2024/03/31
今年も魅力的なバイクがいっぱい!「第51回東京モーターショーサイクルショー」
毎年春の3日間にわたって開催されている東京モーターサイクルショーは国内最大規模のオートバイやその関連商品の見本市である。ホンダやヤマハ、スズキ、カワサキといった国内主要メーカーをはじめ、BMWやハーレーダビッドソンといった海外メーカーが出展し、その年に発売される新車が発表され、人気機種が展示される。コロナ禍で2020年、2021年は中止となり、今年はコロナ禍明け最初の開催となることから会場には多くの来場者が訪れていた。ここでは私が好きなアドベンチャーモデルやクロスオーバーモデルを中心に、気になったバイクをピックアップした。
ホンダ NX400
私の愛車であるホンダ400X(自称“白バイ”)の後継機種として今春から発売になったのがクロスオーバーモデルの「NX400」だ。名称とカウルのデザインが変更され、装備が充実した以外は従来モデルを踏襲している。400Xは個人的にすごく気に入っており、軽量なボディと中低速を重視したトルクフルなエンジンはとても乗りやすく、ロングツーリングでも疲れない。シャープなラインのNX400のカウルデザインは好感が持てる。跨ってみたところ、自分の400Xとほぼ同じで、スクリーンが大きくなったことで防風性が高められている。400Xを買い替える予定はないが、買い替えるとしたらNX400が第一候補になりそうだ。
ホンダ アフリカツイン
私の憧れのバイクであるホンダ・アフリカツイン。その最上級モデルが「CRF1100L」である。ライダーの冒険心を揺さぶるデザインやパワフルな1,082㏄水冷直列2気筒エンジン、電子制御サスペンション、DCT、ライディングモードセレクトなどホンダのアドベンチャーモデルのフラッグシップに相応しい充実した装備。それゆえ価格は200万円を超えており、ちょっとした自動車並みだが、大型免許を取得できたらいつかは乗ってみたい。これに荷物を満載して大陸横断とかしたら楽しいだろうな…。
スズキ V-STROM 800 DE
私のもうひとつの憧れのバイクであり、量産車最大の油冷779㏄単気筒エンジンを搭載した通称“ファラオの怪鳥”と呼ばれたスズキDR800S(DRビッグ)を彷彿とさせるデザインが特徴のV-STROM 800 DE。個人的に鳥のくちばしのようなデザインのカウルが好きで、これも大型免許を取得したら乗ってみたいバイクのひとつ。775㏄水冷直列2気筒エンジンに20リットルの燃料タンク容量、スズキのチャンピオンイエローとブルーというカラーリングもそそられる。
スズキ V-STROM SX250
かつてスズキのジェベル250XCに乗っていた私としては、このV-STROM SX250は気になるバイクのひとつである。スズキの人気機種「V-STROM 250」は広報車をお借りして試乗したことがあり、長距離でも疲れない着座ポジションと250㏄らしい優しい乗り心地が印象的だった。このSX250は250が249㏄水冷2気筒エンジンに対して、SX250は249㏄油冷単気筒エンジンを採用している。形式的にはジェベル250XCと同じだが、最新の環境基準に適したスペックとなっている。800 DEと同様、くちばしデザインを導入している。
スズキ GSX-S1000GX
水冷直列4気筒エンジンを搭載したスポーツバイクGSXシリーズの中でもクロスオーバーモデルに位置づけられているのが「GSX-S1000GX」である。長いホイールトラベルにアップライトポジションというロングツーリング向けのデザイン。アフリカツインやV-STROM 800 DEなどのアドベンチャーモデルに比べればロードモデル寄りで400Xに通じるところがあり、純粋に長距離を移動するならこれもアリ。
ヤマハ Tenere700
アフリカツインと並ぶ国内メーカーのアドベンチャーモデル2大巨頭(?)のひとつであるヤマハのテネレ。このテネレが「テネレ700」として復活した時は話題になった。オフ車っぽいフラットはシートを持つスリムなボディに688㏄水冷直列2気筒エンジンを搭載。写真の新色ディープパーリッシュブルーメタリックに加えてラジカルホワイトはヤマハらしい雰囲気を漂わせる。
ロイヤルエンフィールド HIMALAYAN 450
世界最古のオートバイブランドであるインドのロイヤルエンフィールド。同社のバイクと言えばレトロなスタイルで知られており、街中でも見かけることがある。そんな中同社のラインアップの中で唯一のアドベンチャーモデル「HIMALAYAN(ヒマラヤ)」の後継モデルが、発表されたばかりの「HIMALAYAN 450(ヒマラヤ・ヨンゴーマル」だ。丸型ヘッドライトのややクラシカルなオフ車スタイルに、エンジンは411㏄空冷単気筒SOHCから同社初の452㏄水冷単気筒DOHCエンジンを採用。6速ミッションに電子式スロットルを装備している。サイズは中型だが452㏄という排気量のとおり乗車するには大型免許が必要となる。
TRIUMPH TIGER 1200 GT PRO
ボンネビルやスピードトリプルといった名車で知られるイギリスのオートバイメーカー、トライアンフ。同社のアドベンチャーモデル「TIGER」シリーズのリッターオーバーモデルが「TIGER 1200 GT PRO」である。いかにもアドベンチャータイプらしいアップライトなポジションを持つこのモデルはオンロード寄りで、3気筒モデルが多いトライアンフらしい1,160㏄水冷並列3気筒DOHCエンジンを搭載している。ちなみにオフロード寄りの1200 GT EXPLORERは燃料タンク容量が30リットル(GT PROは20リットル)となっており、まさに大陸間移動モデルだ。
その他に気になったモデル
カワサキ Z7ハイブリッド
近年話題の多いカワサキが発表した世界初のストロングハイブリットモーターサイクルが「Z7ハイブリッド」(2024年モデル)だ。エンジンに加えて電気モーターのみでも走れるように設定されており、このモデルは状況に応じて選択できる3つの走行モードが備わっている。451㏄水冷並列2気筒エンジンに駆動用モーター、ボタン操作で変速できる6速オートマチックトランスミッションが組み合わされている。燃料タンク容量は14リットルで、走行モードによって燃費が変わるので具体的な燃費は公表されていないが、満タン時航続距離(概算・参考値)は434kmと表記されており、リッター30kmくらいはいけそうだ。ちなみにメーカー小売価格は1,848,000円。
カワサキ Ze-1
Ze-1はカワサキ初となる電動モーターサイクルである。250㏄クラスのスポーティなデザインのボディに、通常エンジンが収まっている部分にモーター(箱状のもの)、燃料タンク部分に取り外し可能なリチウムイオンバッテリー(2個)を搭載。走行モードは2種類から選択でき、満充電で走行できる距離は53km(60km/h定地走行)となっている。気になるのが充電時間で、バッテリー1個で3.7時間、2個で7.4時間かかり、走行距離と充電のタイミングを考えて走る必要がある。ツーリングよりは通勤通学など決まった距離を走行する使い方に向いてそうだ。
ハーレーダビッドソン X350
大型バイクの象徴的存在であるハーレーダビッドソンから353㏄水冷並列2気筒エンジンを搭載した普通二輪免許で乗れる「X350」が登場した。同社の伝説的レーシングマシンXR750を思わせる「アメリカン・フラットトラッカースタイル」を取り入れ、写真のダイナミックオレンジはまさにXR750をイメージしたカラーリングだ。跨ってみた感じは意外とコンパクトで、攻めすぎないライディングポジションはハーレーらしいと言える。価格は699,800円と、ハーレーと考えれば高くはない。ちなみにこのモデル以外に排気量500㏄の「X500」もラインアップされている。
TRIUMPH SPEED 400
ハーレーダビッドソンだけではなくトライアンフからも普通二輪免許で乗れる400㏄水冷単気筒エンジンを搭載した「SPEED 400」が登場した。空冷を思わせるフィンがついたエンジンと同社のロードスターシルエットを継承するスポーティーなデザイン、低めのシート高、先に紹介したハーレーダビッドソンのX350とほぼ同価格の699,000円となっており、このタイプのバイクが好きな方には受け入れやすいのではないだろうか。最初に買うトライアンフとしても最適。このモデル以外にスクランブラータイプのSCRAMBLER 400Xもある。
TEXT:毛野ブースカ
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