エアガンのマガジンはBB弾を発射するために欠かせないパーツであり、ガスガンであればパワーソースとなるガスのタンクを備えているものもある。マガジンはエアガンメーカーの純正品やサプライパーツメーカーの社外品など様々な製品がリリースされており、一つの銃に対して複数のマガジンを用意して使っている方も多いだろう。
しかし、サバゲーなどで使っているうちに内部に汚れがたまったり、ガスガンならオイル切れでバルブ回りの動きが悪くなる、ということもあり得る。それゆえ、常にコンディションを保ちたければ、マガジンも定期的にメンテンスをしていくことが望ましい。
今回は海外製電動ガンを買った際に純正マガジンとしてよく付属しているゼンマイ給弾式マガジンのクリーニング方法を解説する。
※トイガンを分解すると、メーカー保証や修理を受けられなくなります。分解する場合は自己責任の下に行なってください。
ゼンマイ給弾式マガジンのメンテナンス
今回はG&Gアーマメント製のスタンダード系M4/M16用ゼンマイ式給弾マガジンマガジンを用意。分解する前に、まずはBB弾が装填されていないかチェックをする。BB弾が入っていないだろうと思い込んで分解を始めると、マガジンを破損したり床にBB弾をまき散らしてしまう。BB弾が入っていないことを確認したらマガジンリップのスプリングを押してゼンマイのテンションを解除しよう
ゼンマイ式給弾マガジンの分解にはまずマガジンボトムプレートにあるネジを外す。G&G製のものは六角レンチを使用する形状だ
マガジンボトムプレートの六角ネジを外すとマガジン内部からインナーパーツを取り出せる。G&G製のマガジンはすんなりと分解できることが多いが、激安マガジンとして売られているノーブランド品の中には寸法がきつくてインナーパーツが出てきにくいものもある。そういった際はマガジンボディ底部の端をゴムハンマーで軽く叩いてやる
インナーパーツはモナカ構造でありネジとスターロックワッシャーで結合している。分解前に外観をよく見ておき、汚れや破損がないかチェックしておこう
ゼンマイのギアが収まっている機関部だ。マガジンボトムから露出しているゼンマイ駆動用のギアを指で動かすと軸が動き給弾時の動作が再現できる
では実際に分解をしていこう。まずは赤丸で囲ったネジを取っていく。小さなネジなので紛失しないように注意しよう
ゼンマイギアの軸棒にはまっているスターロックワッシャーは薄いマイナスドライバーなどで浮き上がらせて外す。スターロックワッシャーは外れた拍子に飛びあがって見失いやすいパーツなので、ウエスや布切れで包みながら外すとよい
ネジとスターロックワッシャーを外すとマガジンインナーパーツを分割できる。内部には小さなパーツやバネが入っているので、スターロックワッシャーがはまっていた軸棒を上面にしながら慎重にケースを開ける。もしゼンマイギア部分がバラバラになってしまった場合は掲載している写真を参考に組み立ててほしい
マガジンリップ部には小さなスプリングとマガジンリップが収まっている。このスプリングは飛びやすいので、分解時には取り外しておこう
ゼンマイ式給弾マガジンの構造がよくわかるBB弾のルート部だ。マガジンボトムから露出しているギアを指で回すと、同軸で繋がっているゼンマイギアが回転、噛み合っている給弾用ギアがリザーブ内のBB弾をルート部に送り込んで給弾口へ向かって上っていく
ゼンマイギアを軸棒から取り外す。軸棒には縦溝が切られており、ゼンマイギア内部の板バネと噛み合って動く仕組みだ。ここに汚れがあった場合は拭き取りで清掃しておく。軸棒やゼンマイギアの合わせ面に薄くシリコングリスを塗ると動きがよくなる
ゼンマイギア本体だ。内部には板バネが入っており、給弾時のカチカチという音と感触はこの板バネが動いているからだ。ギアの欠けや汚れがないか点検する
マガジンボトムから露出している駆動用ギアとゼンマイギアの関係性はこのような形となっている。軸棒はマガジンインナーパーツを貫通しており、動きが連動するようになっている
最後に駆動用ギアを取り外して分解完了。ギアとインナーパーツボディの合わせ面は汚れやすいので綺麗に拭き取り清掃を行ない、薄くシリコングリスを塗っておくとよい。ギアとギアの噛み合い面にグリスアップする必要はないので注意してほしい
まとめ
ゼンマイ式給弾マガジンは1本で300発前後のBB弾を携行できる便利なパーツだ。サバイバルゲームでも頼りになる物だが、スプリング式給弾マガジンと比べて内部構成パーツが多く、故障リスクも比較的高い。BB弾の巻き上げはゼンマイとギアを利用しているので異物などが噛み込むとギアが破損してしまうこともある。そんなことにならないためにも定期的に分解し、内部を清掃するとマガジンも長持ちする。もしよければぜひやってみてほしい。
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この記事は月刊アームズマガジン2023年9月号に掲載されたものです。
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