2023/12/08
【実銃】S&Wリボルバー新旧対決!20世紀と21世紀の「Model 66」を徹底比較!!【前編】
NEW vs OLD
Smith & Wesson
Model 66 Combat Magnum
モデル66が初めてリリースされたのは、もはや半世紀前の1970年のことであった。インスタントヒットとなったモデル66であったが、時代の流れとともにその存在感は薄れていき、2005年にはS&Wカタログからも消滅してしまった。
それでも、2014年には4.25インチバレル、2017年には2.75インチバレルのモデル66-8がリイントロデュースされ現在に至っている。今回は、このNew モデル66-8を新たに手に入れた友人に登場を願い、新旧モデル66を比較してみた。
S&W Kフレーム
筆者が初めて撃ち込んだガンがS&W モデル10カスタムだったため、ことさら思い入れのあるのがこのリヴォルヴァーだ。そのモデル10も5万発ほど撃った時点でバレル交換が必要になったり(鉛弾頭のみを撃つと、このくらいは撃てる)、シリンダーにエンドシェイクが出たりして、ガンにも寿命があるということを身をもって知ることになった。
それでも撃ち易いKフレームステンレス.375マグナムリヴォルヴァーの魅力に取りつかれてしまい、モデル64を始めとして、65、66、67、68といった銀色に輝く初期型Kフレームの出物を見かけると手に入れずにはいられない日々が長く続いていた。
しかし、以前は500ドル以下で手に入れることができたこれら旧モデルも、年々そのレアさから価値が上がり、だんだん高嶺の花となっていく。そうこうしているうちに、1999年にはモデル19が、そして2005年にはモデル66が製造中止になってしまうのだ。個人的には、クオリティコントロールに問題が見え始めた1986年リリースのモデル66-3以降のバージョンには興味はなかったが、一抹の寂しさを感じていたのであった。
ところが、2014年のSHOT SHOWで、4.25インチ銃身モデルとなるモデル66-8のリイントロデュース(再登場)が発表される。何やら喜び勇んでS&Wブースに行ってみたが、ガサゴソしたダブルアクションプルや、明らかにMIM(メタルインジェクションモールド:金属射出成型)製のハンマーやトリガーに、がっかりした記憶しか残っていない。
3年後の2017年になると、今度は2.75インチ銃身がリリースされるというので、旧モデル66の2.5インチが大好物である私としては、何はともあれサンプルガンのもとに急いだ。トリガープルのガサゴソ感はそのままだが、シリンダーのロックアップシステムが大幅に変更されている。そう、同じモデル66-8なのだがヨーク部分のロックアップ機構がより堅牢になっているのだ。
そして驚いたことに、トリガーを引き切った状態で、シリンダーのガタが全くないのだ。俄然興味が湧いてきた。「テストしてみたい」という欲求が湧き上がってくるが、昨今のリヴォルヴァーの常として、リテールプライス(小売価格)が874ドルもする。今どき、グロックなら500ドル以下で手に入れることができるご時世で、6連発リヴォルヴァーで税金と登録料を入れると千ドル以上になってしまうというのは、やはり躊躇してしまう。
そう思い続けて数年が経過したところへ、リタイアードポリスで、リヴォルヴァーと1911に関しては信じられないほどのコレクション(ご本人は“コレクション”といわれると嫌がる。自分はコレクターではないし、仕事上自然と集まってしまっただけ、とのたまうのだ)を所有しているディーン・カプート(Dean Caputo)氏から、「新しいモデル66-8を手に入れたから、撃ってみるかい?」という嬉しいお誘いが舞い込んできた。
早速我が家のお宝である1972年製モデル66(ノーダッシュと呼ばれる初期モデル)4インチ銃身と1980年製モデル66-1 2.5インチ銃身を持ち出してシューティングレンジにお邪魔した。
Photo&Text:Hiro Soga
この記事は月刊ガンプロフェッショナルズ2021年7月号に掲載されたものです
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