2021/10/07
アメリカ海兵隊特殊部隊が制式採用した「M45A1 CQB」【トイガン・マスターピース・ファイル Vol.05】
人気モデルやロングセラーのエアガン、モデルガンの特徴を探るこのコーナー。今回は東京マルイのガスブローバックガンM45A1 CQBピストルだ。
第4回「LCT AIRSOFT LK-33A2 AEG」はこちら
東京マルイ
M45A1 CQB PISTOL
アメリカ海兵隊特殊部隊が制式採用したコルトM45A1 CQBP
東京マルイのガスブローバックハンドガンの中でもグロックシリーズ、ハイキャパシリーズに次いで人気なのがM1911A1ガバメントシリーズだ。実銃の形状がリアルに再現された各部パーツ、打刻によって再現されたスライドの刻印、パーティングライン処理、ブラストによる表面仕上げ、コレクション性を重視したパッケージなど、メーカーとしてのコダワリが随所に感じられる。そのシリーズのバリエーションとして2018年に加わったのがコルトM45A1 CQBピストルだ。
実銃のコルトM45A1 CQBピストルは、キンバーICQBMod.1の後継機種として2012年に制式採用された。2010年に始まった採用テストではスプリングフィールドやキンバーなどが参加したが、ファクトリーカスタムに準じる特徴を有するコルト・レールガンで参加したコルトが採用を勝ち取ったことは、M1911が制式採用されてから100年以上の時を経て、再びコルトのガバメントが制式採用されたと話題になった。
レール部分の厚みが増されたステンレス製フレーム&スライドに5インチナショナルマッチバレル、ノバックサイト、エンハンスドハンマー、アップスウェプト・グリップセーフティ、アンビセーフティを装備。タンカラーの表面処理はセラコートフィニッシュ(後にイオンボンドのデコボンド(Decobond)ブラウンコーティングへ変更)となっている。M45A1はタクティカルガバメントの代表機種といっても過言ではない。
数々の改良を加え誕生したガスブローバックM45A1
東京マルイのM45A1 CQBピストルは、特徴的なタンカラーフィニッシュの色合いや質感はもちろん、アメリカ海兵隊の要求に基づいて作られた各部のパーツ、スライドの刻印やフレーム右側のUIDコード、独特なチェッカードグリップに至るまでリアルに再現。また、M.E.U.ピストル同様、リアサイトはノバック社との正式契約により再現されている。
さらに、シリーズ第1弾のM1911A1コルトガバメントの登場から10年以上が経過し他製品の熟成が重ねられる中で、同社のハイキャパシリーズをベースとしたものからさらに完成度を高めるべく改良を実施。従来のM1911A1シリーズの特徴を継承しつつ、数多のアップデートが行なわれている。
新型のブローバックエンジンではシリンダーのストロークとバルブの形状などを見直し、ピストンにローラーを設けた。これによりシリンダーの動きがスムーズになり、よりスピーディーでシャープ、かつ迫力のあるリコイルショックを実現している。
一方、ショートリコイルシステムは、スライドが後退するに従ってアウターバレルが斜めにティルトする構造だった従来のM1911A1シリーズに対して、M45A1ではアウターバレルが垂直にティルトする構造を採用。これによりスライドが後退した後と再前進する際にアウターバレルを巻き込んでブレーキがかかるフリクションロスを防ぎ、滑らかな作動フィーリングを実現している。
マガジンにも改良が加えられている。ガバメントのシングルカアラムマガジンは、グロックシリーズやハイキャパシリーズなどのダブルカアラムマガジンに比べて気化スペースが限られており、特に連射時にブローバックアクションの低下を招きやすい。そこで、M45A1のマガジンは従来型よりもガスの気化スペースを増やすことで安定感のあるブローバックアクションを実現している。装弾数は27発で、既存のM1911A1シリーズのマガジンと共用できる。
明らかな進化が実感できる最新のガバメントモデル
実射してみると、従来のM1911A1ガバメントシリーズに比べてはっきり実感できるほどリコイルショックがアップしており、よりスピーディーでキレのあるブローバックアクションを実現している。各部のアップデートの相乗効果から命中精度も安定しており、ガスブローバックハンドガンの最新モデルにふさわしい実射性能が得られる。
東京マルイのM45A1は、今回紹介したアメリカ海兵隊仕様のCQBピストルとオールブラックのM45A1ブラックをラインアップしており、装備や好みに応じて選べる。ガバメントカスタムの決定版としてこれからも多くのユーザーに支持されるだろう。
東京マルイ
M45A1 CQBピストル ガスブローバックガン
DATA
- 全長:222mm
- 全高:143mm
- 全幅:36mm
- 重量:823g
- 装弾数:27発
- 価格:¥20,680
- お問い合わせ先:東京マルイ
TEXT:毛野ブースカ/アームズマガジンウェブ編集部
PHOTO:須田壱(スタジオゼット)
撮影協力:F2プラント
この記事は月刊アームズマガジン2021年11月号 P.110~113より抜粋・再編集したものです。