エアガン

2023/11/18

傑作銃のライバルたちを再現した拳銃エアガン5選【2023年版】

 

傑作銃のライバルたち

 

 コルトガバメントやコルトパイソン、S&Wモデル29、ルガーP08、ワルサーP38、ブローニングハイパワー、グロック17といった名前が広く知られた傑作ハンドガン以外にも「名前は聞いたことがあるけど、どんな銃なのか知らない」ハンドガンがたくさん存在する。強力なライバルの陰に隠れて埋もれてしまったもの、意欲満々で開発したものの失敗に終わってしまったもの、期待されたものの鳴かず飛ばずで終わったもの、時代の波に翻弄されて行き場を失ってしまったものなど、いわば「傑作銃のライバル」として誕生したハンドガンたちだ。ここではそうしたハンドガンを再現したエアガンをピックアップしよう。

 


 

東京マルイ

ガスブローバックガン

XDM-40

 

 

DATA

  • 全長:203mm
  • 重量:745g
  • 装弾数:26発
  • 価格:¥18,480
  • お問い合わせ先:東京マルイ 

 

 

クロアチア生まれのポリマーフレームオート

 

 米国の銃器メーカー、スプリングフィールドによって2002年に米国での発売が開始されたXDピストル、その前に米国でひっそりと売り出されたHS2000というピストルがある。クロアチア生まれのHS2000は知名度の低さから注目はされなかったが、シンプルで作りが丁寧ながら低価格なこともあり、一部のシューターの間で高い評価を受けた。スプリングフィールドはこのHS2000をベースに、XDシリーズを完成させたのである。

 初期型のXDはHS2000のスタイルのままだったが、ライバルのグロックシリーズやS&WのM&Pシリーズなどに対抗するために、新型モデルのXD(M)ではXDのスライドやグリップの形状、マガジンの装弾数などを大幅にモディファイ。安全性の高いセーフティメカニズムやガバメントスタイルのグリップアングルとあいまって市場で高い評価を得ているモデルだ

 東京マルイのXDM-40は、実銃の発売から3年後の2012年に発売された。数あるバリエーションの中からスタンダードな4.5インチスライド+.40S&W口径仕様をチョイス。スライド後部のコッキングインジケーターはライブで作動。コッキング状態がひと目でわかるようになっている。XDに比べて洗練されたエルゴノミックスタイルのグリップはホールドしやすく、実銃同様にバックストラップの交換が可能。マガジンリリースボタンは左右どちらからでも操作できる。特徴的なトリガーセーフティとグリップセーフティはいずれもライブで機能する。鏡面仕上げのステンレスタイプのダイキャスト製マガジンの装弾数は26発。サバイバルゲームからタクティカルトレーニング、シューティングマッチまで、オールラウンドに使える1挺になっている。

 


 

東京マルイ

エアコッキング

H&K P7M13

【ハイグレード/ホップアップ】

 

 

DATA

  • 全長:173mm
  • 重量:約322g
  • 装弾数:22発
  • 価格:¥3,850(18歳以上用)
  • お問い合わせ先:東京マルイ

 

 

スクイズコッカーを採用した
技術屋魂が光るオートマチックピストル

 

 P7M13はドイツ警察の制式ハンドガントライアルに提出するために開発された。この銃の最大の特徴が「スクイズコッカー」と呼ばれるシステムである。これはグリップを握るとグリップ前部に設けられたスクイズコッカーと呼ばれるパーツが押し込まれ、ストライカーがコックされて発射準備が整ってシングルアクションで撃てるようになり、グリップから手を離すとストライカーを安全な位置まで動かす安全装置も兼ねている。複雑怪奇なスクイズコッカーに加えて、発射時にバレル下から噴き出すガスによってスライドの後退を遅らせるガスディレイドブローバック方式を採用していた。バレル固定式のため命中精度は高かったものの、スクイズコッカーという複雑なメカニズムと他銃とは異なる操作性、ガスディレイドブローバックによるフレームのトリガーガード付近の熱問題などからドイツ警察の一部が採用されるにとどまった。また、アメリカ軍のXM9トライアルにも参加したが採用されることはなかった。ちなみに、このトライアルで採用を勝ち取ったのはみなさんご存知のベレッタ92F(制式名称M9)である。

 東京マルイはこの個性的な1挺をエアコッキング式で再現している。スクイズコッカーも再現されており、しっかりと握り込まなければ撃つことができない。手に取るとその1挺に込められた技術屋魂の一端を感じ取ることができる。

 

 


 

東京マルイ

ガスブローバックガン

HK45

 

 

DATA

  • 全長:204mm
  • 重量:782g
  • 装弾数:26発
  • 価格:¥18,480
  • お問い合わせ先:東京マルイ 

 

 

ヘッケラー&コックらしさが凝縮された
特殊部隊向けオートマチックピストル

 

 ヘッケラー&コックはJCPの要求に沿って、同社のUSPピストルを改良することからスタートした。JCPとはUSSOCOM (アメリカ特殊作戦軍)が行なった特殊部隊向け次世代拳銃を選定するためのプログラム、Joint Combat Pistolのことだ。

 ヨーロッパのメーカーである同社は、米国における特殊部隊が拳銃に求めるコンセプトを理解するため、コンサルタントとして元アメリカ陸軍特殊部隊デルタフォースのラリー・ヴィッカーズ、そしてタクティカルトレーナーとして知られるケン・ハッカーソンを招聘して開発を進めた。完成されたHK45にはフルサイズのHK45とコンパクトなHK45Cがある。HK45とHK45Cは操作系とマガジンに共通性があり、異なるサイズを用意することで状況に合わせて(私服で隠匿した状態での携行など)柔軟に対応する。HK45シリーズはガバメントと同様のコック&ロック(ハンマーをコックしてセーフティをかけた状態)とデコッキングを1つのレバーで操作でき、さらにセーフティなしのLEMトリガーモデルも用意されている。

 残念ながら、2007年にはJCPプログラム自体が中止となってしまい、優れた性能を持つFNX-45やHK45はUSSOCOM全体への配備は見送られてしまった。HK45は民間市場で高い人気を誇り、HK45Cはネイビーシールズを中心に、複数のSOCOMに所属する部隊が限定的に採用している。

 東京マルイはHK45を実銃から採寸してリアルサイズでモデル化。デコッキングはもちろん、コックアンドロックも可能なセーフティなど実銃同様の機能を備えている。スパイダーマングリップと呼ばれる独特なすべり止めパターンが施されたグリップも忠実に再現している。

 


 

東京マルイ

ガスブローバックガン

FNX-45タクティカル

 

 

DATA

  • 全長:220mm
  • 重量:830g
  • 装弾数:29発
  • 価格:¥19,580
  • お問い合わせ先:東京マルイ 

 

 

幻に終わったJCPプログラムのために作った
.45口径のコンバットハンドガン

 

 FNX-45は、FNHが開発した.45ACP弾を使用するセミオートマチックピストルである。ポリマー製フレームとステンレススチール製スライド、作動方式はブローニングタイプのロックドブリーチ式のショートリコイル、ハンマー式のダブルアクション&シングルアクショントリガーを持ち、コック&ロックド及びデコッキングが行なえるセーフティメカニズムを備えている。HK45と同じく前述のJCP用に開発された1挺だ。

 FNX-45を含め、JCPシステムに求められたのは、サプレッサー、レーザー&ライトモジュール、ドットサイトといった様々なアクセサリーを簡単に取り付けることのできるモジュラリティなキャラクターであった。この銃はそれを体現すべく、サイレンサーが装着可能なスレーデッドバレルやアンダーレール付きポリマーフレーム、アンビコントロールレバー、交換可能なバックストラップ、.45ACPが15発装填可能なマガジンなどを備え、マイクロドットが搭載可能になっている。

 東京マルイはこれをガスブローバックガンで再現。実銃同様に機能するレバー類、蓄光タイプのハイプロファイルフロント/リアサイト、オーバルシリンダーを導入したブローバックエンジンを搭載。スライドには同社のマイクロプロサイトがマウントできる。マガジンの装弾数は29発とハイキャパシティだ。写真はそのブラックモデルにあたる。

 


 

KSC

ガスブローバックガン

マカロフPM

ヘヴィウェイト

 

 

DATA

  • 全長:195mm
  • 重量:670g
  • 装弾数:10発
  • 価格:¥29,700
  • お問い合わせ先:KSC

 

徹底した合理性を追求した
旧ソ連の傑作軍用拳銃

 

 第二次大戦後、旧ソビエト連邦軍はトカレフTT33オートマチックピストルとナガンM1895リボルバーを装備していた。これらに代わるよりコンパクトで軽量、安全で効果的なハンドガンを求め、9mmパラベラム弾と.380ACP弾の中間に位置する威力を持つ9mm×18弾を使用する新拳銃として安全性、使いやすさ、精度、重量、サイズを重要視したPM (9mm Pistolet Makarova =マカロフの9mmピストル) が1951年に制式採用された。マカロフピストルは下士官、警察、特殊部隊、戦車兵、エアクルーに優先的に配備された。東ドイツ、ブルガリア、中国等でライセンス生産が行なわれることで東側陣営におけるスタンダードな軍用ピストルとして普及し、2003年に9mmパラベラム弾を使用しポリマーフレームを持つより近代的なPYaピストルが採用されるまで長い間、旧ソビエト及びロシア連邦のサイドアームとして使用されたマスターピースの1つである。まさに西側陣営のピストルたちのライバルといえる存在だ。

 マカロフピストルは9mm×18弾、通称9mmマカロフ弾を使用するダブルアクション/シングルアクショントリガーとセーフティ/デコッキングレバーを持つストレートブローバック方式のスチール製軍用拳銃である。マカロフピストルは携帯性と射撃性能を高めるために軍用拳銃としては小型ながら護身用のコンパクトピストルよりもサイズが大きいという独特なサイズ感を持ち、スチール製で比較的重量がありつつ中威力な9mmマカロフ弾を使用することから撃ちやすく、高い命中精度を誇る優れたハンドガンである。KSCは70~80年代の最もベーシックなタイプを再現。グリップスクリュー以外にネジを使わないなど、ソ連らしい拳銃の魅力を味わえる。

 


 

関連書籍

ハンドガンマニアックス

 

 

 好評発売中の「世界の傑作ハンドガン」で紹介されているような傑作以外にも、世界には様々なハンドガンが存在する。いわゆる「傑作」にはライバルがつきものだが、傑作の陰に埋もれてしまい、「名前は聞いたことがあるけど、どんな銃なのか知らない」というものもあるだろう。しかし、ライバル同士がしのぎを削って開発されたことから、実際にはすごい特徴が備わっているもの、エポックメイキングなハンドガンも数多く存在するのである。本書ではそんな「傑作銃のライバルとして誕生した」ハンドガンたちを、第二次世界大戦後に登場したモデルを中心にピックアップ。リアルガンレポートに加えてエアガンの製品情報もあわせて掲載している。上記「世界の傑作ハンドガン」と併せてお読みいただくと、より味わい深いのでお薦めしたい。

 

 


 

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