2021/05/22
エアガンの常識を覆したLMG【トイガン・マスターピース・ファイル Vol.01】
人気モデルやロングセラーのエアガン、モデルガンの特徴を探るこのコーナー。今回はS&Tの電動ガンM249パラスポーツラインを紹介する。
S&T
M249 PARA SPORTLINE AEG
LMGエアガンの常識を覆した軽量・リーズナブルな電動ガン
エアガンのいちジャンルとして日本で定着しつつあるスポーツライン。主に海外メーカーを中心にリリースされており、軽量な強化樹脂製ボディを採用、上位機種に比べて機能をオミットするなどしているが、比較的入手しやすい価格設定で初心者向けのエントリーモデルである。以前はそれこそスポーツラインといえば「安かろう悪かろう」的な製品が多かったが、最近では電子トリガーやFETが標準装備されているなど上位機種並みのスペックを持つ製品が多くなり、各社とも力を入れてラインアップの拡充を図っている。
そんなスポーツライン系の電動ガンとして発売以来人気が衰えることがない製品が、S&TからリリースされているM249パラスポーツライン電動ガンだ。
実銃のM249 MININIはアメリカ軍をはじめ自衛隊にも採用されているSAW/LMGである。LMG(マシンガン)はサバイバルゲームで一度は使ってみたい銃のひとつだが、エアガン化されるLMGのほとんどが、そのイメージどおり重厚長大なものが多い。陣地に据え付けて敵を待ち構えるならまだしも、アクティブにフィールドを動き回ったり、映画のヒーローのように片手で持ってバリバリと敵をなぎ倒すにはエアガンとはいえそれなりの体力が必要とされる。そんなLMGを使いたくでも使いにくい傾向に風穴を開けたのがこのモデルだ。
多くのLMGタイプのエアガンが金属製パーツをメインにしているのに対して、スポーツラインというその名のとおり、外装パーツのほぼすべてに強度のあるナイロンファイバーが使われている。そのためLMGながら4kgを切る重量となっており、片手で持ててしまうほどLMGとしては軽い。ディテールもパッと見では上位機種と変わらないリアルさを実現しており、スポーツラインのイメージを覆す出来映えだ。
ギアボックスは汎用性の高いバージョン2タイプ。電子トリガーやFETといった最新の電子制御システムは付与されていないが、逆にシンプルな構造からチューニングもしやすい。ボックスマガジンは用意されていないものの電動ガンM4系のマガジンが共用できる。
可動部分は必要最小限だが、バレルアッシーが実銃同様にワンタッチで着脱できるためメンテナンスしやすい。さらに価格設定も、多くのLMGタイプのエアガンがそのサイズ・重量感に比例して高額なのに対して、税込30,800円というスポーツラインらしいリーズナブルな価格を実現している。
実際に手にしてみると、同じスポーツライン系のM4カービンよりは重いもののLMGという先入観もあって驚くほど軽く感じる。軽量さとあいまってコンパクトなパラバージョンなので取り回しやすい。ナイロンファイバー製だが各部の剛性はしっかり確保されており、ラフに扱っても不安感はない。実銃同様にフルオートオンリーなので精密射撃は苦手だが集弾性は高く、濃い目の弾幕を張ることができる。LMGらしいボックスマガジンは使えないが、ドラムマガジンを活用すれば弾数アップが図れる。
あらゆる面からLMGタイプのエアガンの常識を覆したこのモデル。従来の重厚長大なLMGらしさをあえて追求せず、エアガンとしての使いやすさ・実用性に割り切った作りとなっている。パラバージョンに加えてロングバレル&固定ストック仕様のM240SAW E2もラインアップされており、これからもサバイバルゲーマーを中心に愛され続けるだろう。
S&T
M249 PARA SPORTLINE AEG
DATA
- 全長:790mm/925mm(ストック伸長時)
- 重量:3,700g
- 装弾数:300発
- 価格:税込¥30,800
- お問い合わせ先:UFC e-mail:wholesale@ufc-web.com
TEXT:毛野ブースカ/アームズマガジンウェブ編集部
撮影協力:ビレッジ2
この記事は月刊アームズマガジン2021年6月号 P.104~107より抜粋・再編集したものです。