エアガン

2021/08/11

H&KのアサルトライフルHK33を再現した電動ガン【トイガン・マスターピース・ファイル Vol.04】

 

 人気モデルやロングセラーのエアガン、モデルガンの特徴を探るこのコーナー。今回はLCTエアソフトの電動ガンLK-33A2だ。

 

第3回「タナカ SIG P226 Mk25 EVO2 フレームHWモデルガン」はこちら

 


 

LCT AIRSOFT
LK-33A2 AEG

 

LCTエアソフト LK-33A2 電動ガン

 

5.56mm×45弾仕様のHK33を電動ガンでリアルに再現

 

 ヘッケラー&コック(H&K)のライフルと聞いて思い浮かべるモデルといえば、かつてはG3シリーズ、今ではHK416かG36シリーズだろう。今回取り上げるLCTエアソフトのLK-33は、H&K製ライフルの中ではどちらかといえばマイナーな機種といえるHK33を電動ガンで再現したモデルだ。

 

LCTエアソフト LK-33A2 電動ガン

 

 1963年に開発された実銃のHK33はM16と同じ5.56mm×45弾を使用し、発射方式はG3シリーズと同じローラーロッキング方式を踏襲。G3をそのままダウンサイジングしたかのような外観となっており、G3やMP5とともにH&Kのウェポンシステムの一角を形成している。
 バリエーションとしてA2が固定ストック付き、A3がリトラクタブルストック付き、カービンサイズのHK33K、マイクロカービンサイズのHK53がある。トルコやミャンマーなど海外で多数ライセンス生産されており、それらの中でもアメリカのハーリントン&リチャードソンのT223はベトナム戦争時にアメリカ海軍特殊部隊ネイビーシールズが使用していたことで知られている。しかしエアガンではKSCとクラシックアーミーが再現しているだけだ。やはりMP5シリーズなどに比べるとマイナーな機種ではある。

 

LCTエアソフト LK-33A2 電動ガン
重厚感漂うスチールプレス製のレシーバー。基本的な形状はG3やMP5と共通しており、G3やMP5を使ったことのある方なら違和感なく持ち替えられる

 

LCTエアソフト LK-33A2 電動ガン
G3よりも小ぶりなエジェクションポート。ボルトには閉鎖不良時に指で押して閉鎖するためのセレーションが入れられている

 

LCTエアソフト LK-33A2 電動ガン
G3などに採用されているのと同じワイドタイプの樹脂製ハンドガード。前方下部にはオプションのバイポッドを装着するためのラグが設けられている

 

LCTエアソフト LK-33A2 電動ガン
G3シリーズ同様、コッキングレバーはロックすることが可能。この動作に憧れるマニアも多いはず

 

LCTエアソフト LK-33A2 電動ガン
フロントセクションの形状も細身のバレル以外はほぼG3と同じ。フラッシュハイダーはスチールからの削り出し

 

LCTエアソフト LK-33A2 電動ガン
マガジンキャッチはボタン式とセンターレバー式を兼ね備えている。G3やMP5と共通の操作性を持たせているのがわかる

 

LCTエアソフト LK-33A2 電動ガン
いわゆるアーリーバージョンとよばれるロアレシーバー(トリガーグループ)のセレクターレバーはS(セーフ)、E(セミオート)、F(フルオート)。グリップする手の親指では届きにくい場所に配置されているため片手で素早く扱うのはやや難しい

 

LCTエアソフト LK-33A2 電動ガン
G3やMP5と共通の固定ストック。プッシュピンを外すだけでリトラクタブルストックと交換できる

 

台湾・LCTエアソフトの強みが存分に生かされたモデル

 

 LCTエアソフトは台湾のエアガンメーカーだ。もともと金属加工メーカーとして誕生し、2000年代に入ってトイガンの製造を始めている。そんなLCTが自社のプレス加工技術を生かせるのがAKシリーズであった。
 金型を自社で製造できるトイガンメーカーはそれほど多くはない。しかし同社は金型製造から組み立てまで100%自社で行なっており、技術力の高さが窺える。同社のAKシリーズ電動ガンは実銃同様のプレス(スタンプド)製レシーバーを採用、AKMやAK74MNをはじめとした幅広いラインアップは日本でもよく知られている。そこに同様のスチールプレス製レシーバーを持つLC-3(H&K G3)電動ガンが加わった時は大きな話題を呼んだ。LK-33はそのバリエーションとして発売されたものであり、LC-3シリーズと同じくレシーバーをスチールプレスで再現している。

 

LCTエアソフト LK-33A2 電動ガン
複雑な断面を持つ肉厚なスチールプレス製のアッパーレシーバー。実銃同様の質感が味わえるだけではなく耐久性にも優れている

 

LCTエアソフト LK-33A2 電動ガン
ピンを2本抜くだけで実銃同様にアッパーレシーバーからストックとロアレシーバーが取り外せて、インナーバレルが取り出せる。メカボックスはバージョン2タイプに準拠

 

LCTエアソフト LK-33A2 電動ガン
複雑な形状のマガジンもレシーバー同様スチールプレス製。装弾数は130発

 

LCTエアソフト LK-33A2 電動ガン
MP5と共通のエルゴノミクスデザインのトリガーグループ。グリップはモーターが内蔵されているにもかかわらず握りやすい

 

LCTエアソフト LK-33A2 電動ガン
ハンドガードを外すとバッテリーコンパートメントが現れる。バッテリーはいわゆるヌンチャクタイプと呼ばれるセパレートタイプの7.4Vリポバッテリーが適している

 

実銃さながらの重量感にも趣きが味わえる1挺

 

 実際に手にすると、いかにもLCTエアソフトが生み出すエアガンらしい質感・重厚感を漂わせている。パッと見では実銃と区別がつかないほど外観の完成度は高い。重量は4kgで実際に手にするとかなり手応えがあり、現代のポリマー樹脂を多用した軽量なアサルトライフルにはない“鉄砲らしさ”を漂わせる。
 メカボックスはバージョン2タイプをアレンジしたもので、電子トリガーシステムなどは搭載されていない。オーソドックスな電動ガン(AEGタイプ)のほかにリコイルショックが体感できるEBBタイプも用意されている。レールハンドガードやスコープマウントベースなどのオプションパーツも多数用意されており、ストックやハンドガードは実銃同様にピンを外せば交換可能だ。

 

LCTエアソフト LK-33A2 電動ガン
固定ストックはリトラクタブルストックに比べて安定感がある。マウントベースを介してライフルスコープを装着すればスナイパーライフルとして活用できる

 

LCTエアソフト LK-33A2 電動ガン
G3よりレシーバーの長さが短くなっているので構えやすい。しかし重量が4kgあるのでフィールドで取り回すにはそれなりの体力がいる。またこの写真でもセレクターレバーがグリップした手では届きにくい位置にあるのがわかる

 

LCTエアソフト LK-33A2 電動ガン
チャージングハンドルは実銃のように引くことができる。このアクションができるだけでもHKマニアとしてはうれしい

 

 バリエーションは固定ストックのA2とリトラクタブルストックのA3に加えてLK-53(H&K HK53)が発売予定とのこと。オールドユーザーのみならず若い方にもHK33の持つ魅力をこのモデルを通して味わってほしい。

 

LCTエアソフト LK-33A2 電動ガン

 


 

LCTエアソフト
LK-33A2 電動ガン

 

DATA

  • 全長:929mm
  • 重量:4,080g
  • 装弾数:130発
  • 価格:オープン
  • お問い合わせ先:LCTエアソフト

 

TEXT:毛野ブースカ/アームズマガジンウェブ編集部

 

 

この記事は月刊アームズマガジン2021年9月号 P.102~105より抜粋・再編集したものです。

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