2021/07/15
ネイビーシールズのMk25を再現【トイガン・マスターピース・ファイル Vol.03】
人気モデルやロングセラーのエアガン、モデルガンの特徴を探るこのコーナー。今回はタナカのモデルガン・SIG P226 Mk25 EVO2フレームHWだ。
タナカ
SIG P226 Mk25 EVO2 Frame Heavy Weight MODELGUN
アメリカ海軍特殊部隊ネイビーシールズが採用するMk25を忠実に再現
P320がアメリカ軍制式採用拳銃にM17/M18として採用されるなど今や飛ぶ鳥を落とす勢いのSIG SAUER。SIG SAUERを代表するハンドガンといえばP226シリーズであることは疑いの余地がない。現在ではクラシックラインに属するP226シリーズは、かつてベレッタ92Fとアメリカ軍制式採用拳銃トライアルの座をかけて戦ったものの敗れてしまった。市販状態での精度の高さと信頼性から下馬評では有利だったP226がトライアルに敗北した理由は諸説あるものの、その後は世界各国の軍・法執行機関で採用され、そのひとつがアメリカ海軍特殊部隊ネイビーシールズだった。
ネイビーシールズはアンダーレールなしのいわゆるP226のアーリーモデルに塩水腐食対策を施して「Mk24」の名称で採用。2000年代に入りアンダーレールが標準装備されたP226Rの登場に伴い、アンダーレールの規格をユニバーサルレールからピカティニースペックに変更して「Mk25」として採用した。現在、USSOCOMではグロック17をMk28、グロック19をMk27として制式採用しているものの、現在も継続してP226を使い続けている。
数あるP226の中で初のモデル化となったMk25
P226はトイガンでも人気があり、1980年代にはマルゼンがライブカート式エアコッキングガンで、1990年代に入りグンゼ産業(現:GSIクレオス)がケースレス式エアコッキングガンでリリースした。この2社の製品は短命だったものの、その後にタナカはガスブローバックガンとモデルガンで初めて再現。発売当初はアーリーモデルだったが、実銃のP226Rの登場にあわせていち早くガスブローバックガンでリリースした。外観のリアルさには定評のあったモデルガンバージョンは数度のマイナーチェンジを経て、発火性能を高めたEVO2カートリッジと強化ABS樹脂製スライド&ヘビーウエイト製フレームを組み合わせたモデルに進化している。
実はピカティニースペックのアンダーレール付きのMk25は、タナカが初めてトイガン化したのだ。P226Rに続く初物なのだが、アンダーレールの形状だけではなく各部の再現性も高く、モデルガンとしての実用性にもこだわっている。
スライドとフレームで色合いが異なる実銃の雰囲気を再現し、メイド・イン・ジャーマニー刻印のフレームにアンカー(錨)マーク入り特殊強化ABS製スライド、潤滑・防錆処理が施されたデコッキングレバー、チェッカーマガジンキャッチ、新型グリップ、セラコート仕上げのアルミ製UIDプレートが付属。さらにエラストマー製ハンマーストップ、防錆仕様のマガジンやスライドキャッチレバーなどが導入されている。EVO2の特徴である発火時の耐久性・安定性を高めた強化バレル、スプリングバッファー付きリコイルスプリングガイドが付属している。
最新EVO2仕様の軽快な撃ち応え!
外観のリアルさはもちろん、発火性能を重視したMk25は発火させてこそ、その真価が発揮できる。アルミ製EVO2カートリッジに5mmキャップ火薬を詰めてマガジンにロードし、本体にマガジンを挿入してチャンバーにカートリッジを送り込む。
トリガーを引くと手首にピシッとくるリコイルショックと乾いた発火音とともにカートリッジが勢いよくエジェクトされる。スプリングバッファーが導入されたことで、従来型に比べてリコイルショックは若干マイルドになったものの、キリッとした撃ち味と軽快さは変わらない。連射しても不発やジャムはいっさい発生しなかった。ダブルアクションのトリガーフィーリングや操作感、銃身線が高い位置にある形状など、実銃のP226を撃った経験がある人間としては純粋に撃っていて楽しく感じる。実銃のトレーニングにも充分対応できる。
外観、発火性能、ともにモデルガンの醍醐味を存分に味わえるタナカのSIG P226 Mk25 EVO2フレームHWモデルガン。傑作の名に恥じない名銃だ。
タナカ
SIG P226 Mk25 EVO2 フレームヘビーウエイトモデルガン
DATA
- 全長:195mm
- 全高:142mm
- 全幅:37mm
- 重量:650g(カートリッジ含まず)
- 装弾数:15発
- 価格:¥31,350
- お問い合わせ先:タナカ
TEXT:毛野ブースカ/アームズマガジンウェブ編集部
この記事は月刊アームズマガジン2021年8月号 P.100~103より抜粋・再編集したものです。