エアガン

2021/11/19

元祖・電動ガンを最新アップデート!? モダナイズFA-MASを作ろう!

 

 東京マルイが「電動ガン」というカテゴリーを生み出して早30年の月日が流れた。それまでのエアガンの常識を覆し、サバイバルゲームに変革をもたらした電動ガンは今日に至るまでエアガン、ひいてはトイガン全体のスタンダードとして君臨し続けている。今回はその電動ガンの祖である東京マルイ「FA-MAS 5.56-F1」をバージョンアップさせたモデル、「FA-MAS スーパーバージョン」を題材として、新型電動ガンの数々とも向こうを張れるモダナイズFA-MASを作っていこうと思う。

 


 

 さて、ご存じの通り「FA-MAS 5.56-F1」は東京マルイが誇る記念すべき電動ガン第1号であるが、可変HOP機能を搭載していなかった。その2年後、満を持して可変HOP機能を搭載して発売されたのが「FA-MAS スーパーバージョン」だ。もともと高い性能を誇ったFA-MAS 5.56-F1の基本設計をそのままに可変HOPを搭載しただけあって、今でも充分通用する実射性能を誇る傑作である。

 

FA-MAS 5.56-F1(1991年発売)。東京マルイ製らしい高性能を誇ったが、発売当時はHOP調整機能が搭載されていなかった

 

FA-MAS スーパーバージョン(1993年発売)。HOP調整機能が搭載され、今日まで続く電動ガンの基礎を完成させた。筆者が初めて購入したエアガンでもある

 

 しかし、拡張性や使い勝手といった面ではやや古臭さは否めない。モデルとなった実銃の設計が1970年代である以上仕方ないことだが、やはり各種オプション類の搭載はサバゲーで使っていくには不可欠であろう。さらに言えば、全長をコンパクトにしたうえで銃身長が稼げるというブルパップの利点を最大限活かすために全体的にコンパクトで取り回しのいい外装にしたい。そこで今回のカスタム方針を簡単に書き出してみた。

 

  • トップ/アンダーレールを搭載する
  • バレル、キャリングハンドルを切り詰めて取り回しを向上する

 

 先に触れたとおり実射性能自体は申し分ないので、今回は外装カスタムのみ実施しようと思う。ちなみに、今回素材となるのは筆者の私物であるFA-MAS。あまりカスタムパーツなども出回っていない銃であるので、パーツ交換ではなく切った・貼ったのカスタムとなる。手間は手間だが、その分愛着が増すと考えて頑張ってみよう。

 

今回素材となる筆者のFA-MAS。初めてのサバゲーを共に戦い抜いた、思い出の1挺である

 

FA-MASの象徴ともいえるキャリングハンドルだが、大型のため干渉しやすい。見た目のイメチェンも兼ねて短縮する。ちなみにスコープマウントは購入当時に装着したものをそのまま活用する

 

ハンドガードにマウントレールなどはない。そのままでもグリップしやすいが、せっかくなのでより使い勝手を良くしたいところ

 

バレルもハンドガードから大きく飛び出しているため、室内戦での取り回しを考えてカットする

 

作業途中の一幕。ちょうどキャリングハンドルを根元からスパーン! と行ったところだ。小学校の図工ではしゃいでいた記憶が蘇ってきて、これはこれで案外楽しい

 

 というわけで、早速作業に取り掛かっていく。作業内容が内容なだけに、エアガンカスタムというよりプラモ作りか日曜大工(今風に言うとDIY)といった感じだが、これはこれで意外に楽しい。そんなこんなで完成したものがこちら。

 

モダナイズドFA-MASの完成!

 

 

 

 こちらが完成したモダナイズドFA-MASだ! 当初掲げたとおり、バレル先端部分をアウター/インナーともにパイプカッターで大胆にカット。ぱっと見だとかなりのショートバレルに見えるが、実際はブルパップらしくかなりのバレル長を稼げているので性能も申し分ない。

 

バレル先端をばっさりカットし、閉所で振り回しても干渉しにくくなった。インナーバレル先端は目立たないよう黒く塗装

 

 さらにFA-MASの象徴と言えるキャリングハンドルは形として残しつつ、中間部分を2cmほど切り取り上下を武藤商事の「プラリペア」で接続。こちらは締め切りの関係で表面処理がしきれず接続部が盛り上がったまま残ってしまったのが心残りだが、少しずつ整えていこうと思う。

 

キャリングハンドルも大きくカットし、低めの位置に再設置。表面がデコボコしてしまっているのは惜しいところだ

 

 

 また、実射には関係ない部分ではあるものの、せっかくチャージングハンドルが可動式なのをオミットするのはもったいない! ということで、プラ板を積層して削り出し、チャージングハンドルを横付けできるスペーサーを作成。市販のタッピングビスで固定し、短縮したキャリングハンドルでもコッキング操作(のフリ)をできるようにしてみた。

 

ダミーながら可動式のチャージングハンドルを活かすため、プラ板でスペーサーを作成しハンドルを横倒しに

 

コッキング動作もしっかりできる

 

 ハンドガード部にはライラクスの「マルチレイル ミニ」(¥1,320)を装着。アンダーレールにはコンパクトタイプのフォアグリップ、トップにはマイクロドットサイトを取り付けた。

 

ハンドガードにマウントレールを取り付け、コンパクトフォアグリップを装着。構えやすさがぐんと上がった

 

 

ハンドガードはバッテリースペースも兼ねているため、裏面に飛び出たネジの先端にビニールテープを3重に貼って養生している

 

コンパクトにまとまったスタイルに合わせて、トップレールにはマイクロドットサイトを搭載。マウントの高さもちょうどいい

 

 完成後、改めて構えてみると驚くほど構えやすい! もともとが軽量で使いやすかったところをさらに軽量・コンパクトにしたことで取り回しがかなり向上できたようだ。もはや老兵とすら言われることもあるFA-MASだが、使い手の愛次第でまだまだ一線級の力を発揮できるのだ。作業自体も、一見敷居が高く見えるがやってみると案外手軽に行なえる。読者の皆さんも、思い出のエアガンを近代化して蘇らせてみてはいかがだろうか。

 

TEXT:ポスカ/アームズマガジンウェブ編集部

 

この記事は月刊アームズマガジン2021年11月号 P.54~57より加筆・再編集したものです。

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