2021/06/01
新世代ブルパップライフルをAEGに再現したエアガン【トイガン・マスターピース・ファイル Vol.02】
人気モデルやロングセラーのエアガン、モデルガンの特徴を探るこのコーナー。今回はARESの電動ガン・ケルテックRDBを紹介する。
第1回「M249 PARA SPORTLINE AEG」はこちら
ARES
KEL-TEC RDB AEG
独創的なメカを持つブルパップライフルを電動ガンでリアルに再現
かつて次世代のアサルトライフルともてはやされたブルパップライフル。代表作であるステアーAUGやFA-MASは1970年代に開発されており、実はM16A2よりも古い。ブルパップライフルは機関部をグリップより後方に配置することでバレル長を維持しつつコンパクトにできるなどのメリットが多く、ポリマー樹脂を多用するなどの先進的な素材や機能も積極的に取り入れられていた。
しかし、現在のアサルトライフルはM4A1カービンやAKシリーズを軸にそれらの派生型、もしくはSCARや自衛隊の20式小銃など次世代型が多数派を占めている。ではなぜブルパップライフルは主流にならなかったのか。
理由として考えられるのが、1990年代以降におけるアサルトライフルの運用方法の変化である。ブルパップライフルは構造上、今では当たり前となっているショルダースイッチや素早いマガジンチェンジがしにくいのだ。また、ウェポンライトやレーザーエイミングデバイスなどのアクセサリーを装着できる拡張性が低いことが挙げられる。もちろん1990年代以降のブルパップライフルでは時代に即した特徴を持たせたモデル、例えば前方排莢システムを搭載したFNのF2000や、コントロールレバー類をアンビ化したIWIタボールTAR-21などがあるものの、やはり少数派にとどまっている。
そんなブルパップライフル不遇の時代に一石を投じたのが、アメリカのKEL-TEC(以下ケルテック)が開発したRDBだ。ケルテックといえば映画『ジョン・ウィック』で登場して広く知られるようになったブルパップショットガンKSGや、FN P-90のマガジンが使えるオートマチックピストルP50をリリースしている個性的なガンメーカーである。銃名のRDBとは「Rifle Downward-ejecting Bullpup」の略称で、通常なら発射後に機関部の横に排莢される空薬莢を機関部の真下に排莢するようにしたメカが採用されている。さらにマガジンキャッチやセレクターレバーをアンビ化することで、ショルダースイッチやマガジンチェンジのしにくさを解消しているのが特徴だ。
このユニークなブルパップライフルを電動ガン化したARESは、このモデルを再現するにあたりケルテックとライセンス契約を結んでいるEMGとコラボ。実銃同様のマークがモールドされたレシーバーはハイクオリティ・ナイロンファイバー製で、アッパーレールが装着された長さ17インチのアウターバレルは金属製。内部にはARES独自のEFCS(電子制御システム)が内蔵されている。
実際に構えてみるとコンパクトで取り回しやすく、ボディのほぼセンターにあるグリップのおかげで前後の重量バランスが取れており構えにくいことはない。セレクターレバーは自然に操作できる位置にあり、マガジンキャッチはシンプルな構造だが確実に操作できる。光学機器はドットサイトかショートスコープがお薦めだ。
KSG譲りの未来的なフォルムが特徴のこのモデル。M4A1カービンに飽きた方や個性的な電動ガンが欲しい方に手に取ってもらいたい。
ARES
KEL-TEC RDB 電動ガン
DATA
- 全長:650mm
- 重量:3,040g
- 装弾数:ミドル130発/ショート100発
- 価格:オープン(オリーブドラブ、ブラック、デザートカラー)
- お問い合わせ先:キンワ e-mail:sales@kinwa-co.jp
TEXT:毛野ブースカ/アームズマガジンウェブ編集部
撮影協力:ビレッジ2
この記事は月刊アームズマガジン2021年7月号 P.98~101より抜粋・再編集したものです。