

 

タナカ「COLT PYTHON “RYO SAEBA” Model」紹介記事はこちら

 

協力:BIG SHOT/Netflix/Scarprecision/TANAKA WORKS/ホリプロ/マンハッタンピープル

 

©北条司/コアミックス 1985

 

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