月刊アームズマガジン編集スタッフとライター陣がマイガンのカスタムに挑戦するコーナー「Armsカスタムガレージ」。今回はVSR-ONEの定期メンテナンスを行なう。
ベースガン

東京マルイ
VSR-ONE
- 全長:614mm/800mm
- 重量:2,100g
- 装弾数:30発
- 価格:¥32,780
ストック固定ネジの増し締め
ひと冬の間、VSR-ONEを色々な場所へ持ち歩いていると少しだけストックが上下に動くようになっていた。射撃には問題ない程度のものだが、ネジを締めこむだけで簡単に直るものなのでパパッと整備してしまおう
まずはストックエンド部のバットプレートを外す。バットプレートはスムーズに取り外すには少しコツがいるものであり、下部のほうから外していくと比較的やりやすい
ストックエンド部には大きいものと小さいもの、2種類のプラスネジがある。大きいプラスネジをドライバーで取り外しておく
小さいプラスネジはストックを折り畳んだ際に使用するロックパーツを固定しているものだ。整備のために外す必要はないが、筆者は状態確認のために外した
ストックエンド部の大きいプラスネジを外すとストックチューブ内にあるネジ受けパーツを取り外せるようになる。棒状のものでストックチューブ上部から少し押し出してやると引き抜きやすくなる
ネジ受けパーツを引き抜くと、ストックエンド部を分解できる。ストックチューブとストックエンド部に異常がないか確認したら、各パーツの合わせ面に薄くシリコングリスを塗って組み立てる
今度はストックチューブの根元を押さえている部分を見ていこう。折り畳み機構のロックを外してストックチューブを折り畳むと大きなプラスネジが現れる。これを外す
先ほどのストックエンド部の分解と同じく、こちらにもネジ受けパーツがあるので棒状のもので上から押し出して外す
ストックチューブを取り外すことができた。ストックチューブを押さえている大きなプラスネジを緩めた際にあまり手ごたえがなかったことから、ストックが上下に動いていた原因はこのネジの緩みだったようだ
ストックチューブが噛み合う基礎部分は金属製で、剛性を高める工夫が施されている
ネジを締めこむだけでも充分な固定ができるのだが、せっかくここまで分解したのでひと工夫してみよう。ビニールテープを基部の上下に貼り、ネジ受けパーツが通れるようにカッターで切れ目を入れた。基礎部の高さを少しだけ上げてストックチューブとの結合をよりタイトなものにした
組み立ててネジを締めこむとストックのガタも消え、新品の時と同じ剛性を取り戻した
レシーバーとストックの分解・清掃
ストックとレシーバーを分離するために六角ボルトを緩めていく
トリガーガード後方の穴の奥にある六角ボルトも緩める
六角ボルトを緩めるとレシーバーとストックが分離できる。六角ボルトはストック内部に残る設計となっているので、無理に取らなくても大丈夫だ
ストックの清掃には清潔な布もしくはウエス、先の柔らかいハケと樹脂製ブラシがあるとやりやすい。すべてホームセンターなどで購入できるものだ
ストックに備わっているM-LOKスロットには埃や土が詰まっていることがある。筆者のVSR-ONEはM-LOK用レールパネルを付けたままにしていたので細かい汚れが溜まっていた。ブラシで掻き出して清掃する
グリップの清掃
グリップもまたネジが緩みやすい箇所だ。サバゲーに行く前などにグリップ内部にある六角ボルトの様子を見ておくとよいだろう
グリップ内部の六角ボルトを外すとグリップを抜き取ることができる。六角ボルトの受けとなっているナットが落ちてくることが多いので、無くさないように注意しよう
グリップが装着されていた基部には六角ボルトの受けナットが入る穴が開いている
グリップが装着されていた基礎部分には隙間から入り込んだ土埃などが堆積している。エアダスターで吹き飛ばしたあとにウエスで拭き取る
マガジンハウジングの清掃と注油
マガジンハウジングはマガジンの脱着を繰り返すうちに汚れていきやすい箇所だ
軽く湿らせたウエスで拭き取り清掃を行なったあとに、内部のマガジンキャッチ機構にシリコンオイルスプレーを少量吹く。マガジンキャッチを何度か動かしてシリコンオイルを馴染ませる
シリンダーユニットの取り外しと注油
ストックから取り外したレシーバーとバレル。分解の前に観察をしておき、汚れがあったら清掃しておく
バレル下のブロックパーツはプラスネジ2本で固定されているので、これを外す
ホップアップの調整レバーの小さなプラスネジを外す。かなり小さいネジなので精密ドライバーを使った方がよい
レシーバー上部にあるレールマウントは六角ボルト4本で結合している。ここは外気に当たっている箇所なので六角ボルトが錆びたりしていることが多い。取り外してからシリコンオイルスプレーを付けたウエスで磨いてやる
トリガーユニットを取り外す。今回はトリガーユニットの分解は行なわない。東京マルイ製品は工場出荷時に充分な注油がされているので、トリガーユニットなどは相当な弾数を撃たない限りは開ける必要がない
トリガーユニットを外すとレシーバー後端が引き抜けるようになる
そこからシリンダーユニットを取り出せる
シリンダーユニットの清掃と注油
シリンダーユニットは分解ができないように特殊なピンでノズルとボディが結合されている。ピンポンチなどで叩いても外れない構造となっているものだ
シリンダーユニットのボディはボルト操作時に前後に動くので薄っすらとグリスが塗ってある。これに埃や土埃が付着していることがあるので拭き取りを行ない、再度シリコングリスを塗っておく
シリンダーユニットのスプリングとピストンが見えているスリットからシリコンオイルスプレーを吹き入れて注油する。量はそこまで多くなくてよい。目安としては全体的に1 ~ 2秒ほど吹き付けるイメージだ
シリンダーユニット後端にはボルトハンドルを結合する六角ボルトがある。これを外す
ボルトハンドルとシリンダーユニット後端のパーツには小さな棒状のパーツが入っているので落とさないように注意
これはボルトハンドルを上下に動かした際に位置決めと保持するための重要なパーツだ
シリンダーユニットの軸棒はオイルが付いている。パーツクリーナーなどで綺麗に清掃しておき、シリコングリスを塗っておく。こうすることでボルトハンドルの動きがスムーズになる
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この記事は月刊アームズマガジン2023年6月号に掲載されたものです。
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