2024/04/21
ゲームでも有名な20世紀を代表するSMG「UZI Pro 短機関銃」【無可動実銃】
この1挺は戦うために作られてきた本物の銃だ。
数奇な運命に導かれ、今はこの日本という平和な地で静かに眠っている。
発射機構を排除され魂を抜かれても、その銃の魅力が廃れることはない。
時代と共に歩んだ歴史を、培われた技術体系を銃はその身を持って示してくれる。
その姿は銃に魅了された我々に新たなる知見をもたらすことだろう。
さあ、今回も無可動実銃のことを語ろう……。
諦めないレトロSMG
UZIは建国間もないイスラエルによって開発された20世紀を代表するSMGである。実戦での実績を積み重ねたUZIは軍隊にとってはライフルと拳銃の間を埋めるための貴重な戦力であったが、アサルトライフルの普及によって需要は少なくなっていった。
SMGは不要になったわけではないが、使用目的は限定的なものになってしまい、UZIと同世代のSMGは姿を消してしまっている。UZIが残った理由は時代とニーズに合わせたバリエーション展開と絶対的な実戦経験からくる信頼性といっていい。またイスラエルという国が建国より、戦車から航空機に至るまで既存兵器の改修を常としていたことからも納得できる。
現在ならブルパップライフルのタボールがあれば、SMGサイズの銃器は不要と思われたが、より小型のMINI UZIやマイクロUZIは残された。この2機種を統合し21世紀版へと進化させたのがUZI Proで、オリジナルモデルから絶えずバージョンアップを繰り返してきた努力の結晶ともいえる。
UZI Pro 短機関銃
- 全長:315mm / 540mm(ストック展開時)
- 口径:9mm×19
- 装弾数:20/32発
- 価格:¥550,000
- 商品番号:【8545】
21世紀への進化形
最新の素材と高度な技術機能で改良したUZI ProとオリジナルUZIは別の銃と考えた方がよいであろう。オリジナルは工業力の低い国でも製造できるようにフレームはすべて金属製であったが、最新のUZI Proはロアフレームとストックがポリマー樹脂に変更された。これにより軽量化とコストダウン、そして荒天下での快適性が向上している。
オープンボルトからクローズドボルトへの変更は後期型マイクロUZIから改良されたことで充分な実績をもって継承された。サイズについては、一般的なSMGより小型のミニマムサイズが採用されたが、これは多くの実戦経験に基づき、携帯性や隠蔽を優先した結果で、現在のSMGとしては正解である。
従来のUZIシリーズは1950年代の設計のためSMGに光学サイトを付ける発想がなく、レシーバー上部はコッキングスペースとなっていた。しかし現代戦では光学サイトは必要不可欠なものであるため、コッキングハンドルを左側面に移動しレシーバー上部に新たにピカティニーレールを取り付け、光学サイトの搭載が可能になった。
使用目的によって要求されるバレルレングスもバリエーションを増やすのではなく、バレル交換のみで対応し、レシーバーの変更は行なわれない。
こうしてUZI Proは、隠して使用する場合でも、公然と運用する場合の両方に対応できる理想的なSMGへと進化している。
戦闘経験豊富なイスラエル軍の協力による開発を経て、世界的に認められているUZIのアイデンティティを損なうことなく最新の技術的進歩を組み込んだUZI Proには最新SMGにはない魅力がある。現在IWIが製造する唯一のUZIであるUZI Proは、現代でも充分に通用する傑作SMGの末裔としてこの先も活躍し続けるであろう。
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TEXT:IRON SIGHT
撮影協力 : バトルシティー
この記事は月刊アームズマガジン2024年5月号に掲載されたものです。
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