2021/10/27
【特別企画】第2回『WARPATH -武装都市- 』×アームズマガジン「助けて!副編集長!!」 ~大戦で活躍する戦車たち~
好評配信中のスマホアプリゲーム『WARPATH -武装都市-』。世界戦争のヨーロッパ戦線をモチーフにした、本格的なシミュレーション×リアルタイムストラテジーゲームだ。すでにアジアや欧米圏を中心に絶大な人気を誇るこちらのタイトル。“日本一のミリタリー情報誌”を謳うアームズマガジン編集部としても遊ばないわけにはいかないでしょ!と、手を挙げたのは新入りのポスカだった…。
第1回では歩兵が持つ役割や、スプリングフィールドなど大戦時に活躍した小銃を解説。しかし、まだまだゲームは始まったばかり。ポスカの疑問も増えるばかりで…。
…助けて!副編集長!!
※この記事は「WARPATH -武装都市-」を100倍楽しむための特別企画です
■とある日、社内の工作ブースにて…。
??「…よーし…!」
副編集長(以下、副)「…一体なにを作っているんですか?」
ポスカ(以下、ポ)「…わ!副編集長!」
副「(こっちも驚いてしまった)」
ポ「お疲れ様です!」
副「これ、マチルダMk2じゃないですか」
ポ「そうなんですよ。作品内でも登場していて、思わず買っちゃいました」
副「今から作るんですか?」
ポ「えっと…そのつもりですが…?」
副「…」
ポ「…あ!作り終わったらちゃんと『WARPATH』もしますよ!!」
副「(彼に頼んだ記事はいつ完成するんだろう…)」
ポ「そんなことより、色々教えてほしいんですけど…」
■教えて!副編集長! Q&A
Q.
『ガルパン』でも大人気のマチルダMk.2ってどんな戦車なの?
A.
イギリス陸軍が1930年代半ばに配備した歩兵戦車Mk.Ⅰ(A11)は、その姿から当時のアニメ映画に登場したアヒルの名にちなんで「マチルダ」と呼ばれていました。
この戦車は防御力は優れていたものの搭載しているのが機銃1挺と武装が貧弱だったので、より大型で主砲も備えた歩兵戦車Mk.Ⅱ(A12)が開発されることになり、1938年に完成。これがいわゆる“マチルダⅡ”で、『WARPATH -武装都市-』に登場しているのはこちらですね。ちなみに、歩兵戦車とは当時のイギリス軍における戦車の分類で、歩兵支援のための武器を持ち防御力が高い戦車(=速度が遅い)を歩兵戦車、対戦車戦闘などを想定して機動力を重視した戦車(=速度が早い)を巡航戦車と分類していました。
歩兵戦車Mk.Ⅱ(マチルダⅡ)は全長5.61m、重量26.9tで、エンジンは当時のロンドンバスより転用した87馬力の直列6気筒液冷ディーゼルを2基搭載し、路上最大速度は24km/hを実現。装甲厚は13~78mmと重装甲で、武装は2ポンド戦車砲L52と水冷式7.7mmヴィッカーズ機銃を装備しています。派生型として機銃を7.92mmBESAに変更したMk.ⅡA マチルダⅡ、エンジンを強化したMk.ⅡA マチルダⅢや無線機を更新したMk.ⅡA マチルダⅣなどもあります(件の『ガルパン』に登場したのはこちらの後期型のようです)。
第二次大戦が開始されると1940年にはフランスで実戦投入され、通常の対戦車砲では歯の立たない本車の出現にドイツ軍は驚愕。北アフリカ戦線においては1941年6月のバトルアクス作戦などで活躍し、歩兵を伴う姿から「戦場の女王」とまで称されています。また、ドイツ軍が本車を仕留めるため、8.8cm高射砲を用いた話も有名ですね。1942年6月のエル・アラメイン戦以降は第一線から退き、火炎放射戦車や架橋戦車など特殊用途向けに改造されたほか、ソ連にも供与されて活躍しました。
▲「戦場の女王」A12マチルダ Mk.2はレア度もマックス。ぜひ手に入れて使いたい!カスタマイズして強化することもできるぞ。
▲手に入れた戦車は3Dモデルをじっくり閲覧することも可能だ
Q.
ストーリーを進めると手に入る“レーヴェ”ってどういう戦車なの?
A.
第二次大戦中にドイツで計画された重戦車の愛称で、レーヴェ(Lowe)とはドイツ語でライオンの意味です。ドイツ戦車は、ティーガーやパンターといったネコ科の猛獣の愛称が有名ですが、百獣の王であるライオンの名を冠したこの戦車の開発計画は、結局実現しませんでした。
ちなみに重戦車というのも戦車の分類で、一般的に防御力(場合によっては火力も)を重視した大型の戦車を重戦車(=重くて遅いものが多い)、機動力を重視してスピードが速い小型の戦車が軽戦車や豆戦車。その中間で防御力、機動力、火力のバランスをとっているのが中戦車です。
1941年6月に独ソ戦が開始されると、ドイツ陸軍はT-34(中戦車)やKV(重戦車)といったソ連軍の強力な戦車に苦戦を強いられ、より優れた戦車が必要とされるようになりました。その対抗策の一環として、1941年11月にドイツで開発計画が始まった70トン級重戦車VK 70.01が、後にレーヴェと呼称されています。開発は兵器メーカーの名門クルップが手がけ重量は70トンから90トンまで、搭載する主砲は70口径10.5cm砲あるいは38口径15cm砲、エンジンは700馬力~1,000馬力と、いくつかの仕様が考案されました。ドイツ戦車としては珍しくソ連戦車のように丸みを帯びた鋳造砲塔や、ザウコップ(豚の頭)と呼ばれる防盾なども仕様に盛り込まれていたのも特徴的です。しかし、当時はほぼ同時期に複数の戦車が開発中で非効率的と考えられていたことや、ヒトラー総統の横槍で開発が迷走。さらには100トン級の超重戦車が望まれたことなどが影響して、1942年7月にレーヴェの開発は中止されました。
それと、似たような仕様のティーガーⅡ(ケーニヒスティーガー)が1943年半ばに採用され、大戦末期に使われたのは有名ですね。そして、件の100トン級超重戦車は「マウス(ネズミ)」の愛称で開発が進み、終戦間際に試作車2輌が製造されてうち1輌はソ連軍に接収され、もう1輌は戦場に向かっていたところで行動不能となり、爆破されて終戦を迎えています。
Q.
カチューシャってなに?スターリンのオルガンってどういうこと?
A.
いずれも第二次大戦の頃にソ連陸軍が使用していたBM-8/BM-13多連装ロケット砲の呼称です。
BM-8は独ソ戦が開戦した1941年6月からソ連陸軍に配備され、第二次大戦を通じて活躍。使用する82mmM-8ロケット弾は最大射程約5.5kmで、発射機のレールに装填して発射します。BM-8には6連装から72連装のタイプまであり、48連装のBM-8-48の場合、48発のM-8ロケット弾を連続発射することができました。
多連装ロケット砲は命中精度は榴弾砲に劣るものの、短時間のうちに広範囲に砲弾を送り込めるので、陣地などの面制圧に威力を発揮します。後に、より強力な130mmM-13ロケット弾を使用できるBM-13も開発されています。これらはトラックや軽戦車の車台などに搭載して自走化されているのが一般的です。ちなみに、『WARPATH -武装都市-』に登場しているのは、画面を見る限りアメリカ供与の6×6トラックに搭載された16連タイプなので、BM-13-16のようですね。
さて、「カチューシャ」というのはロシア女性の名前で当時の流行歌のタイトルでもあり、ソ連軍兵士がBM-8にその愛称を付けました。これが後々まで定着して、戦後になってもソ連/ロシア製の多連装ロケット砲がそう呼ばれることもあります。
また、BM-8/BM-13のロケット弾は飛翔する際にオルガンのような音を鳴り響かせるため敵兵に与える心理的な効果も高く、ドイツ軍兵士は「スターリンのオルガン」と呼んで恐れていました。ちなみに、スターリンとは当時のソ連の指導者、ヨシフ・スターリンのことです。
▲史実ではカチューシャはソ連軍の兵器だが、ゲーム内ではどこに所属していても使用できる。発射まで時間はかかるものの、敵軍を一掃できるぞ!
Q.
第二次世界大戦では、この他どんな戦車が活躍したの?
A.
印象的なのはやはりドイツの戦車で、中でもティーガー重戦車ですね。高射砲から改修された強力な56口径8.8cm砲と前面最大100mmの装甲を持ち、1942年の配備以来終戦まで活躍。ミハエル・ヴィットマンをはじめ、100輌以上撃破した戦績を持つドイツ戦車兵エースの多くがこのティーガーに搭乗していたことも有名で、おそらく模型でも一番人気なのではないでしょうか。
これを上回る重戦車がティーガーⅡで、71口径8.8cm砲と前面最大150mmの装甲を持ち、当時世界最強の戦車と呼ぶにふさわしいスペックを誇りました。しかし、ティーガーⅡが登場した1943年はすでにドイツが劣勢となっていた時期で生産数も少なく、補給や整備が不十分となり、熟練した戦車兵が減っていたことなどさまざまな要因が相まって、終戦までティーガーのような目覚ましい活躍を見せることはできませんでした。
これらの重戦車は火力と防御力に優れていた反面、重いがゆえの運用の難しさもありました。一方、ティーガーⅡより少し前に実戦投入されたパンター中戦車は攻、守、走のバランスがとれた非常に優秀な戦車でした。ティーガーとざっくり比較すると70口径7.5cm砲の威力はほぼ同等、防御力は劣り、機動力は上。ライバルのT-34やM4シャーマンはもちろん凌駕していました。しかし、ティーガーⅡ同様ドイツが劣勢になって以降の配備なので、やはりティーガーほどの活躍ができたとは言えないでしょう。
第二次大戦開戦から終戦まで奮戦したのがⅢ号戦車とⅣ号戦車です。まず、Ⅲ号戦車は機動性が高く、第二次大戦初期には優秀な戦車と言えました。初期型で3.7cm砲、後期型で5cm砲、あるいは短砲身7.5cm砲を搭載していましたが、イギリスのマチルダやソ連のT-34といった防御力の高い戦車が登場してからは苦戦を強いられています。Ⅲ号戦車は車体サイズが比較的小さかったため、より強力で大型の48口径7.5cm砲を搭載するべく固定砲塔に改めたのがⅢ号突撃砲です。回転砲塔を持たないため砲の向きを大きく変えるには車体を旋回させる必要はあったものの、低コストでバランスも取れていたため、ドイツ軍の装甲車輌としては約1万輌と最も多く生産されました(厳密には戦車ではありませんが…)。Ⅳ号戦車はもともと歩兵支援用に開発され車体サイズもⅢ号より大きめだったため、後期の改良型では回転砲塔に48口径7.5cm砲を搭載できています。ライバルのT-34に比べ防御力では劣っていましたが、度重なる改良と優秀な戦車兵の腕でそうした欠点は補われました。生産数もⅢ号突撃砲に次いで多く、「軍馬」と呼ばれ親しまれ、ドイツ戦車の主力の座を終戦まで保つことになりました。
ドイツには他にもさまざまな戦車があって語りつくせないですし、イギリス、アメリカ、ソ連、イタリア、日本などにもご存知のとおりさまざまな戦車があるので、そのあたりは次回に説明しましょう。
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アームズマガジンウェブの読者には、かつてウォーシミュレーションゲームにハマった方もいるだろう。とはいえ、忙しい日常の中でこうしたゲームに時間をあてるのはなかなか難しいのではないだろうか…。
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『WARPATH -武装都市-』
●配信プラットフォーム:iOS, Android
●開発運営:Lilith Games
●基本プレイ無料
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シリアルナンバー:WPAK47
※シリアルナンバーの入力方法は,公式サイト&ゲームのFAQでご確認ください。
次回は11月下旬に配信予定!
ゲームでも“戦役”として登場する数々の有名な戦いを史実に沿って解説!
ポ「副編集長、ほんと詳しいっすね!せっかくなんでこのまま手伝ってもらえません?」
副「せっかくの意味、分かってる?」
▲モスクワ、アフリカなど各地の戦線を追体験できる「戦役」モードについては次回を待て!
TEXT:アームズマガジン副編集長&ポスカ